鈴木芽吹、日本選手権10000mで初優勝!「最初に日の丸をつけるのは東京で」残り1000mでロングスパートみせる

■第109回日本陸上競技選手権大会・男子10000m(12日、熊本・えがお健康スタジアム)
東京2025世界陸上の代表選考を兼ねた日本選手権男子10000mが行われ、鈴木芽吹(23、トヨタ自動車)が27分28秒82で初優勝。参加標準記録には届かず、今大会での代表内定はならなかった。
ワールドアスレティックス(WA)が設定する参加標準記録(男子27分00秒00)を突破し、3位以内に入れば、代表に内定する今大会。日本記録保持者の塩尻和也(28、富士通)、前回大会覇者の葛西潤(24、旭化成)やパリオリンピック™代表の太田智樹(27、トヨタ自動車)に東京世界陸上マラソン代表の吉田祐也(27、GMOインターネットグループ)といったトップランナーたちが集まった。
雨の中始まったレース。序盤はペースメーカーが先頭で引っ張り、塩尻がすぐ後ろに、3番手には吉居大和(23、トヨタ自動車)がついた。葛西、太田、鈴木は後方から様子を伺う展開となった。1周あたり1分6秒のペースで縦長の一列の集団となってレースは推移していく。
4000mを通過したあたりで葛西と鈴木が3、4番手に上がってくると、塩尻と吉居もペースメーカーを抜いてトップに立つ。先頭集団は8人となり、吉居、塩尻、葛西、鈴木の順でペースを徐々に上げていく。
6000m手前で、吉居が抜け出す。2番手に10mほどあいて葛西と鈴木がつける。塩尻は遅れ始めた。残り8周の時点で勝負の行方は、吉居、葛西、鈴木の3人に絞られる。8000m手前で先頭の吉居は少し苦しそうな表情を見せるが先頭を死守。
三つ巴の戦いは9000mを通過して鈴木がスパートをかけると後続との差は広がる。残り1周に入っても鈴木は力強い走りでペースを上げていく。そして右手を突き上げ1位でフィニッシュした。
レース後、「今回はチャンスだと思っていたので、今日勝てなければ一生勝てないだろうというくらいの気持ちで走りました」と笑顔を見せた鈴木。参加標準記録突破はならなかったが、「最初の日の丸をつける舞台は東京でっていう思いもありますし、年齢的にも勝負できる年になってきてるので、一個一個のレースを大事にレースをこなしていきたい」と胸を張った。