世界陸上7位入賞 小林香菜「今思えば自分きもいなって(笑)」今年の漢字は“走” 軽めの練習日でも60㎞走

■第14回富士山マラソン(14日、山梨県・富士河口湖町)
9月の東京世界陸上女子マラソンで日本勢3大会ぶりの7位入賞を果たした小林香菜(24、大塚製薬)にとって富士山マラソンはまさに原点と言える大会だ。4年前、自身初めてフルマラソンを走ったのがこの富士山マラソン。当時は早稲田大学2年生、マラソンサークルに所属していた。タイムは3時間27分51秒。その後、22、23年大会を連覇すると、今年1月の大阪国際女子マラソンでは2時間21分19秒。1時間以上タイムを伸ばした。
今大会は東京世界陸上で7位の活躍を見せた事もあり、ゲストとして大会に参加した。日の丸を背負っても「まだまだ気持ちは市民ランナー」と語っていた小林だが、いまや「走る事が好き」で共通する市民ランナー達からも声を掛けられ、写真撮影にも快く応じる。「名前を呼んで応援してくださる機会が増えて、とても嬉しかったので、そういう声に応えたい。 実業団選手という自覚を持ちつつ、市民ランナーのような楽しく走るという景色を見ながら走ること自体を楽しむ気持ちは変わらずあるので、そういう気持ちは大切にしながら走っていきたいなと思っています」と語った。
スタート前の挨拶では「みなさんに応援していただいて、富士山マラソンから、大阪国際女子マラソン、そして東京世界陸上と自分らしく楽しく走る事が出来ました。日頃からみなさんに応援していただいて、今日は恩返しがしたいと思って、この場に来させていただきました。みなさんが笑顔で帰ってくる事を祈りながらここでお見送りをしたいと思います。頑張ってください」と笑顔でエールを送った。
ランナー達を送り終えると「懐かしくなりました。富士山マラソンにしかないランナーのワクワクした感じが自分にも伝わってきて、レース前もおにぎりを食べている姿を見て、マラソン走るんだあとか思いながら頑張ってくださいと思って見つめていました」と語った小林。飛躍の年となった2025年の漢字を聞くと、走る事が好きな小林らしい答えが返ってきた。
「漢字一文字って難しいですね。辛いとか言えないじゃないですか(笑)。でもそれじゃあちょっとあれなので”走”ですかね。本当に走りまくった1年でしたね。まさか1か月で1380㎞自分が走るなんて思っていなかったです。今思えば7月とか8月とか北海道の士別で1日3回20㎞ジョグをして60㎞走っていて、練習が抜きの日(量が軽めの日)ですよ。今思えば自分きもいなって。だから”走”かなあ(笑)」
懐かしいレース会場を思い出深そうに歩いていた小林。またどこかの大会から小林のような代表を背負うランナーが現れるかもしれない。