統一教会は「宗教を基盤とした事業体」 日韓の政界に深く入り込む“政治と教団”の実態 捜査のメスはなぜ入らなかった?【報道1930】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2025-11-02 14:47
統一教会は「宗教を基盤とした事業体」 日韓の政界に深く入り込む“政治と教団”の実態 捜査のメスはなぜ入らなかった?【報道1930】

安倍元総理銃撃事件の裁判が事件から3年を経て始まった。その前日、韓国では尹前大統領の妻などに不正な贈与をしたなどの疑いで起訴された旧統一教会トップ・韓鶴子被告の裁判が本格化した。
その旧統一教会について日本では解散命令を巡る高裁審理が今年度中にも判断される見通しだ。3つの裁判…。その根底にある“政治と教団”、その実態とは。

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「統一教会の本質は宗教を基盤とした事業体」

安倍元総理銃撃事件の裁判、焦点のひとつは被告の旧統一教会(以下教団)への恨みが安倍元総理に向けられた関連性だ。一方、韓鶴子被告の裁判も教団の活動の是非ではなく政界への関与だ。日本韓国双方とも政治と教団の関係が注目されている。

韓国当局は疑惑への調査に当たって教団の家宅捜査に踏み切った。その時の韓鶴子総裁の肉声を番組は入手した。

韓鶴子総裁
「ホーリーマザーハン真の母をあまりに軽んじた天を冒涜した特別検察は直ちに謝罪しなければならない」

「宗教が政治に介入しようとした」特別検察の狙い

かつて朴槿恵元大統領の弾劾につながる事件の捜査チームの一員だったホン・ジョンソク弁護士は、特別検察は教団が利益と影響力拡大のために政界工作をしたことを捜査していると指摘する。

ホン・ジョンソク弁護士
「政治資金法と請託禁止法の嫌疑で宗教が政治に介入しようとしたという点が起訴状で最も重要な点だ。(中略)もし日本からの資金が韓国の犯罪行為に関係したとすれば韓国の捜査機関から日本への捜査依頼をすることや共同捜査の要請をする可能性も…」

教団が長年の計画である日韓海底トンネルにかかる莫大な資金を国から引き出すために政界工作を重ねたことなども調査対象だという。さらに現地メディアの報じるところによれば保守系『国民の力』の党員名簿に11万人以上の教団信者の名があったことも判明。息のかかった議員を党代表に押し上げるために信者を入党させたことにも捜査が及ぶ見通しだ。

教団の問題に長年取り組むタク・ジイル教授は言う…。

釜山長神大学校 タク・ジイル教授
「旧統一教会の本質は宗教を基盤とした事業体だ。政界工作を通じて金銭的・政治的影響力を拡大しようと考えている。教団の違法な政界ロビーは彼らにとっては慣行であり、偶発的事件ではなく歴史的に確実に進められてきた長い習慣なのだ…」

「80年代90年代は1か月に30億ウォン(約3億円)お金が集まった。教団の資金の9割は日本から来てる」

韓国・日本どちらにおいても教団と政界とのかかわりは古く、1960年代。日韓共に“反共”を旗印に教団と政界は結び付いた。その後韓国では複数の事業で“教団の財閥化”が進んだ。その資金の多くは日本からもたらされた。霊感商法が社会問題化するほどの巨額の献金が教団を支えた。

しかし、タク・ジイル教授によれば安部元総理銃撃事件以降、日本からの送金は減り、日本での政界工作も不調となると、韓国側の教団は不安定になり韓鶴子側は違法かつ無理な政界工作を行ったのではないかという。

実は安倍元総理の事件以前から韓国の教団内は不安定だったと話すのは、朝日新聞の元ソウル支局長、牧野愛博氏だ。

朝日新聞 牧野愛博 外交専門記者
「文鮮明さんが2013年に死んでから跡目争いが起きた。奥さんと3人の子ども…特に三男ですが…。韓鶴子さんが焦って、自分が主導権握らなきゃいけないんで…。政教一致の教団の理想を現世に実現すると…。それで日韓トンネルの話を出したり、軍事境界線に平和公園造るとかいろんなこと言いだした。その一環として尹政権に近づいた…」

跡目争いで不安定になったところに銃撃事件でお金も集まらなくなったというのだ。 

朝日新聞 牧野愛博 外交専門記者
「教団関係者に聞いたけれど、景気が良かったころは80年代90年代は1か月に30億ウォン(約3億円)お金が集まった。教団の資金の9割は日本から来てると言われた。それが無くなっちゃうっていうのは大きい打撃…」

「信者の時代“文の日”というのがあった…、ひたすらシュレッターかける…」

 教団の政界工作の形として選挙協力がある。韓国では信者を11万人も党員として送り込み、日本では銃撃事件以降複数の自民党議員が教団の選挙支援を受けていたことが明るみに出た。80年代から90年代にかけて自らも教団信者だったというジャーナリスト、多田文明氏は言う。

ジャーナリスト 多田文明氏
「旧統一教会の教えに“自分たちの宗教が国教とならなければいけない”とある、いわゆる国の教えとならないといけない…。なので政治家に取り入って色々やっていかなきゃいけない。政治家へのアプローチっていうのは日本も韓国もそうですけど世界の要人に対してもやっていると思います…」

自分たちの目的のために政治家に近づくという手法は決して珍しいことではないが、カルト教団に精通する北大の櫻井義秀教授は「“政治と宗教の癒着”同じような構図でも韓国ではトップが裁判にかけられているのに、日本ではメスが入らないまま。教団の代表者の責任も教団を支援した政党の責任も問われない」と指摘する。

これに対して多田氏は言う。

ジャーナリスト 多田文明氏
「教団は日本でお金を集めていたので、警察とかのメスが入らないようにかなり対策していた。例えば教団本体と関連団体を分けるとか…。霊感商法で捕まる人もいるが、教団本体は関係ないとか…そういう対策をしていた。私が信者の時代“文の日”というのがあった。当時は上からの指示はFAXで来ていた。でもそれは外に漏れたらまずいので、ある一定の日に一斉にシュレッターにかけるんです。総務部が少人数でやるのですが手伝ったこともある。ひたすらシュレッターかける…。そういうふうに証拠を隠すことをやっていたのでなかなかメスは入らない。韓国はそうでもないので、音声データとか色んな物が出てくる…」

ハーバード大学で比較宗教学を専攻した番組コメンテーターのパックンは、アメリカではメスが入らないどころか最初からメスを持たないと話す。

パトリック・ハーラン氏(パックン)
「政教分離は憲法にも定められていますが、徐々に浸食されてブッシュJr.政権の辺りから、もうノータッチ。例えばミサ中に神父さんが『だれだれに票を入れてください』って言う。前はそれ言ったら優遇税制を外されたけど、今はもう当たり前。ミサが終わったら教会の前にバスが待っていて、みんなでそれに乗って投票に行くみたいな…。宗教が政治活動を応援するのは大っぴらになっている。おとがめなし。それに比べたら日本はまだいいほう」

しかし教団の信者だったことのある多田氏は、経験談から政界との関係はもっと明らかにしていかなければならないという。

ジャーナリスト 多田文明氏
「私は現役信者のころ上から『偽装脱会しろ』と言われたことがあるし、自分も実際親に脱会したと嘘をついていた時期もあった。政治家の秘書にまだ信者かいるという噂もある。ちゃんと調べないといけない」

(BS-TBS『報道1930』10月31日放送より)

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