スパイ映画の世界?「国家情報局」設置の先に高市総理が見据えるは「日本版CIA」 国民監視の歯止めに必要なものとは【サンデーモーニング】

新しくできる「国家情報局」や高市総理がその先に見据えている「日本版CIA」などについて詳しく見ていきます。
「スパイ」といえば? 人気映画でもおなじみ「MI6」「CIA」
「スパイ」というとやはり、まずは映画のイメージが強いですよね。
「007」シリーズではジェームズ・ボンドが最先端の装置で空を飛び、「ミッション:インポッシブル」では、トム・クルーズ扮するイーサン・ハントが不可能と思えるミッションを次々と成し遂げますが、それぞれ、イギリスの情報機関「MI6」や、アメリカの「CIA」に近い秘密組織がモデルになっています。
「ネコ」を使って盗聴? 実際にあった奇想天外な作戦とは
現実の情報機関も、時に映画さながらの作戦を実行してきました。
冷戦時代、CIAとMI6は共同で西ベルリンから東ベルリンへとトンネルを掘り、ソ連軍の通信ケーブルに盗聴器を仕掛け、通信の傍受に成功。ただ、MI6にはソ連・KGBのスパイが潜んでいて、盗聴作戦そのものがソ連側に筒抜けだったそうです。
また、CIAはネコを使った盗聴も計画。
マイクを耳の中に、アンテナを毛の中に隠し、送信機は皮膚の下に埋め込みました。そして公園で話すソ連関係者の盗聴を画策したのですが、ネコを思い通りに動かすことができず、実行されませんでした。
高市政権が見据える未来…「日本版CIA」創設へ
一方、日本にはCIAのような組織はありません。
そこで、情報収集能力の強化を目指し、総理大臣をトップとする「国家情報会議」と、その下で実務を担う「国家情報局」が新設されることになりました。
これまで外務省や警察庁などと共に情報収集を行ってきた「内閣情報調査室」を格上げしたもので、各省庁が集めた情報を一元的に集約する権限を持たせます。
そして高市政権は、その先を見据えています。
それが、「日本版CIA」とも言われる「対外情報庁」の創設と「スパイ防止法」の制定です。国外の情報を集めるための専門組織を作るとともに、外国などの敵対勢力が日本側の情報を盗んだり情報工作によって政策に悪影響を与えたりしないよう、法整備を進めようというのです。
国民監視の“歯止め”に必要なものとは
こうした施策で対外的な安全保障が強まる一方、懸念が指摘されているのが、時の政権に批判的な活動をする団体や抗議デモに参加する国民への監視が強まるのではないかという点。
高市総理は「普通の市民が監視対象になることは想定しがたい」としていますが、公安や警察の活動を取材してきたジャーナリストの青木理さんは、「国家情報局」は人事面で“公安警察の出先機関”の性格が強くなるとしたうえで、
「公安は政府の政策などに反対する人を監視対象にしてきた事例があり、そうした機能が拡大強化されかねない」
「政権に都合のいい情報だけを集めるようになれば情報機関としても役に立たない」
と指摘。
また、歯止めとして「欧米各国のように政府による情報収集の範囲や政治的中立性を法律に明記し、情報機関の活動を監視する機関を整備することが必要」だとしています。
映画の世界ではスパイが国を救う物語が人気ですが、現実の世界ではその活動がベールに包まれる中、どんな情報を集めることになるのでしょうか。