痛みを伴う、猫の『関節炎』早めにキャッチしたい初期のサインや予防法などを解説

2025-05-13 16:00

関節炎は12歳を超えたほぼ全ての猫で起こることから、猫を飼う人ならば必ず知っておきたい病態です。この記事では、猫の関節炎を予防する方法と、その初期症状について解説します。

︎関節炎とは

注射を受ける猫

関節は、体を滑らかに動かしたり、骨を衝撃から守ったりする役割があります。

この関節に、なんらかの原因で炎症や痛みが生じた状態を関節炎と言います。

原因には、転落や交通事故など怪我から生じる場合と、加齢が原因で生じる場合とがあります。

怪我が原因の関節炎は、遺伝的に関節疾患のある猫で起こることが多く、特にスコティッシュフォールド、マンチカン、アメリカンカール、シャム、メインクーン、デボンレックス、ペルシャ、ヒマラヤン、ラグドールなどは若い頃から注意が必要です。

加齢が原因の場合には、10歳以上の猫の約6割には変形性関節症があると言われていることから、シニアに差し掛かる全ての猫が、7歳ごろから少しずつ対策をとることがおすすめです。

︎初期症状

キャットタワーと猫

関節症は進行がとてもゆっくりなため、初期はほとんど無症状です。

最初に変化に気がつくとしたら、なんとなく最近動きが少ない、高い場所であまり寝なくなった、立ち上がりが少し遅くなったなど、歳のせいかなと済まされてしまうくらい、あいまいなものが多いです。

その後進行して痛みが強くなってくると、ジャンプしなくなる、高い場所に登れない、足を引きずる、トイレなど低くても段差が超えられないといった症状が見られるようになります。

︎予防法

体重計に乗る猫

肥満を予防する

肥満により体重が増えることで、関節への負荷が増大して関節炎が起こりやすくなります。特に遺伝的に関節が弱い猫種では、若いうちから肥満にさせないようなフードの量やフード選びが大切です。

毎日会っていると、愛猫の肥満は飼い主さん自身では気がつきにくいため、定期的な体重測定やBCS(猫の肥満度を5段階もしくは9段階で示した基準)で客観的に愛猫の肥満度を確かめることが大切です。

適度な運動で筋肉をつける

関節の周りは筋肉で覆われており、関節を衝撃から守るためには筋肉をつける事が大切です。

高齢になり、寝ている時間が増えて運動量が低下すると、必然的に筋肉も落ちてきてしまいます。激しい運動はかえって関節炎のリスクを高めますが、飼い主さんとの遊びの中で適度に体を動かしてもらう事で、筋肉が落ちないように工夫しましょう。

また近年では、動物病院によっては高齢猫の筋肉維持や、肥満解消を目的とした猫のリハビリを行っているところもあるため、猫が楽しんで行える性格の場合にはオススメです。

滑らないようにする

フローリングなど滑りやすい床は、猫が走り回ったときに転んで関節を痛めるリスクが高いため、滑らないマットを敷くなど対策が必要です。

また、猫は肉球が滑り止めの役割を果たしています。毛の長い猫で、肉球周りの毛が伸びている場合、滑ってしまうリスクが高くなるため、定期的にバリカンなどでカットをすることが大切です。

転落に気をつける

高齢になると筋肉が低下するため、少しの衝撃で関節を痛めやすくなります。

若い頃は問題なく飛び降りていた場所でも、高齢になると着地を失敗してしまい、それが原因で関節炎になることは非常に多いです。

猫は高い場所が好きなため、歳をとっても筋肉が大丈夫であれば高い場所に登ろうとします。

高い場所から飛び降りないと下に降りられないような構造や、誤って転落するリスクのある場所は、猫が高齢になったら登れないようにしておくなど、飼い主さんの手で対策を行うことが重要です。

関節に特化したフードやサプリメントを使用する

関節炎は猫にとても多いため、関節に特化したフードやサプリメントもたくさん販売されています。

グルコサミン、コンドロイチン、オメガ3脂肪酸など、関節を保護するための成分が含まれているものが多いです。

特にオメガ3脂肪酸の含まれるフードやサプリメントは関節以外にもさまざまなアンチエイジング効果が期待できるため、高齢に差し掛かった猫にオススメの成分です。

サプリメントやフードは、薬と違い副作用の心配がないため長期間使用できるので、手軽な対策として始めてみるのも良いでしょう。

︎まとめ

レントゲン写真と猫

猫の関節炎は進行するとかなりの痛みを伴うこともあるため、早期発見が重要です。そのために何よりも大切なことは、自宅での猫の行動変化に飼い主さんが気がつくことです。

猫は痛みを人間以上に我慢する動物です。特に動物病院では緊張しているので、痛みがあったとしても、その証拠となる行動を見せることはほとんどありません。

なんとなくいつもと違うと感じたら、「歳のせい」と済ませず、早めに動物病院で治療を受け、自宅の生活環境も安静にできるように改善しましょう。

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