「投票はお祭り」南米・ボリビア「義務投票」の選挙って?車の走行禁止・飲酒禁止・罰金罰則など“3つのルール”も…有権者(81)投票は「望みを伝える機会」【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-10-23 13:58

選挙のたびに「投票に行きましょう」と呼びかけられていますが、前回の衆院選の投票率はおよそ50%。棄権してしまっている人が多いのが実情です。そんな日本と全く異なる国…南米・ボリビア。先日、新たな大統領が誕生しました。何が違うのかというと…国民の投票は「権利」ではなく、「義務」なんです。

【写真を見る】“特別なイベント” 盛り上がるボリビアの選挙

投票率83%「投票はお祭り」 南米ボリビアの選挙とは?

南米ボリビアにある「ウユニ塩湖」。水面に空を映す幻想的な風景は、日本人にも人気の観光地です。

そのボリビアがいま、大きな転換点を迎えています。

19日の大統領選挙で勝利した、ロドリゴ・パス次期大統領。20年あまり続いた“反米左派路線”を見直し、経済の開放、そしてアメリカとの協調へ。国の進路を大きく変える選挙でした。

投票率は83.6%。この高さには理由があります。

記者
「いま、投票所の取材に向かっているのですが、周りには屋台がたくさんあってお祭り状態。すごい活気です」

子どもがいたり、犬がいたり、なんだかとても楽しそうです。

有権者(39)
「ボリビアの投票はお祭りです。民主主義のお祭りです」

この国の選挙は“特別なイベント”です。投票は「権利」ではなく、法律で定められた「義務」なのです。

日本では考えられないようなルールもあります。

多くの血が流れた結果、投票は「義務」に 罰金・罰則も

▽「義務投票」ルール1 自動車の移動制限

選挙当日、街から車の姿は消えます。
特別な許可を得た車両以外は走行が規制されます。

▽「義務投票」ルール2 酒の販売・消費禁止

選挙当日を含む3日間は、お酒を売っても飲んでもいけません。
自宅でコッソリ飲酒することも認められないそうです。

▽「義務投票」ルール3 投票しないと罰則

投票できない人が理由を申告するため、役所の前には長い行列ができていました。
理由が認められなければ高額の罰金(約1万2000円)に加え、3か月間の銀行取引の停止など厳しい罰則が科されます。

これほど選挙を大切にするようになったのは、過去の厳しい歴史があります。

ラパス郊外に1人で暮らす、元教師のベルタさん(81)。

ベルタさんが子どものころ、ボリビアはスペイン出身者を中心とした富裕層がすべてを支配していたといいます。

ベルタさん
「私が生まれる前から選挙は行われていました。でも、それは少数の人たちのためで、みんなの選挙ではありませんでした」

――投票できない人は?
「奴隷でした」

国民の大半を占める先住民族や女性には、投票権がありませんでした。政治に参加できないことで不公平な扱いを受け、とても苦しい生活を強いられたそうです。

しかし、そうした状況を打破したのが1952年の「ボリビア革命」。多くの血が流れた結果、誰もが投票できるようになり、「投票は義務」となりました。

ベルタさんの大切な思い出。それは投票を終えた両親が口ずさんでいた一曲“自由と解放を祝う歌”です。

81歳「望みを伝える機会」 “義務投票”の1票

いまボリビアは深刻な経済危機の中にあります。しかし、投票に集まる人たちの表情は明るく、「義務」として選挙に参加しているようには見えません。

ベルタさんも投票所にやってきました。高齢者は投票の義務を免除されていますが...

ベルタさん
「私たちは自分の望みを伝える機会が得られました。それが重要なのです」

投票用紙を受け取ると、迷いなく1票を投じました。ほんの一瞬の出来事ですが、大切な1票です。

ベルタさん
「何を望んでいるか?新大統領が正しく、正直であること。それだけで十分です」

――誰に投票したかは内緒ですか?
「当然です。だからさっさと終わらせたのです」

藤森祥平キャスター:
歴史的背景や事情は違いますが、投票に行くことに対する明るいイメージというのは新鮮ですね。

トラウデン直美さん:
すごくいいですよね。必ずしも義務である必要があるのかはまた別の話だと思うのですが、選挙の日がお祭りのようになっていて、みんなが責任をもってその日を楽しみつつも、ちゃんと選挙に参加するという風土があるのは大事なことだと思います。

選挙によって社会が変わっているという実感と、その社会をつくっているのは自分たちなんだという責任感を持つことが民主主義にとって一番重要だと改めて思いました。

========
<プロフィール>

トラウデン直美さん
Forbes JAPAN「世界を変える30歳未満」受賞
趣味は乗馬・園芸・旅行

  1. アメリカ・ミネソタ州で不法移民取り締まる連邦捜査官が発砲 撃たれた男性は死亡 事件後、現場周辺では抗議活動 当局側と衝突
  2. 衆院解散後、初の党首討論 各党党首が成長戦略、消費減税、外交・安全保障などめぐり論戦
  3. 【Travis Japan松田元太】舞台『俺節』で単独初主演に気合十分「『演歌歌手になります!』と言えるくらいになるつもり」
  4. アメリカ中西部ミネソタ州でまた連邦当局が発砲、撃たれた男性は死亡 現地メディア
  5. インドネシア・ジャワ島で土砂崩れ 8人死亡 82人行方不明
  6. 栃木県議会議員が酒気帯び運転の疑いなどで逮捕 「逃げるつもりなかった」と容疑否認
  7. トランプ大統領「カナダが中国と貿易協定結べば100%の関税」と警告 ダボス会議でアメリカに批判姿勢示唆したカーニー首相への圧力強める
  8. 「居座り寒波」2回目のピーク 日本海側で大雪続く 交通機関への影響が続く見通し
  9. 東京大学医学部付属病院の教授(62)を収賄容疑で逮捕 接待は1年半にわたって月に2回程度か 銀座の高級クラブや性風俗店で 警視庁
  10. 山梨・扇山の山林火災 発生から17日目「鎮圧」を発表 およそ396ヘクタールが焼け、山林火災として山梨県内で最大規模の被害
  1. アメリカ中西部ミネソタ州でまた連邦当局が発砲、撃たれた男性は死亡 現地メディア
  2. 衆院解散後、初の党首討論 各党党首が成長戦略、消費減税、外交・安全保障などめぐり論戦
  3. アメリカ・ミネソタ州で不法移民取り締まる連邦捜査官が発砲 撃たれた男性は死亡 事件後、現場周辺では抗議活動 当局側と衝突
  4. 【Travis Japan松田元太】舞台『俺節』で単独初主演に気合十分「『演歌歌手になります!』と言えるくらいになるつもり」
  5. 【大雪警報】鳥取県・鳥取市北部、岩美町に発表 25日03:09時点
  6. 【大雪警報】富山県・高岡市、氷見市、砺波市、小矢部市、南砺市、射水市に発表 25日02:41時点
  7. 東京大学医学部付属病院の教授(62)を収賄容疑で逮捕 接待は1年半にわたって月に2回程度か 銀座の高級クラブや性風俗店で 警視庁
  8. インドネシア・ジャワ島で土砂崩れ 8人死亡 82人行方不明
  9. 栃木県議会議員が酒気帯び運転の疑いなどで逮捕 「逃げるつもりなかった」と容疑否認
  10. 【なだれ注意報】京都府・京都市、舞鶴市、綾部市、南丹市、京丹波町に発表(雪崩注意報) 25日03:30時点
  11. トランプ大統領「カナダが中国と貿易協定結べば100%の関税」と警告 ダボス会議でアメリカに批判姿勢示唆したカーニー首相への圧力強める
  12. 【大雪警報】北海道・札幌市に発表 25日02:46時点