トランプ氏「私は不満だ」イラン後継者にハメネイ師次男 米政府公式動画が日本のアニメや映画の場面を使用…「これは戦争なんだ」【news23】
アメリカとイスラエルによるイランへの攻撃が収束する気配はありません。殺害されたハメネイ師の次男が後継者として選ばれましたが、トランプ大統領は受け入れない考えも示しています。
【写真を見る】日米首脳会談 アメリカからの要求 3つの想定パターン
イスラエル軍 石油施設を攻撃「雨が黒く染まって見える」
イランの夜空は炎と黒煙に追われました。
イスラエル軍は7日、首都テヘランにある複数の燃料貯蔵施設を攻撃したと発表。幾度となく大きな爆発が起きているのが、遠くからでも確認できます。
夜が開けても黒煙が空を覆い、光を遮っています。火災により燃え尽きた車がいたるところに放置されています。
攻撃を目撃した人
「2発のミサイルが続けて飛んできました。最初の一発はこのすぐ近くに着弾しました。ここに停まっていた全ての車両、民間の車などが火災に巻き込まれ、燃えてしまったそうです」
テヘランで取材するアメリカメディアの記者は、「雨が本当に黒く染まっているのが見える」「どうやら油が大量に混じっているようだ」と伝えています。※CNN・8日
この攻撃について、トランプ氏の顧問は…
トランプ氏の顧問(8日/アクシオスの取材に)
「トランプ大統領はこの攻撃を好ましく思っていない。石油を節約したいのだ。燃やしたくないのだ。この攻撃は、人々にガソリン価格の高騰を思い起こさせる」
また、イランが貯蔵する高濃縮ウランを押収するため、アメリカが特殊部隊の派遣を検討していると報じられています。
イラン後継者にハメネイ師の次男、トランプ氏「私は不満だ」
事態の収束が見えない中、イラン指導部に動きも…
イランの国民
「神の救いの手が見えた。第二のハメネイが生まれた」
「神に感謝します。父の復讐を果たすと確信できる人物が現れた。私たちは彼がアメリカと決して和解することはないと確信している」
イラン国営テレビは、死亡した最高指導者ハメネイ師の後継者に、ハメネイ師の次男モジタバ師が選ばれたと報じました。
モジタバ師はこれまで公職に就いた経験がなく、表舞台に出ることはほとんどありませんでした。
一方、イランの軍事精鋭部隊「革命防衛隊」などと強い結びつきを持っているとされ、反米保守強硬派として知られています。イラン側はハメネイ師の直系を選ぶことで「アメリカに屈しない立場」を鮮明にした形です。
モジタバ師の選出についてトランプ氏は…
トランプ大統領(FOXニュース)
「私は不満だ」
クルド人勢力との連携焦点 米はイラン体制転換も視野
イランの体制転換も視野に入れているアメリカ。民衆蜂起を促すため、イラン反体制派のクルド人勢力との連携が焦点となっています。
国家を持たない最大の民族と称されるクルド人。イランやイラクなどの一帯にまたがる地域に暮らし、国境を越えて連帯しています。クルド人勢力について聞かれたトランプ氏は…
トランプ大統領(7日)
「この戦争をこれ以上、複雑にしたくない。クルド人には参戦してほしくない。彼らが傷ついたり、殺されたりするのを見たくない」
クルド人勢力の指導者に対して、イランの攻撃に加わらないよう求めたと明らかにした上で、これ以上戦争を複雑化させることを望んでいないとも述べています。
その一方で、先週にはトランプ氏がクルド人勢力の指導者らに対し、軍事支援の用意があると伝えたと報じられています。クルド人勢力が参戦することになれば、イラン情勢は一段と混迷を深める恐れがあります。
“人命を軽視”爆撃とゲーム映像を…投稿したのは米・ホワイトハウス
戦場で血が流れる中、アメリカでは、ホワイトハウスがイランへの攻撃をめぐる動画を公式SNSに投稿。その内容が“人命を軽視している”と批判されています。
一つ目は、6日に投稿された動画で、BGMはダンスミュージック。映像は、ハリウッド映画のヒーロー達の姿と、本物と思われる今回の爆撃の様子が組み合わされています。動画のタイトルは『アメリカ流の正義』。
様々な映画に加え日本の人気アニメの映像も流れますが、東映アニメーションは私たちの取材に対し、「使用を許諾していない」とコメント。
この動画に監督・主演作を使われた俳優のベン・スティラーさんはこう憤ります。
俳優 ベン・スティラーさん(SNSより)
「ホワイトハウスよ、どうか『トロピック・サンダー』の映像を消して下さい。私達は使用許可を与えていないし、あなた達のプロパガンダ機関の一部になる気はない。戦争は、映画ではない」
ホワイトハウスは翌7日も動画を投稿。今度は攻撃の様子とゲームの映像を組み合わせていて、人が行き来する場所を爆撃する映像まで使っています。別の動画では建物などが破壊されるたびに得点のような数字が表示され、まるで“ゲーム”のよう・・・
繰り返しになりますが、これらはホワイトハウスの、「公式」のSNSが投稿した動画です。
コメント欄には、怒りと嘆きの声が・・・
SNSコメント
「人が死んでいるんだぞ。これは娯楽じゃない。戦争なんだ」
「ホワイトハウスの公式アカウントが戦争を煽る動画を投稿している。まさに暗黒社会の極みだ」
トランプ大統領と3月19日に首脳会談で向き合うのが日本の高市総理です。その高市総理は9日、トランプ氏に支援を求められた場合の対応について、国会でこう問われました。
中道改革連合 後藤祐一 衆院議員
「自衛隊を出すこと、例えば検討するとか、何らかの柔らかい言い方も含めて、そういうことはないということでよろしいですか」
高市早苗総理
「その内容について予断を持ってお答えする事は致しません。ただお約束できるのは、日本国の国益を最大化する、そのためにしっかりと話をしてくる」
茂木外相 イラン外相と電話会談 事態鎮静化と邦人開放を要求
小川彩佳キャスター:
9日夜、茂木外務大臣がイランのアラグチ外相と電話で会談し、湾岸諸国の民間施設に対する攻撃や、ホルムズ海峡の航行を脅かす行為を非難し、停止するよう求めました。
また、イランに滞在する日本人の安全確保と、拘束されている日本人2人の早期解放を求めたところ、アラグチ外相は全面的に協力すると応じたということです。
藤森祥平キャスター:
イラン反体制派のクルド人勢力が拠点とする隣国イラクのクルド人自治区には増尾記者がいます。現地の情報を伝えてもらいます。
JNN中東支局長 増尾聡 記者:
ここ、アルビルはイラン反体制派のクルド人勢力が拠点にしていることもあり、連日攻撃にさらされています。特にここ2~3日でその攻撃が強まってきたような状況です。
攻撃は、民間施設にも及んでいて、NGOやメディアなど外国人が多く利用するホテルも標的になっています。
今回の被害は軽微なものでしたが、アメリカ国務省は「外国人ホテルの利用は、高いリスクが伴う」として勧告を出すなど緊張が続いていて、私達も細心の注意を払って取材を続けている状況です。
藤森キャスター:
クルド人勢力がイランに対して地上侵攻をするかどうかがポイントとなっているのでしょうか?
JNN中東支局長 増尾聡 記者:
そうですね。そこが大きな一つの焦点となっていると思います。先ほどクルド勢力のうちの一人の指導者にインタビューをしました。
この勢力は詳細は明かしませんでしたが、「第三者を介して、すでにアメリカとコミュニケーションをとっている」と話していました。その上で印象的だったのは、「私達はいつでも侵攻する準備ができている」と強調していたことです。
今回の衝突は、いろいろな場所で拡大の一途をたどっていますが、もしこうしたクルド人勢力が地上で動き出すことになれば、戦火は広がり、そして更なる泥沼化ということが待ち受けています。
小川キャスター:
クルド人勢力が今後どう動いていくのか、これも一つの大きな要素となっているわけですが、このイラン情勢に日本がどう対応していくのかというところですね。
藤森キャスター:
高市総理は19日にアメリカでトランプ大統領と「日米首脳会談」の予定となっています。イランの攻撃に対する姿勢をどう示すかだけではなく、トランプ大統領から何か要求されるのでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター 星浩さん:
現状、日米の事務方でいろいろすり合わせを進めているところです。最終的にはトランプ大統領の判断で日本にどのような注文をするのかということになってくると思いますが、その要求は3つのパターンが想定されているようです。
(1)「タンカーの護衛に船を出せ」
ただ、300mもの大きいタンカーを守ることは、日本のイージス艦を出したとしても、そう簡単ではありません。
(2)「ミサイルなどの武器を出せ」
現在、アメリカは1機あたり約500万円のイラン製攻撃ドローン撃墜のために、約6億円の迎撃ミサイルを使用しています。戦闘が長期化するとその迎撃ミサイルもなくなってくるので、日本に「追加の武器を出せ」と言ってくると思いますが、これもそう簡単にはできないでしょう。
(3)「カネを出せ」
最終的に1兆円レベルの金を出せということなんですが、日本は戦費をどのような枠組みで出すのか、非常に難しいところです。
そもそもこの攻撃は先制攻撃で国際法違反なんです。法の支配を掲げている日本がそう簡単に受け入れられる話ではありません。最終的に高市総理がどのような判断をしてくるか。
今回、スペインは「戦争反対」を示したことでトランプ大統領から直接批判を受けました。
日本としては今回の攻撃を支持し、要求を受け入れざるを得ないでしょう。高市さんにとっては非常に苦しい、厳しい選択を迫られると思います。
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星浩さん
TBSスペシャルコメンテーター
政治記者歴30年 福島県出身