猫も『むくむ』ことがある?むくみが見られる体の部位や疑うべき3つの病気を解説

2025-05-08 06:00

人で顔や足がむくむことがあるように、猫にも「むくむ」ことはあります。この記事では、猫のむくみが見られる体の部位とその原因について解説します。

︎むくみとは

大きい猫

血液中の水分が過剰に血管外に漏れ出て、細胞間に溜まった状態のことを「水腫」といいます。

細胞間の水分は通常、動脈からにじみ出る量と静脈やリンパに吸収される量で一定の量になるようにバランスが取られています。

しかし何らかの理由で、動脈から細胞間に過剰に水があふれ出してしまったり、逆に水分を回収するための静脈やリンパの流れが滞ることで水分が排出されなくなったりすると、水分量のバランスが崩れて水腫が起こります。

水腫の中でも皮下で起こるものを「浮腫(むくみ)」と言います。

水腫としては他にも腹水や胸水、肺水腫などがあり、むくみと同時に発生する場合もあるため注意が必要です。

︎むくみが見られる部位と確かめ方

猫の足

猫のむくみは全身に起こる場合と、部分的に起こる場合とがあります。

全身にむくみが見られる場合

まず猫の背中やお腹など皮膚の多い場所を触ると、水分が溜まったようにブヨブヨしているのが感じられます。

そしてそのブヨブヨしている背中やお腹の皮膚を指で摘んで持ち上げると、正常ならすぐに元の状態に戻るところ、むくみがある場合には摘んだ形からゆっくりと皮膚が戻っていきます。

部分的にむくみが起こる場合

部分的に起こる場合で良く見られる場所は、四肢や顔、尻尾などです。

四肢にむくみが見られる場合には、4本すべてが浮腫む場合もあれば、見た目からしてどれか1本の足だけが明らかにむくんで肥大しているのがわかる場合もあります。

また、むくんでいる足の肉球はパンパンに張っていることもあります。

顔がむくんでいる場合、特に目周りがいつもよりも腫れぼったくなったり、口や首周りにもたつきが見られることがあります。

尻尾は太っても脂肪が付きにくい場所のため、見た目からして尻尾だけがいつもよりも大きくなっている場合にも、浮腫の可能性があります。

どの部位においても、炎症など他の原因で腫れている場合には触ると痛がることがほとんどですが、むくみが原因の場合には触っても基本的に痛がらないのが、大きな特徴と言えます。

︎疑われる病気3つ

獣医師と猫

1.肥大型心筋症

心臓病の中でも猫でよく見られるのが「肥大型心筋症」です。

肥大型心筋症によって心臓の動きが悪くなると、全身の血液の循環が滞り、肺や胸腔での血管内圧が上がるために胸水、肺水腫などが症状としてあらわれることがあります。右心不全が起きている場合など、浮腫や腹水が認められる場合があります。

また、肥大型心筋症により血液の巡りが悪くなると、血の塊である「血栓」ができやすくなり、その血栓が後ろ脚の付け根にある血管の細い部分で閉塞すると「動脈血栓塞栓症」を起こします。

動脈血栓塞栓症を起こすと後ろ脚に全く血液が行かなくなるため、急激な痛みと麻痺が起こり、足は冷たく肉球は紫色になります。長時間血栓が詰まったままの場合、手術や溶解剤が使えず足が腐ってしまう可能性があります。

手術は難易度とリスクが高く選択されない場合も多いですが、いずれにしてもこの病気は緊急性が高いため、このような症状が見られたら迅速に動物病院を受診しましょう。

また、血栓が脳に詰まるとけいれんなどの神経症状、肺に詰まると呼吸状態の悪化など他の症状が見られる場合もあります。

2.糸球体腎炎

腎臓の中にある尿を濾過する「糸球体」と呼ばれる場所が障害される病気です。免疫学的異常や感染などが原因で起きます。

糸球体腎炎になると水分やナトリウムが過剰に貯留したり、タンパク質が尿に漏れ出てしまうことで血管内に水分が保持できなくなったりして、むくみが起こります。他にも食欲低下、元気消失、嘔吐、体重減少、多飲多尿、尿量の減少など多様な症状がみられます。

急性発症の場合重篤化することもあるので、上記症状に心あたりがあれば、早期に血液検査や尿検査を行いましょう。

3.腫瘍

リンパ管や血管が腫瘍によって圧迫されると体液循環の流れが悪くなり、むくむことがあります。

体腔内の腫瘍がリンパ管を圧迫している場合や、心臓や心臓周囲の血管に発生した腫瘍による圧迫など、腫瘍の発生部位によって様々です。

この場合、圧迫されている場所によって浮腫の起きる場所や程度も変わってきます。末梢だけしか症状が出ないこともあれば、胸水や腹水など全身的な症状が出ることもあります。

浮腫が見られた場合には、その周辺のリンパが腫れていないか、他に全身でしこりが触れられないか確かめましょう。もちろん、動物病院で全身的な検査を受けることが推奨されます。

︎まとめ

猫の血液検査

人は塩分や水分を摂りすぎた次の日や、運動不足などで一時的にむくむことがありますが、猫に浮腫が見られた場合は、ほとんどが病気が原因で起きていると考えられます。

浮腫が見られた場合には、動物病院を受診し血液検査や尿検査、必要に応じて全身的な画像検査などを受けましょう。

また、日頃から猫の体に触れて体の状態をチェックしておくことが、むくみなどのわずかな変化に気がつくためにも大切です。

関連記事

まだ目も開いていない『赤ちゃん猫』を見守っていたら…あまりにも尊すぎる『まさかの瞬間』に「なんて貴重な」「本当に愛らしい」と2万再生
さきいかを欲しがる黒猫→『あげないよ~ん』と煽った結果…まさかの"表情"が388万表示「めっちゃ怒ってるw」「ハイライト消すの上手い」
『ブランコに乗っている猫』→遊んでいるのかなと思ったら…まさかの『お手伝いしている姿』に「確かに邪魔にならないw」「助かるね」の声
先住猫のことが苦手だった保護猫→時間が経った結果…出会った頃が嘘のような『現在の光景』に「信じられない」「本当の兄弟のよう」の声
近所の犬を撫でて帰ってきたら、『猫のしっぽ』が…予想外の反応が26万再生「浮気は許さないw」「匂いチェック笑った」と爆笑の声

  1. “児童の性的ディープフェイク”の被害が深刻化 今年9月末までの被害相談79件…加害者の約半数は同級生 警察庁が「犯罪や人権侵害にもつながる」と注意喚起
  2. 部活動中に『海で溺れる』 女子生徒(中1)死亡 過去には【授業中】車にひかれ死亡する事故も…
  3. 茨城・つくば市の常磐自動車道に男性の遺体 ひき逃げ事件の可能性
  4. 『飲酒運転の車』に同乗し事故 女性教諭(20代)停職処分 教諭も「(運転者と)朝まで飲酒…」
  5. プーチン大統領 譲歩拒否の姿勢強調 ウクライナ和平協議不調なら「軍事手段で歴史的領土解放」
  6. カーリング混合ダブルス、日本は予選リーグ敗退決定 悲願の五輪初出場ならず…【世界最終予選】
  7. 心を磨き、手をいたわる。ニチバン×増上寺「親子で年末大掃除体験」開催レポート
  8. イマドキ職場忘年会は「本格マッサージ付」や「子連れ参加OK」も【THE TIME,】
  9. 枕を支えに毛づくろいしていた猫→『毛布』をかけてみると…まさかの光景が15万いいね「前世は人間?」「赤ちゃんみたいw」とSNSで反響
  10. 【赤坂・個室サウナ火災】SOS届かず…非常用ボタンの受信盤”電源オフ”に 店オーナー「電源入れたことない」 個室サウナ増に専門家「ルール見直し必要」【news23】
  11. ネコがいないと思ったら・・。『大将やってる?』のノリで登場した時の様子が話題に「ウチ6時からなんです〜」「今日、いいマグロある?」
  12. 晴れエリア拡大 大掃除日和 北・東日本は空気ヒンヤリ