なぜ警視庁合格者の4割が辞退するのか? なり手不足解消に向けて待遇面向上など“警視庁改革”【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-02-19 21:51

東京の治安を守る警視庁についてお伝えします。現在、4万人以上の警察官を抱える巨大組織ですが、いま直面しているのが、なり手を含めた将来的な『人手不足』です。治安を維持するため、様々な改革が進められています。

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通報件数は統計開始以降最多 将来的な人手不足が懸念

高柳光希キャスター:
東京の治安維持を担う警視庁ですが、将来的な人手不足が懸念されています。

警視庁には現在4万人を超える警察官がいて、各都道府県を比べても一番多い人数となっています。

一方で2025年の通報件数は約214万件。統計開始以降で最多となりました。

警察官の将来的な人手不足が懸念される中で、通報件数が増加しているとなると、治安をどのように維持していくのかが問題となります。

TBS報道局社会部 寺田哲 記者:
通報から警察官が現場到着までの平均時間ですが、2024年は2019年に比べて1.3倍になっています。

ただ、緊急性の高い事案に関しては、現場到着までの時間は変わらずに駆け付けることができています。

通報を受けると通信指令本部で通報を受理し、事件の発生場所のすぐ近くの所轄の警察署に連絡が行く仕組みになっています。

これに加えて、警察署以外にも自動車警ら隊や交通機動隊など、車両を使い、機動力を生かした捜査を展開する部隊があります。こういった部隊が110番通報の無線を聞いて、自ら積極的に現場に行くことも、もともと運用されています。

2025年9月に、東京・赤坂のビルで会社役員の方が刃物で刺される事件が起きました。この際に、一番最初に現場に到着したのが、自動車警ら隊のパトカーでした。

そのまま容疑者の男もその場で確保しており、警察署と警視庁の本部が一体となって事案に対応している現状があります。

もし仮に将来的に警察官の数が減少しても、現場到着の時間が大幅に遅れるということは、基本的にはないとしています。

ストーカーやDV被害対応に来年度からAI活用も

高柳キャスター:
警察の働き方について、様々な取り組みが進められています。

例えば「ストーカー」や「DV被害」などは、早期に・的確に対応しなければならない事案は、現在のシステムでは、▼相談を受ける、▼内容をまとめる、▼管轄に引き継ぐという流れになっています。

そこに優先度をつけて判断をして、緊急度の高いものは速やかに対応するというのが今の仕組みです。

これがどのように変わっていくのでしょうか。

寺田哲 記者:
ストーカーやDV被害は、命に関わる後回しは許されない事案です。

もともと、こういった事案は警察署の中で、担当の課や本部の担当課と速やかに共有する仕組みがありますが、2026年度からは少し簡略化されることになります。

的確に対応するために、相談受理時の音声を集音・テキスト化し、「AIが要約文書を生成する」というシステムの構築を目指すとしています。

文書をまとめるのは非常に難しい作業ですが、こういったところにもAIを活用していく方針です。

井上キャスター:
人手不足は、全業界共通の課題だと思います。

とりわけ難しいと思いますが、警視庁は働き方が特有で、現場第一主義といった確固たるものがあったりしますよね。

それは仕方がありませんが、今の若者はテレワークなど、柔軟な働き方を求めており、若者が求めていることと外せないこととの乖離があるので、これを埋めていくことは難しい作業になるだろうと感じます。

フリーアナウンサー・文筆家 住吉美紀さん:
ストーカーやDV被害もそうですが、最近は詐欺事件も多いですよね。

2025年の通報件数は約214万件とありますが、緊急性が高くなくても困っている人がいて、警察も社会の中でのサービスの一つとすると、社会全体でどうしたらよいのかを真剣に考えないといけないと思いました。

合格者の4割辞退 今年春採用からは約2万円増

高柳キャスター:
将来的な人手不足の不安の中には、これからなる人が減っていくことも懸念されています。

【警察官 受験者数(警視庁)】
▼2010年度:約3万人
▼2024年度:約8000人

さらに、約2000人の合格者のうち、4割が辞退をしています。

寺田哲 記者:
取材をしていくと、一つの例として▼待遇のいい民間企業や▼ほかの公務員を選ぶ学生がいるという要因があるようです。

高柳キャスター:
より多くの人材を確保するためには、給料を上げることも非常に重要な点となってきます。

初任給は、大卒の場合は30万2100円だったところが、2026年春の採用からは32万1900円になり、約2万円上がります。

満額支給される実務2年目の年収は、657万円になります。

寺田哲 記者:
もちろん昨今の物価高への対応もありますが、やはり民間企業同様に待遇を上げることで、若者が少なくなっている中で、優秀な人材の獲得に向けて取り組んでいるという本気度の表れでもあります。

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<プロフィール>
寺田哲
TBS社会部 警視庁サブキャップ
「時間より命」子ども乗せ自転車安全運転

住吉美紀さん
フリーアナウンサー・文筆家
NHKアナウンサーとして人気番組を担当 2011年フリー転身
不妊治療など人生を赤裸々に綴ったエッセイ「50歳の棚卸し」が話題

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