凍える寒さと不況が生んだ熱狂!年末ジャンボ宝くじの群衆事故の裏に「寒冬」あり【気象予報士・森朗のお天気タイムマシン】

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2025-12-26 07:00
凍える寒さと不況が生んだ熱狂!年末ジャンボ宝くじの群衆事故の裏に「寒冬」あり【気象予報士・森朗のお天気タイムマシン】

1976年12月、一攫千金を夢見た人たちが売り場に殺到し、死傷者を出す惨事が起きました。「年末ジャンボ宝くじ」の販売現場で、なぜこれほどまでのパニックが起きたのでしょうか?当時の衝撃的なニュースと事件発生日のお天気に迫ります。(アーカイブマネジメント部 萩原喬子)

【写真を見る】宝くじを買い求める人たちで埋め尽くされた道路(1976年 東京・後楽園)

オイルショック後の不況と現代の数億円に匹敵する「夢」

1970年代の日本は、第一次オイルショックを境に高度経済成長が終焉。公共料金の相次ぐ値上げ、失業率の増加など、社会は重苦しい不況ムードに覆われていた時代です。
そんな暗い世相の中で登場したのが、1976年の「年末ジャンボ宝くじ」です。
賞金1等1000万円が40本、大卒初任給が約9万円程度だった時代に、まさに「一発逆転」を夢見る庶民にとって究極の希望だったのです。

日本列島が「冷蔵庫」に。極寒が群衆を焦らせた?

しかしこの夢を追いかける人々を待ち構えていたのは「寒冬」でした。

気象予報士 森 朗氏:
この年の冬は全体として「寒冬」の傾向が強く、特に宝くじの発売が迫った12月中旬以降、日本列島には強い寒気が流れ込みました。太平洋側は晴れて乾燥していましたが、そのぶん放射冷却が強まり、朝夕は身を切るような寒さでした。

そんな氷点下に近い過酷な状況下でも人々の熱狂は収まりません。後楽園球場前の売り場では、発売3日前から若者2人組が並び始めたのをきっかけに徹夜組は7000人にまで増えていました。

気象予報士 森 朗氏:
発売当日、21日朝、日本海に発生した小さな低気圧がさらに寒気の流れを複雑にし、東京の最低気温は3.1℃。夜通し外で待つには過酷な一夜となりました。

全国で数十万人が狂騒、ついに死傷者が出る惨事に

熱狂は東京だけではありませんでした。熱狂は全国規模に広がり、最終的に売り場の群衆は、東京(後楽園)で約3万人、福岡(平和台)と大阪(扇町公園)で約4万人と各地の売り場には想像を絶する群衆が押し寄せました。

あまりの人の多さに、各地の販売所では予定を前倒しして販売を開始しましたが、これが裏目に出ます。割り込みを巡る怒号が飛び交い、押し合いへし合いのパニックに。収集がつかなくなった現場には機動隊が出動するほどの大混乱に発展しました。

そしてこの混乱の中で最悪の事態が…。
約7500人が並んだ長野。最低気温マイナス3.2℃で4時間も並んだ77歳の男性が、買ったばかりの宝くじを握りしめながら脳溢血で急逝。福岡でも42歳の男性が心臓麻痺で亡くなりました。

さらに転倒や骨折など夢を買いに来たはずの場所で死者2人、負傷者30人以上を出す大惨事となったのです。

3日前から並んだ男性たちの切ない結末 

発売の3日前から後楽園で先頭に並び、極寒の夜を3回も越えて耐え抜いた若い男性2人組。「整理券」は無事に手に入れることが出来ましたが、なんと結果として宝くじを買うことは出来ませんでした。あまりのパニックに現場の収拾がつかなくなり、列が完全に崩壊。せっかく手にした整理券を握りしめたまま、群衆に揉まれるうちに販売は終了してしまいました。

宝くじのターニングポイント 

この事故を受け、翌年(1977年)からは「往復はがきによる予約制」が導入されました。また窓口の増設、警備体制の強化など、現代の安全対策はこの時の犠牲の上に築かれたものです。

気象予報士 森 朗氏:
天気予報も当時は今ほど詳細ではありませんでした。もし現代のようにスマホ等でリアルタイムの気温や情報を知り、「命に関わる寒さです」というようなアナウンスがされていたら状況は違ったかもしれません。

かつて凍える空の下で命がけで求めた「夢」は、今やクリック一つで手に入ります。
1976年の年末ジャンボ宝くじは不況と極寒が重なり、人々の欲望が暴走してしまった、二度と繰り返してはならない悲劇の記憶です。

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