牢獄に食料を届け、「囚人」を餓死の危機から救ってくれた愛情深い猫 英国
15世紀の英国で、反乱罪で牢獄にとらわれ食事も与えられなかった男性を救った猫がいます。この愛情深い猫は男性を気に入ってとても懐き、鳩を捕まえては彼のために運び続けたのです。
反乱分子として投獄される

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猫は独立心が強くて孤独を好み、まわりには関心がないようにふるまいます。だから「犬ほど愛情深くはない」と思っている人が多いようです。しかし猫は犬よりはるかに繊細で、愛情豊かな生き物なのです。その証拠として15世紀に起きた実話をご紹介しましょう。
1483年から1485年、英国での出来事です。Henry Wyat卿は反乱の疑いで不当に投獄されました。当時のイングランド王Richard3世は彼に終身刑を宣告し、ロンドン塔に幽閉して激しい拷問を加えたのです。さらに食事も与えないよう命じました。
文豪ウィリアム・シェイクスピアも、その戯曲の中で残酷なRichard3世について描いています。 Wyatは、この王の失脚を企む反乱グループを支持したために投獄されたと考えられています。反乱グループはブルターニュに亡命していた甥のHenry(のちのイングランド王Henry7世)を支持していました。
猫が鳩を運んできた!

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牢獄の中で食事も与えられなかったWyatの命を救ったのは、猫でした。
記録によると、ロンドン塔に住み着いていた猫がWyatにとても懐き、しばしば彼の膝に寄り添って体を暖め、夜はともに眠って孤独と苦しみを和らげてくれました。
猫はWyatを非常に気に入っていたようで、牢獄から外へ出てひんぱんに鳩を捕まえては、日中こっそりと彼の元へ持ち込んでくれたのです。
この絶え間ない食料配給のおかげで、Richard3世の死とそれに続くHenry7世の即位によって釈放されるまでの間、Wyatは牢獄で生き延びることができました。
猫のおかげで生還・出世を果たす

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釈放されたWyatは、それまでずっとHenry7世を支持していたために、周囲から尊敬されて王に重用されました。王室の宝石管理官となったのち、王立造幣局の監督官にも任命されたのです。加えて国王の側近によって構成される秘密評議会のメンバーにも昇格しました。彼は自身の紋章を持つことを許され、広大な領地まで与えられました。
Wyatは1536年にこの世を去りましたが、獄中で彼に餌を与えてくれた猫がいなければこれほど長く生き延びることはできず、暗い塔の牢屋で餓死していたことは間違いありません。命を救ってくれた猫のおかげで、彼は実りある人生を送ることができたのです。
出典:The most loyal cat in the world: it caught a pigeon and fed it to an unjustly convicted prisoner
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