猫と暮らす家で『蚊取り線香』は使っていいの? 安全に使用するための注意点や虫よけ対策のコツ
夏になると蚊対策として蚊取り線香を使う家庭も増えますが、「猫がいる部屋で焚いても大丈夫なのだろうか」と不安に感じますよね。猫と暮らす家で蚊取り線香を必ずしも使用できないわけではありませんが、煙や成分、火による事故などに十分配慮する必要があります。使い方を誤ると、猫が煙を吸い込んで体調を崩したり、線香へ触れて火傷をしたりするおそれもあるため、安易な使用は避けたいところです。ここでは、蚊取り線香に使われる成分や安全に使用するための注意点、猫への負担を抑えながらできる虫よけ対策を解説します。
猫と暮らす家で蚊取り線香は使ってもいい?

一般的な蚊取り線香には、除虫菊由来の成分や、それに似せて作られた「合成ピレスロイド系」と呼ばれる殺虫成分が使われています。ピレスロイド系成分は、製品に記載された方法で使用する限り、哺乳類への毒性は比較的低いとされていますが、猫が長時間にわたって煙や高濃度の成分にさらされても安全とは言い切れません。
特に、換気の悪い部屋で長時間焚き続ける、猫の寝床の近くに置く、持病のある猫や子猫がいる環境で使用するといった状況では、体への負担が大きくなる可能性があります。また、殺虫成分だけでなく、煙や強いにおいそのものが気道を刺激し、咳やくしゃみなどを引き起こすことも考えられるでしょう。
猫と暮らす家で使用するなら、猫を煙から遠ざけ、十分に換気し、製品の使用方法を必ず守ることが前提です。少しでも不安がある場合は、蚊取り線香以外の方法を選ぶほうが安心でしょう。
蚊取り線香を使うときの注意点

猫への負担を抑えるには、煙をできるだけ吸わせないことに加え、火傷や誤食、火災などの事故を防ぐ対策も必要です。「少しくらいなら大丈夫」と考えず、使用する環境や猫の体調を確認したうえで慎重に扱いましょう。
使用中は猫を別の部屋へ移動する
蚊取り線香を使用しているあいだは、猫を煙が届かない別の部屋へ移し、直接吸い込ませないようにするのが安心です。
猫が自由に出入りできる状態では、知らないうちに線香の近くで眠ったり、煙がこもる場所に長時間いたりする可能性があります。使用後は窓を開けて十分に換気し、煙やにおいが落ち着いてから猫を部屋へ戻しましょう。
長時間の使用は避ける
窓や扉を閉め切った状態で何時間も焚き続けると、室内に煙やにおいがこもり、猫だけでなく人にも負担がかかることがあります。
必要な時間だけ使用し、製品の説明書に従いながら、空気の流れを確保することが大切です。蚊が気になるからと一晩中焚き続けるのではなく、網戸や蚊帳など別の対策も組み合わせるとよいでしょう。
猫が触れない場所に置く
蚊取り線香は火を使うため、猫が前足で触れたり、走り回った拍子に倒したりすると、火傷や火災につながる危険があります。
高い場所であっても、猫が飛び乗れる棚や窓辺では安全とは限りません。倒れにくい専用容器を使用し、猫が絶対に近づけない安定した場所へ設置するとともに、使用中は目を離さないことが大切です。
使用後は換気や掃除を行う
蚊取り線香を焚いたあとは、煙に含まれる微粒子やにおいが、床や家具、布製品などに残ることがあります。
まずは部屋全体を十分に換気し、必要に応じて猫がよく歩く床や、寝床の周辺を軽く拭き掃除しておくと安心です。線香の灰も猫が口にしないよう、完全に火が消えたことを確認してから速やかに片付けましょう。
使用後は体調の変化を確認する
蚊取り線香を使ったあとは、猫の呼吸や食欲、動き方などに普段と違うところがないか確認してください。咳やくしゃみ、呼吸の乱れ、よだれ、嘔吐、震え、元気の低下などが見られた場合は、すぐに使用を中止して新鮮な空気のある場所へ移動させましょう。
症状が強い、続いている、呼吸が苦しそうといった場合は、使用した製品を確認できるようにしたうえで、早めに動物病院へ相談することが大切です。
猫に使ってはいけない虫よけ

「植物由来」「天然成分」と表示された虫よけであっても、猫にとって安全とは限りません。猫は一部の精油成分をうまく代謝できないことがあり、皮膚への付着や舐め取り、蒸気の吸入によって体調を崩す可能性があります。
特に注意したいものには、次のようなものがあります。
ティーツリーを含む精油
ユーカリを含む精油
レモンやオレンジなど柑橘系の精油
精油を拡散させるアロマディフューザー
猫への使用が認められていない虫よけスプレー
犬用として販売されているノミ・ダニ、虫よけ製品
犬用の製品の中には、猫にとって危険な成分が含まれているものもあるため、犬用を猫へ流用してはいけません。
虫よけ製品を選ぶ際は、「天然だから安心」と判断せず、猫への使用や猫がいる環境での使用が認められているかを確認しましょう。
猫と暮らす家庭におすすめの蚊対策

猫への影響をできるだけ減らしたいなら、殺虫成分や煙だけに頼らず、蚊を室内へ入れないための物理的な対策を組み合わせることが効果的です。日頃から侵入経路を減らしておけば、虫よけ製品を使う回数そのものも抑えられるでしょう。
網戸や窓の隙間を確認する
網戸に小さな破れがあったり、窓枠とのあいだに隙間ができていたりすると、そこから蚊が室内へ侵入することがあります。
定期的に網戸の状態を確認し、破損している場所は補修テープや張り替えなどで早めに直しましょう。網戸がきちんと閉まっていても、窓の開け方によって隙間ができる場合があるため、サッシの構造も確認しておくと安心です。
猫がいる家庭で使用できる製品を選ぶ
電気式や液体式の虫よけ製品を使う場合も、すべてが猫のいる環境に適しているとは限りません。パッケージや説明書を確認し、対象となる害虫や使用場所だけでなく、ペットのいる家庭で使えるかどうかも必ず確かめましょう。
「ペット対応」と書かれていても、猫の体へ直接使用できるという意味ではないため、用法を守り、猫が触れたり舐めたりしない場所で使うことが大切です。
蚊を室内へ入れない習慣を作る
玄関や窓を長時間開けたままにしないことも、蚊の侵入を防ぐうえで基本的な対策です。帰宅時や荷物の出し入れをするときは、扉を開けている時間をなるべく短くし、蚊が一緒に入らないよう意識しましょう。
玄関付近に蚊が集まりやすい場合は、水がたまった植木鉢の受け皿やバケツなど、発生源になり得る場所を見直すことも大切です。
まとめ

猫と暮らす家でも蚊取り線香を使える場合はありますが、猫が煙を長時間吸い続ける環境や、換気の悪い部屋で焚き続ける使い方は避ける必要があります。使用中は猫を別室へ移したり、猫に煙が届かないよう設置する等の対策をし、使用後には十分な換気と片付けを行いましょう。
また、網戸の補修や窓の開閉時間を短くするなど、蚊を室内へ入れない工夫を組み合わせれば、薬剤を使用する頻度を減らすことにもつながります。虫よけ製品は「天然」「ペット対応」といった表示だけで判断せず、成分や対象動物、使用方法を確認しながら、愛猫への負担が少ない方法を選ぶことが大切です。
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