消費税「4月から1%」案が政府内で有力に、「統一地方選挙」前に公約実現で成果をアピール?【Nスタ解説】
佳境を迎えている消費税の減税をめぐる議論について。消費税ゼロを悲願としてきた高市総理ですが、ここにきて「1%」が有力な案になってきました。
有力案に「消費税1%」大きく異なるスピード感
高柳光希キャスター:
いま国民会議で議論がされている「食料品にかかる消費税の減税」。
総理が衆議院選から公約として掲げてきたのが「0%」。今ある10%を0%にするというもの。一方で、いま浮上しているのは消費税「1%」です。
数字としては1%しか変わりませんが、スケジュール感が大きく異なります。
消費税の減税においては、「レジシステムの改修」が必要になってきます。
▼消費税0%:実現に1年はかかる。
▼消費税1%:5〜6か月で実現できる。
その中できょう(3日)、調査結果が公表され、小売業界団体・地方のスーパーなども、1%の場合であれば概ね半年以内に対応が可能であるということが発表されています。
「2027年3月までに『食料品消費税を0%』にしたい」が高市総理の悲願です。
一方で、有力な案とされている「『消費税1%』は2027年4月からできるのではないか」といわれています。
高市政権としても、今まさに 判断の分水嶺となっています。
TBS報道局 政治部 島本雄太 記者:
総理の選択自体も1%が有力ではないかと見ています。取材の中では、以下のような声が聞かれています。
政権幹部A
「総理は来年4月から始める方針だ。今の物価高になるべく早く対応するとなると、そのタイミングしかない」
政権幹部B
「時間をかけて0%にしても、システム上の問題がおこる不安は残る」
自民党幹部
「きょうの(国民会議)議論で、総理の判断材料は揃ってきた」
その上で、総理がこだわっているのは「ほぼ公約通り」を実現するという点です。
過去の教訓をもとに「公約実現に徹したい」考え
高柳キャスター:
完全に公約通りではないという見方もできますが…
政治部 島本雄太 記者:
日々の買い物に関わる消費税については、国民の関心がかなり高く、時々の政権の鬼門とされてきました。
▼2010年 民主・菅直人政権
「消費税10%へ引き上げ」掲げ、参院選で敗北
▼2012年 民主・野田政権
税率を段階的に引き上げる「消費増税法」の成立により、衆院選で敗れ政権交代
高市政権もこうした過去を教訓にしながら、公約を守ることに徹したいと感じている模様です。
そうした中で、官邸の中からは「下げきれなかった1%分については、補助金を新しく作るなど、別の方法で還元してもいいのではないか」との意見もでているようです。
そうすることで、「公約『消費税0%』を実現した根拠とし、何とか国民の納得を得たい」という考えのようです。
会社経営者・投資家 池澤摩耶さん:
「消費税減税をやる」と言っていたので1%までは持っていくと思うのですが、減税した分の財源はどこから持ってくるのでしょうか。
政治部 島本雄太 記者:
増収分や補助金の見直しという話になっていますが、現在、国民会議の中で具体的な話は出ていません。年末の税制を巡る議論の中で決まっていくのではないかという見方が大半でした。
会社経営者・投資家 池澤摩耶さん:
見切り発車ではないですけれども、財源をどうもってくるのかが少し不安です。
井上貴博キャスター:
最適解は本当に難しいと思います。選挙公約は国民との約束なので重く、何とかやりたい気持ちがある一方で、スピード感が大切なため、1%で折り合うかの判断なのだと思います。
そもそも今、消費税減税をすると、円安が加速し、物価高が加速してしまう可能性があり、ターゲットを絞って給付金を実施した方がいいのではないかという考えもあります。
どちらもメリット・デメリットあるため、最適解というのはありませんが、そのあたりはどうご覧になっていますか。
会社経営者・投資家 池澤摩耶さん:
根本的に解決をしなければいけないこととして、安い日本を終わりにしなければいけないです。
いろいろな対策をとったとしても、インフルエンザなのに冷えピタを貼っている程度の対処なんです。そうではなく体力をつけなければいけない。
したがって、物価高よりも賃金を上げなくてはいけない。賃金が物価高に追いつけばいいので、もう少し魅力的な国をつくる、成長セクターにもう少し資金を費やすなど。そういったことをしなければ、その場しのぎの対処に見えてしまうと思います。
「統一地方選挙」も意識?公約実現で成果をアピール
高柳キャスター:
食料品にかかる消費税の数字が「8%から0%に」というのが衆院選の公約でした。その中で、高市総理としてはスケジュール感も非常に重要視していました。
【消費税の減税 今後どう進む?】
6月下旬:国民会議「中間とりまとめ」
→高市総理は6月中にも「1%」判断か
秋ごろ:臨時国会で「審議・成立」?
2027年4月:「食料品消費税1%」開始?
高市総理としては2027年4月にある「統一地方選挙」も気にしていると思います。
政治部 島本雄太 記者:
高市総理としては、衆院選挙で大勝はしたものの、実際に国民に響くような政策で成果を出しているかというと、まだ成果は乏しい状況です。
ある自民党の議員からは「来年の統一地方選挙の事を考えれば、国民に早く恩恵があった方がいい」との声もあります。
そのため、選挙前に公約を実現することで、成果としてアピールしたいという思惑があると思われます。
また、ある自民党幹部からは「総理から選挙での公約を1つでも多く、1日も早く実現せよと発破をかけられている」との声も漏れています。
井上キャスター:
政策担当者の中にいるとするならば、消費税を0にするのか、1にするのか、そもそも撤回するのか。どういう判断をすると想像しますか?
会社経営者・投資家 池澤摩耶さん:
できれば消費税を0%にしたいですが、一方で、何かしらやりましたと早くアピールしなければいけない面も分かります。
また、考えなければいけないのは飲食店の消費税です。例えば、食事に出かけた時は10%の税金がかかってきます。多くの人がスーパーで食料品を買って家で食事を作り続けたら、飲食店の利益にも関わってくるので心配です。
政治部 島本雄太 記者:
外食産業からヒアリングをした時に、「外食産業も消費税0%の対象に入れてくれ」という話はあったのですが、検討状況としてはその方向には進んでいなさそうな状況です。
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<プロフィール>
島本雄太
TBS報道局政治部 自民党担当
政調会長を中心に取材
休日は料理作りとお酒で気分転換
池澤摩耶さん
会社経営者・投資家
元外資系投資銀行のトレーダー 2児の母
著書に「子どもを人生ゲームの勝者にする最強マネー教育」など