猫に絶対食べさせてはいけない『果物』5つ 命に関わるリスクや誤飲時の症状・対処法も解説
人間には健康的で美味しい果物が、実は猫には命に関わる危険な食べ物になることがあります。しかし飼い主さんが「少しくらいなら大丈夫」と思って与えてしまうケースは少なからずあり、その油断が愛猫の健康を大きく損なう原因になりかねません。そこで今回は、猫に絶対食べさせてはいけない果物と、それぞれの危険性や中毒症状、誤食してしまった場合の対処法について、詳しく解説していきます。
猫にとって危険な果物5選とそのリスク

1.ぶどう・レーズン
ぶどうとレーズンは、猫にとって危険な果物の一つです。
猫の場合は具体的にぶどうやレーズンのどのような成分が原因となってどんな症状が現れるのかといった詳細は不明ですが、犬の場合は少量であっても急性腎不全を発症し命にかかわることが知られています。
そのため猫にも与えるべきではないとされる果物です。
もし猫がブドウ類を摂取すると、犬と同様の症状が現れる危険があり、治療が遅れれば遅れるほど、回復の可能性は低くなります。
そのため、誤食の疑いがある場合は即座に動物病院を受診しましょう。
2.アボカド
アボカドも猫に与えてはいけない果物です。
実はアボカドには「ペルシン」という物質が含まれており、これが猫にとって有毒となります。
ペルシンは殺菌効果があって「良い成分」と思われがちなものの、猫が摂取すると嘔吐、下痢、呼吸困難、けいれんなどの症状が現れる可能性があるのです。
具体的な致死量については不明ですが、飼い主は猫が誤って摂取しないようアボカドの管理を徹底しましょう。
そして注意を忘れてはいけないのが、アボカドの種子です。
大きく硬い種子は誤飲による窒息のリスクもあり、消化管に詰まって腸閉塞を起こす可能性もあります。猫が種を丸のみするのは考えにくいですが、猫の危険因子を遠ざけるに越したことはありません。
3.さくらんぼ
さくらんぼは猫に与えても問題ない果物ですが、種子・茎・葉は絶対に与えてはいけません。
実はさくらんぼの種子には青酸配糖体というものが含まれており、これが体内で分解されると青酸(シアン化合物)を生成するのです。
青酸毒が発生すると中毒症状として、呼吸困難、虚脱、意識障害などが現れ、最悪の場合は命に関わります。
果肉部分は比較的安全とされていますが、猫が種子を噛み砕いてしまう可能性があるため、さくらんぼ自体を避けるのが賢明といえるでしょう。
4.柑橘類(レモン、オレンジ、グレープフルーツなど)
柑橘類の果物も猫に与えないようにしましょう。
というのも柑橘類に含まれるリモネンやソラレンなどの成分は、猫の肝臓で適切に代謝することができず、蓄積すると中毒症状を引き起こすからです。
猫は肉食動物なので、こういった植物由来の成分を分解するのが苦手なんですね。
中毒症状としては、嘔吐、下痢、よだれの増加、皮膚炎、運動失調などが挙げられます。また皮に含まれる「ソラレン」には、紫外線の感受性を高めてしまう光毒性もあります。
果肉部分であれば比較的安全性は高いですが、中毒リスクを考えても、肉食動物の猫にあえて柑橘類を与える必要はありません。
さらに猫は柑橘類の香りが苦手なので、そもそも柑橘類を好む子は少ないでしょう。
5.イチジク
イチジクも猫に与えてはいけない果物のひとつです。
イチジクの樹液には「フィシン」というタンパク質分解酵素が含まれており、この酵素が猫の口腔粘膜に炎症を引き起こし、よだれがダラダラ止まらなくなったり、悪化すると飲食ができなくなることも。
また実などにはフラノクマリン(フロクマリン)という成分が含まれていて、これが触れた部分は日光が反応してしまい皮膚炎を起こしてしまう場合があります。
そのため購入してきたイチジクの管理はもちろん、庭にイチジクの木を植えている場合は、猫が近づかないよう注意が必要です。
猫が誤飲したときの対処法

もし猫が危険な果物を口にしてしまったら、まずは落ち着いて行動してください。
無理に吐かせようとせず、食べた果物の種類と量、食べた時間をできるだけ正確に記録し、動物病院に伝えましょう。
もし摂取した果物の残りや包装があれば、それも持参すると診断の助けになります。
くれぐれも無理に嘔吐を誘発することは避けてください。水や牛乳を飲ませると良いと思っている飼い主さんもいますが、症状を悪化させる場合があるためNGです。
誤食への対処はとにかく迅速な対応が重要なので、速やかに動物病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。
まとめ

猫にとって危険な果物は、人間にとって身近で健康的な食品であることが多いため、誤って与えてしまうケースが少なくありません。
しかし少量でも命に関わるリスクを持つ果物がある以上、「少しくらいなら」という気持ちは禁物です。
大切なのは危険な食べ物を正しく理解し、それをしっかり保管することです。
そしてもし誤食したときは、迅速に対応することが命を守るカギとなります。愛猫の健康と長寿を守るためにも、飼い主さんは日常生活でも細心の注意を払いましょう。
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