猫の『呼吸が苦しそう』なときに考えられる原因5つ 病気の可能性や対処法まで解説

2025-10-15 16:00

猫が「ハアハア」と息をしていて、心配になったことはありませんか?猫は犬と異なり、口呼吸をあまりしない動物。呼吸が苦しそうなときは、どんな原因が考えられるのでしょうか。対処法とあわせて解説していきます。

猫の呼吸の特徴

寝転ぶ猫

暑いときや興奮しているときなどに、舌を出して「ハアハア」と呼吸をする犬と違い、猫は基本的には鼻で静かに呼吸をしています。

成猫の正常な呼吸数は、安静時には1分間に20〜40回程度が目安です。睡眠時は、15~25回程度とやや少なくなり、子猫の場合は、逆に1~2割ほど呼吸数が多くなるといわれています。

呼吸が正常な場合は、胸やお腹がゆっくりと規則的に動いて、呼吸音はあまりしません。

口を開けて呼吸をしていたり、お腹だけが大きく動いたりしているときには、何らかの異変のサインかもしれません。

呼吸が苦しそうな5つの原因と対処法

.舌を出す猫

1.運動した後

人間と同じように、猫も運動すると体に必要な酸素を多く取り込もうと、呼吸が速くなります。また、猫は汗をほとんどかかないため、走り回ったり、他の猫とじゃれたりして上昇した体温を下げるために口呼吸をすることもあります。

外出や来客などいつもと違う環境になった際に、緊張と興奮で口呼吸をすることもあります。

対処法:興奮がおさまり、呼吸が落ち着くのを待ちましょう。たいていは30分程度で正常に戻ります。数時間が経っても荒い呼吸が続くようであれば、別の病気の可能性もありますので、動物病院へ連れていきましょう。

2.熱中症

猫は比較的暑さに強いと考えられています。ただし、夏場や高温多湿の環境では熱中症を引き起こすことがあります。体温調節があまり得意ではないため、舌を出して「ハアハア」と呼吸することで、唾液を蒸発させて気化熱を利用して体温を下げようとします。

対処法:すぐに涼しい場所に移し、布にくるんだ保冷剤や濡れタオルなどで体を冷やします。水分をとれるようであれば、無理のない範囲で水を飲ませましょう。無理やり口に水を入れると、興奮して逆効果になる可能性があるので、水分摂取を促す程度にしましょう。

症状が落ち着いても放置はせずに、必ず動物病院へ受診を。

3.呼吸器の病気(肺炎・猫喘息など)

上部気道に炎症が起きると、空気の通り道が狭くなり呼吸がしづらくなります。肺炎など肺自体に問題が起きると、酸素のガス交換がうまくできずに体に酸素が不足してしまいます。

軽度の場合は、鼻水やくしゃみ、軽い咳などの症状が見られ、重症化すると、口を開けて呼吸をしたり、舌が紫色になったり、「ゼイゼイ」「ヒューヒュー」と異常な呼吸音がしたりします。

対処法:日ごろから掃除や換気をして、アレルゲンとなるホコリやカビをためないようにしましょう。特に猫風邪など持病がある場合は、悪化の兆しがないか常に気をつけておきましょう。

呼吸に異変が見られたら、煙や芳香剤などの刺激物をできるだけ遠ざけたうえで、すぐに動物病院へ連れていきましょう。

4.心臓の病気(心筋症・肺水腫など)

心臓の動きが悪くなる「心筋症」は、初期症状はあまりなく、呼吸困難や後ろ足のまひなどが突然起こることがあります。

また、血液が肺にたまる「肺水腫」になると、おぼれているような状態になるため、呼吸が浅く速くなるなどの異常があらわれます。他にも、肺の周りに「胸水」が溜まると、深く息を吸おうと胸の動きが大きく動くような呼吸になります。

対処法:心臓病による呼吸困難は緊急性が非常に高いです。

口を開けて苦しそうに呼吸している、ぐったりしている、意識がもうろうとしているといった様子が見られたら、一刻も早く動物病院に連れて行きましょう。

5.外傷や誤飲

事故にあったり、高いところから落ちて胸を強く打ったりすると、肺に損傷や出血が起きて呼吸困難になることがあります。また、ゴムボールやスポンジなどの誤飲によって喉や気管に異物が詰まって呼吸できなくなるケースもあります。

対処法:外傷を負った場合は、呼吸に異常が見られなくてもすぐに病院へ。誤飲や誤食をしてしまったときにも、家庭で無理に対処しようとせず獣医師に相談しましょう。

脱走や誤飲をさせないように、事前に対策をしっかりと取っておくこともお忘れなく。

まとめ

.撫でられる猫

猫の呼吸がいつもと違うとき、それは「助けて」のサインかもしれません。

暑さや病気、けがなど原因はさまざまですが、いずれのケースでも素早く不調を察知して、対応することが大切です。

そのためには、日ごろから呼吸のリズムや回数、様子を注意深く観察しておくと良いでしょう。

そして、少しでも異変や違和感を覚えたら、迷わず獣医師に相談を。咳など一時的な異常の場合は、症状の動画を撮っておくと診断にたどりつきやすいでしょう。

飼い主の日々のほんの些細な気づきや行動が、愛猫の健康をより確かに守る一歩になります。

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