「自分の死後、愛猫にすばらしい里親を」 高齢者の切実な願いをサポートする非営利団体が活動中 カナダ

2026-03-04 06:00

死を前にした高齢者は「愛するペットをだれに託すか」について悩むことが多いようです。カナダの非営利団体はこうしたニーズに応え、新しい飼い主を探すサービスを提供しています。これまでに1000匹以上のペットが暖かい家庭に迎えられました。

祖父の死をきっかけに、猫の里親に

高齢男性に抱かれる猫

画像はイメージです

カナダにある「My Grandfather’s Cat」は、飼い主が死去したり重大な病気に直面したとき、そのペットが新しい里親の元で健やかに生活できるよう支援する非営利団体です。

創設者で代表をつとめるAngela Rafuseさんは、85歳の祖父が亡くなった際に、彼の愛猫だったMackenzieを引き取りました。

「わたしが引き取らなければ、猫を保護施設に引き渡すしかない状況でした。Mackenzieと暮らし始めたころ、機嫌が悪くてよくシャーと威嚇されましたが、これは生活の激変に猫自身が怯えていた証拠だったのです」(Angelaさん)

ハリファックスにある実家の地下室で18ヵ月間一緒に暮らす間、彼女はTikTokにMackenzieの動画を投稿し始めました。

すぐに65万6000人以上のフォロワーがつき、「祖父母が亡くなった後、ペットたちを保護施設に引き渡すしかなかった」という趣旨のコメントが多数寄せられたのです。このとき彼女は「飼い主の終末期におけるペットのケアプラン」が重要なことに気づきました。

「まるで神の導きでした。わたしがすべきことはこれだと分かりました」とAngelaさん。

高齢者のペットのために「飼い主探し」

猫をなでるシニアの手

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28歳だった彼女は2021年5月18日、亡き祖父の誕生日に「My Grandfather’s Cat」を立ち上げました。以来、末期症状の高齢者や老人ホームへの入居を希望するお年寄りのため、犬や猫の里親探しを支援しています。

「多くの高齢者が、自分が亡くなった場合に備えて息子や娘にペットの世話を頼むなど、ペットのための計画を立てています。でもペットがその家庭になじめないこともあります。大多数は幼い子どもや他の同居動物とうまくやっていけないことが原因です。このため、わたしたちのサービスが必要になってきます」

ほとんどの高齢者は、介護施設や動物保護シェルターから聞きつけて連絡をくれるといいます。これを受け、スタッフはペットのプロフィールを作成してソーシャルメディアに投稿するのです、希望者があれば面接を行い、ペットにふさわしい飼い主を見つけます。高齢者自身が里親候補と直接面接する機会もあるのです。

「この活動はわたしの人生に大きな目的を与えてくれました。すばらしいボランティアたちにも支えられています」と話すAngelaさん。

いまでも彼女の印象に強く残っているのは、末期がんを患いみずから安楽死を選んだ女性です。

「彼女の猫KokoとLilyのために、里親探しを手伝いました。そしてその人は、いくつかの候補の中から高齢者夫妻と娘、孫が暮らす多世代住宅を選んだのです。彼女は、最愛の猫たちが最高の家を見つけたことを知りながら、この世を去りました」

ペットフードの支援もスタート

飼い主の膝にのる猫

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同団体は、これまでに1000匹以上の猫や犬に、保護施設ではなく「愛情あふれる新しい家庭」を見つけてきました。

さらに最近になって、Angelaさんはペットフードを支援するサービス「My Grandmother’s Pet Pantry」も始めたのです。多くの高齢者がペットフードの価格高騰によって犬猫を手放さざるを得なくなっている状況があるからです。毎年150人の高齢者に、200米ドル(約3万1千円)相当のフードとペット用品を自宅まで直接配送しています。

「高齢化社会においては、ペットも家族の一員。飼い主の終末期が訪れた場合の対応について、プランを練っておくのは非常に重要です。わたしたちの団体の存在が広く知られるようになるにつれて、ペットが亡くなった後のことを率直に話し合い、検討する人が増えていくことを願っています」というAngelaさんです。

出典:
・Woman Helped 100 Seniors Re-Home Their Pets Before Passing Away, Bringing ‘Peace of Mind’
・How My Grandfather’s Cat helps pets thrive through life’s transitions

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