猫が『問題行動』を起こすときの原因5つ 見て見ぬフリは絶対NG?改善策まで解説

2026-01-30 16:00

猫の鋭い爪や牙は、壁や家具を傷つけたり、飼い主さんや他の同居動物にケガをさせたりすることがあります。特に攻撃性が激しくなってしまった場合、見て見ぬ振りをしているとエスカレートして手がつけられなくなり、深刻な状態に発展して不幸な結末を迎えてしまうケースもあります。愛猫が問題行動を起こす原因を知り、早期に対処して改善することが大切です。

近年増えてきている猫の問題行動

飼い主を噛もうとする猫

愛猫の問題行動に悩む飼い主さんは、少なくないでしょう。「問題行動」とは、実は人の視点からできた言葉です。人にとっては問題となる行動でも、猫にしてみればごく当たり前の正常な行動であることが多いため、簡単にはやめさせられないからです。

猫の問題行動の要因には、不適切な飼育環境、完全室内飼育による刺激不足(退屈)、飼い主の間違った対応、病気があると考えられています。病気を除くと、これらの要因の背景には、飼い主さんが猫の習性や行動特性を正しく理解していないこともあるようです。

次章で、猫が起こす主な問題行動とその原因および改善策を、具体的に見てみましょう。

猫の主な問題行動とその原因および改善策

ソファで爪をとぐ猫

1.爪研ぎによる壁や家具の破損

猫は爪研ぎで、古くなった爪をはがし、新しい爪を出します。他にも、指の間の臭腺から分泌されるニオイの強い分泌物を擦り付け、自分のニオイをマーキングして縄張りを主張するという目的もあります。

どちらの目的も大切で、壁や家具が傷ついても、猫に爪とぎをやめさせることはできません。特に縄張りの境界となる玄関や窓、部屋の出入り口付近や、多頭飼育している猫のお気に入りエリアの周辺は、念入りに爪とぎでマーキングが行われます。

マーキングポイントとなる壁や家具には、爪とぎ防止用の保護フィルムなどを貼り、すぐ近くに猫が気にいるような素材と形状の爪とぎ器を設置しましょう。そして爪とぎ器で爪をとぐように誘導し、上手に使えたらおやつなどで褒めてください。

2.トイレ以外の場所での粗相

トイレ以外の場所で粗相をする原因で多いのは、「汚れたトイレを使いたくない」というものです。猫は綺麗好きなので、汚れたトイレや他の猫が使った後のトイレは使いたがりません。

最低でも猫の頭数+1個のトイレを用意し、こまめな掃除で綺麗な状態を維持しましょう。それでもトイレ以外での粗相が続く場合は、泌尿器系の病気が原因かもしれません。かかりつけの動物病院で診てもらいましょう。

3.夜間活動

夜中になると、家中を走り回ったり大きな声で鳴いたりすることがあります。元々猫は、獲物であるネズミなどの活動時間に合わせ、夕方や明け方などの薄暗い時間帯に狩りを行います。つまり、薄暗い明け方に活発になるのは、猫にとって当たり前のことなのです。

しかし、できるだけ昼間や飼い主さんの就寝前にたっぷりと遊ばせて体力を使わせることで、夜に疲れ果ててぐっすり眠るようになるでしょう。

4.過剰なグルーミング

猫は、起きている時間の大半をセルフグルーミングをして過ごします。セルフグルーミングには、体をきれいにするだけでなく、ストレスを発散させて気持ちを穏やかにさせるという効果もあります。

そのため、ストレスを感じると同じ部位を執拗にセルフグルーミングし、脱毛したり皮膚を赤く腫らしたり出血させたりしてしまうことがあります。

あまりにも執拗に同じ部位を舐め続けている場合は、長時間の留守番、部屋の模様替えや家族の変化など、猫にとってストレスとなるような原因がないかを探り、安心して落ち着ける環境に見直しましょう。

5.過剰な攻撃行動

猫は、鋭い爪や牙、高いジャンプ力や俊敏性など、ハンターとしての身体能力を持ち続けています。そんな名ハンターの能力を発揮して攻撃されたら、体の大きな人でも大ケガをしてしまいます。

猫が何らかの体験をきっかけに人や他の動物、環境要因などに不安や恐怖を感じるようになると、ちょっとした刺激にも激しく攻撃的になり、飼い主さんですら触れないほど凶暴化してしまうことがあります。

こうなると、もはや飼い主さんがご自身だけで愛猫の問題行動を改善することは難しくなります。動物病院で診てもらい、原因を究明して治療を行う必要があるでしょう。

飼い主が知っておきたい猫の行動特性

隣の猫のフードが気になる猫

猫の問題行動の多くは、猫の正常な行動であることがほとんどです。そのため、基本的には問題行動をただ「やめさせる」ことはできません。しかし、そのまま放置してしまっては、問題行動をエスカレートさせるだけです。

問題行動の改善は、基本的には下記の考え方をベースに対処しましょう。

①防止(問題となる行動を行えないようにする)
②対策(問題を起こす場所の近くに同じ行動または代替行動を行える環境を用意する)
③教育(新しい環境や代替行動を教える)

飼い主さんが猫の習性や行動特性を理解できれば、猫が安心して過ごせる環境を作り、適切な対処をとれるようになれるでしょう。そのためには、人と猫の五感の精度や使い方の違い、身体能力や猫に特有な行動特性などを学ばなければなりません。

問題行動の例としてご紹介した他にも、下記のような猫の行動特性を学ぶことで、猫の視点に立った環境づくりや接し方を工夫できるようになるでしょう。

  • 獲物を分け合う習性がなく、同居猫と並んでの食事にストレスを感じることがある。
  • 猫が他の猫や人とエリアを共有するためには、空間を立体的に利用できる必要がある。
  • 退屈で刺激の少ない生活は大きなストレスとなるため、適度な刺激や運動は必要。
  • 愛猫の気持ちを理解するためには、猫のボディランゲージを理解する必要がある。

まとめ

猫を抱く獣医師

完全室内飼育の普及は、猫の平均寿命を伸ばすことに大きく貢献しましたが、刺激の少ない生活は、猫に「問題行動」を引き起こさせやすくなったと考えられています。

そのような背景もあってか、文部科学省は2011年3月に、獣医学課程に「獣医動物行動学」を必修科目として含むようなコア・カリキュラムを作りました。併せて、日本獣医動物行動研究会の認定資格を持つ「獣医行動診療科認定医」も、年々増えてきています。

飼い主も積極的に学ぶことが必要ですが、専門家を頼ることも大切です。愛猫の問題行動に悩んだら一人で抱え込まず、動物病院に相談してみましょう。獣医行動診療科認定医のいる病院への紹介状を書いてくれることも含めて、きっと助けになるはずです。

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