花火大会『有料席』全国で8割が導入「場所取り不要・トイレがスムーズ」メリットと有料化の背景は【ひるおび】

夏の風物詩「花火大会」。
無料で楽しめるはずの花火大会が、今どうして“有料”に変化しているのでしょうか?
有料席を1万席拡大した花火大会を取材しました。
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「有料席」8割が導入
帝国データバンクによると、今年開催予定の花火大会(10万人以上動員)106大会のうち、約8割で「有料席」が導入され、さらにそのうち42.5%が値上げをしています。
平均価格は一般席で5517円。ゆったり座れて花火を間近で見られるプレミアム席の平均は4万611円と、いずれも過去最高を記録しました。
花火大会の来訪者数は、全国で5895万人。経済波及効果は、推定で2兆3687億円に上ります。(キリンビール「晴れ風ACTION」全国花火大会白書2025より)
花火大会の課題「資金不足」要因は
花火大会の運営事務局や自治体へのアンケートでは、「近年課題を感じているか」という問いに、「感じている」と答えた団体は90%に上りました。
特に深刻な課題として、83.4%が「資金不足」、63.9%「人手不足」と答えています。
花火大会の開催費用は10年で34%高騰しているというデータもあります。
費用の高騰の原因として、まず挙げられるのは花火自体の値上がりです。
花火を作っている徳島の「市山煙火商会」によると、花火を包んでいる容器である「玉皮」や、硝石・過塩素酸カリウムなどの火薬の原料が値上がりしており、これまで約8万円だった一尺玉は、約18万円ほどになっているそうです。
さらに、規模が大きい花火大会では10人以上の人手が必要となりますが、この人件費も近年高騰しています。
また、花火大会の運営に関しての費用も増えています。
今まで花火大会を支えてきた地元商工会や自治会が高齢化などで縮小され、警備会社やイベント企画会社に運営を委託するようになり、その分費用がかかります。
また観覧用の椅子やコーン、テントなどのレンタル代も高騰しています。
恵俊彰:
経済効果も高いですけれども、やっぱりその分かかるお金も非常にかさんできているということですね。
有料席を1万席拡大 立川の花火大会を取材
7月25日に行われた「立川まつり 国営昭和記念公園花火大会」は、今年、今年から有料エリアを約1万席増やして開催されました。
去年の有料席は約6000席でしたが、今年は約1万6000席と、今まで無料だった「みんなの原っぱ」とその周辺を有料化しました。
有料エリアの料金は、入場券が1人1500円。
特別協賛観覧チケットは、
椅子チケットで1人8800円。
レジャーシート付きペアチケットは2人で1万3200円。
団体シートチケットは10人まで座ることができて7万7000円です。
有料席で花火を見る人に話を聞くとー
「有料だとちょっとお金払えばいい角度でいい席で見られるので、すごくメリットだと思います。」(30代女性【入場券購入】)
「有料席だと席を取らなくていいっていう安心感があるので、時間の組み立てもある程度ギリギリでいい。無料席だと朝一からどうしようかなと不安があるので、そこにお金を払って解決しているイメージです。」(30代男性【入場券購入】)
「混雑なくトイレもスムーズで快適。」(3人家族【ペアチケット購入】)
「開始30分前に来て、くつろぎながら迫力ある花火が見られてよかった」(30代男性【シートチケット購入】)
有料席の拡大に踏み切った理由を、主催者側に聞きました。
立川観光コンベンション協会 八木敏郎会長
「物価高による開催費用の高騰に加えて、今年は中東情勢の影響も・・・
さらに観客動員数が多いため、混雑緩和と花火を安全に見るために有料席を去年よりも増設しました」
お金の問題だけではなく、混雑の緩和や安全の確保という局面もあるようです。
弁護士 八代英輝:
トイレの設備などをちゃんとして差別化を図るのも、やはり知恵の絞り所なんでしょうね。
花火文化研究家 安斎幸裕氏:
花火は上に上がりますから、どこでも見えるんじゃないかという意見もありますけど、有料席にはスピーカーが置いてあったり、正面で見える位置だったり、やっぱり特別のエリアだと思います。
“すべて有料席”で黒字になった花火大会も
継続させるために新たな選択をした花火大会があります。
兵庫県の「姫路みなと祭海上花火大会」です。
40回以上の歴史のある花火大会ですが、一旦は中止も検討されたそうです。
2024年に観覧席の一部を有料にする試みが行われ、2025年には全ての観覧席を有料化。打ち上げる花火の数も、5000発から約1万発に倍増させました。
2025年の収支はー
〈支出〉
開催費用・・・約1億円
〈収入〉
・観覧席代・・・9200万円
・企業・団体の協賛金・・・1700万円
・屋台の出店料・・・400万円
収入は合わせて1億1300万円となり、約1300万円の黒字を出すことができました。
この黒字分は次の年の事業費となり、姫路市からの補助金2100万円は不要となり返還されることになりました。
恵俊彰:
これはうまくいっている例なんじゃないですか?
花火文化研究家 安斎幸裕氏:
そうですね。これはチャレンジでしたよね。全席有料にして、さらに花火の発数も増やして目玉も作りました。
すごく面白いなと思ったのは、有名な秋田の大曲の花火とコラボしてやっているんです。
「大曲の花火が姫路でも見られるんだ」と、新たなファンにも刺さったということですね。
「姫路みなと祭海上花火大会」は、2026年は9月20日に開催されます。
花火大会を持続可能なものへー
安斎氏に、花火大会有料化の今後について聞きました。
「有料化は今後さらに重要なものになると思う。ただし無料で楽しめる場所も残しながら、有料席の収益を大会運営に充てることで、花火大会を持続可能なものとして次の世代に繋いでいくことが大切。」と話します。
花火文化研究家 安斎幸裕氏:
今年やったものが来年もできるかというと、担当者も毎年同じでなく人事異動で変わったりもしますから、誰でも再現できる、どのチームでも来年もできるようにすることも必要ですね。
また、自由席もやっぱりなくしちゃいけないとは思うんですよ。
だからこそ有料席の付加価値をどれだけつけていくか。そこでできる体験をどれだけいいものにしていくかですよね。
恵俊彰:
全席有料化という例もありましたけど、全国的に見たら、自由席も残しながらうまい形でということですね。
みんなで花火大会を盛り上げていく、そういう時期に入ってきているのかもしれません。
(ひるおび 2026年7月27日放送より)
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<プロフィール>
安斎幸裕氏
花火文化研究家
花火の魅力を発信 花火業者との親交も深い
花火大会の広報PRや運営支援にも携わる