「沖縄行きたい」だけで予約・決済が完結?人に代わる“AIエージェント” 情報漏洩や倫理観にリスクも【Nスタ解説】
「AIエージェント」という言葉を聞いたことはありますか?
【写真で見る】数分で家計簿アプリ完成「AIエージェント」とのやり取り画面
エージェント、すなわち「代理人」。人の代わりに自分で考えて判断し、行動するAIです。私たちの生活が大きく変わるかもしれません。
提案だけでは終わらない? 予約から決済までAIで完結か
日比麻音子キャスター:
すでにAIを活用している人も多いと思いますが、「AIエージェント」とはどういうものなのでしょうか。
これまでのAIでは、例えば「ハンバーガーが食べたい」となった場合、人気のハンバーガー店を提案され、その情報をもとに店舗に行くという行動に繋がっていました。
“AIエージェント”では、事前に予算や好みを設定・学習させておけば、注文や配達という行動にまで繋がっていくのではないかということです。
TBS報道局 経済部 張叶橋 記者:
今、世界ではAIエージェントの開発が非常に活発に進んでいて、もう生活に浸透するフェーズまで来ています。
日本の企業でも、そのような動きがみられ、例えば「LINEヤフー」が、冷蔵庫の中の写真を撮るだけで食材を判別し、レシピを提案してくれるサービスを発表しています。
日比キャスター:
開発が進めば、レシピの提案だけではなく、足りないものを買うというサービスまで出てくるかもしれません。
旅行についても、例えば「沖縄旅行に行きたい」と指示をした場合、事前に予算や希望を伝えておけば、レストランなどの旅行プランを提案。
さらに、レストランの予約やホテルの宿泊費の決済まで、一連の流れを自動で行ってくれるようになるかもしれません。
「AIエージェント」災害時の活躍にも期待 人員確保や優先順位の決定など
日比キャスター:
また、AIエージェントは災害時に役立つ可能性があるということですね。
TBS報道局 経済部 張叶橋 記者:
自治体がAIエージェントを導入した場合、災害が起きたときにドローンが被害状況を確認したり、SNS投稿をリアルタイムで分析したりして、集まった情報から次に何をしたらいいのかを判断して提案してくれるかもしれません。
例えば、▼必要な人員の確保、▼復旧の優先順位を決めるなど、人が少ない自治体の意思決定を助けてくれるような役割を果たしてくれるかもしれません。
日比キャスター:
状況の確認や分析が積み重なるほど、次の災害への備えにAIが役立つ可能性もありますね。
TBS報道局 経済部 張叶橋 記者:
どんどんAIが賢くなって、精度が上がっていく形になると思います。
情報漏洩、倫理観…便利な一方でリスクも指摘
日比キャスター:
一方で、リスクも考えられます。
慶應義塾大学理工学部の栗原聡教授によると、
▼情報漏洩の危険性、
▼倫理観への課題、
▼人間の思考能力の低下
などというリスクがあるということです。
TBS報道局 経済部 張叶橋 記者:
情報漏洩に関しては、個人情報をAIに渡したら、AIがどのような動きをするのかはまだブラックボックスです。知らぬ間に情報が漏洩してしまう危険性が指摘されています。
また、AIは自分の言動がモラルに反しているかどうかを判断する基準を、まだ持ち合わせていません。人を傷つけたり、嘘をついたりといったことも指摘されています。
日比キャスター:
“シコファンシー”といって、AIがユーザーの期待に寄り添おうとするあまり、いわゆる“ヨイショ”、迎合するような返答をする傾向にあるということです。
そうしたAIの特徴をユーザー側・人間側がしっかり理解する必要がありそうです。
国際情報誌「フォーサイト」元編集長 堤伸輔さん:
SNSなどでも、よく見ているものを次々におすすめしてくれることで、好みが偏っていってしまうということがあります。
AIエージェントにも同様の傾向があるのであれば、偏ってしまう可能性があります。そのような可能性を知った上で、そもそもの問いかけをしないといけないだろうと思います。
デマにはどう対応? AIの“失敗”責任の所在は要議論
南波雅俊キャスター:
災害時にはSNSが役立つ一方で、デマなどの情報も出てくる傾向にあると思います。
そうした際に、誰が責任を取って、どう対応していくのでしょうか。
TBS報道局 経済部 張叶橋 記者:
デマがあるという前提で、SNS上で正しい情報・間違っている情報を判断するAIも研究されています。
また、責任の所在も重要なポイントです。例えば企業等でAIエージェントを導入し、取引先に失礼なメールを送るなど大きな損害を出したときに、誰が責任を取るのかという点はまだ議論されるべき部分です。
==========
<プロフィール>
張叶橋
TBS報道局 経済部 IT・AI担当
家事ロボットの誕生を待ち焦がれる
堤伸輔
国際情報誌「フォーサイト」元編集長
BS-TBS「報道1930」ニュース解説