東大生の官僚離れ加速…AI時代に年収逆転?大工が事務職超え アメリカで話題の“ブルーカラーの億万長者”とは【Nスタ解説】
4月13日、東京大学の入学式が行われました。さまざまな思いを胸に、新たに学業に励んでいくようです。
【写真で見る】「お父さんより稼ぎたい」「年収600万超えたい」東大生にインタビュー
東大生に人気の就職先は?「官僚」は減少…
出水麻衣キャスター:
東大生と言えば、「官僚になりたい人が多い」というイメージを持たれている方もいるかと思います。
実際に、官僚になる人はどんどん減っているといいます。
【東大出身 国家公務員総合職の合格者数】
▼2015年度:560人(合格者の約30%)
▼2025年度:338人(合格者の約15%)
東大生の就職先を見てみると、商社やコンサル系が上位を占めているということです。
【2024年度学部卒業者 就職先 上位企業】回答者数1084人 出典:東京大学新聞社
▼コンサルティング業界(アクセンチュア/EYストラテジー・アンド・コンサルティング/マッキンゼー・アンド・カンパニー)
▼商社(三菱商事/三井物産)
▼金融(三井住友銀行)
など
アメリカでは“ブルーカラー”の億万長者が増加?背景に何が
出水キャスター:
給料なども考慮して就職先を選ぶ学生も多いようですが、アメリカでは「ブルーカラービリオネア」=”青い襟の億万長者”という言葉が話題になっているといいます。
ブルーカラーは、「青い襟」の作業服を着ていたことに由来する言葉で、主に現場作業に従事する労働者を指します。
一方ホワイトカラーは、「白い襟」のワイシャツを着て、主にオフィスで事務作業に従事する労働者のことです。
アメリカでは、AIの進化によって弁護士やエンジニアといったいわゆる“ホワイトカラー”の仕事が減少し、給与も上がりにくい人が多くなっています。
一方、配管工や空調の修理技師など“ブルーカラー”の中で高い技能を持った方が高収入を得るようになり、中にはホワイトカラーより稼ぐ「ブルーカラービリオネア」と呼ばれる人もいるそうです。
日本でも“ブルーカラー”の給与の伸び率が好調
出水キャスター:
日本でもそのような兆しはあるのでしょうか。タクシー運転手や大工など、一部のいわゆるブルーカラーの収入の伸び率が高いことがわかります。“稼げる職業”が変わってきているのかもしれません。
【職種別の年収(概算)】リクルートワークス研究所調べ
▼タクシー運転手:約300万円(2020年)/約415万円(2024年)/伸び率:38.3%
▼大工・とび職など:約374万円(2020年)/約492万円(2024年)/伸び率:31.7%
▼自動車整備・修理:約408万円(2020年)/約480万円(2024年)/伸び率:17.9%
▼庶務・人事事務:約423万円(2020年)/約469万円(2024年)/伸び率:11.0%
▼企画職・商品開発など:約576万円(2020年)/約630万円(2024年)/伸び率:9.4%
教育経済学者 中室牧子さん:
実は経済学では、技術の進歩によって賃金がどう変わるのかという研究は古くから行われています。
MIT(マサチューセッツ工科大学)のデビッド・オーターという労働経済学者は、2000年代の初めぐらいからそうした研究をやっていますが、技術の進歩によって一様に私達の仕事が奪われるのではなく、仕事の種類によるとしています。
要は、仕事には技術に代替されるものと、技術と補完関係にあって、かえって賃金を伸ばしていくタイプのものがあります。
例えば医者やエンジニアのように、生成AIが現れたことで生産性が上がって賃金が伸びる職種もあります。
技術によって代替される仕事ではなく、新しい技術と補完し合って、新しい仕事を生み出していく、富を生み出していくような仕事に就けるといいのではないでしょうか。
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<プロフィール>
中室牧子さん
慶應義塾大学教授 教育経済学者
教育をデータで分析
著書「科学的根拠で子育て」