「子どもも大人も長時間楽しめる」体験して“食と農”を学ぶ大学博物館【THE TIME,】

様々なスタイルのニワトリから、絶滅危惧種のサルに日本酒の酒瓶コレクションまで。すべて無料で見られて、体験しながら“食と農”について学べます。
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日本で採れない!?リン鉱石の重要性
無料で楽しめる「大学博物館」を毎週紹介する夏休み企画第4弾は、22年前に開館した『東京農業大学「食と農」の博物館』(東京・世田谷区)です。
大学博物館ライター・大坪 覚さん:
「大人から子どもまで、長い時間ゆっくり楽しめる」
入口で出迎えてくれるのは、かつて大学の実習でも使われていた昭和36年のレトロなトラクター。
館内には樹齢1400年の屋久スギの標本からヒョウの剥製まで、130年で集めた貴重な資料約1000点が展示されています。
THE TIME,マーケティング部 植 万由香部員:
「いろんな瓶がショーケースの中にたくさんある。よく見ると、石?粉末状?みたいなものもある」
白っぽい石や黄色い粉などが入った小瓶がズラリ並んでいるのは、世界各地で採れた「リン鉱石のコレクション」。
リン鉱石から作られる「リン酸」は花や実の育ちを良くする働きがあり、“肥料の三大要素”に数えられるほど植物を育てるには欠かせないものです。
まさに、農大の博物館だからこその展示なのですが…
前橋健二館長:
「リン鉱石はなんと“日本では採れない”。もし輸入が止まってしまったら日本の農業は大変なことになる。ただの石ころに見えるけど、“重要なメッセージ”が込められていることを感じてほしい」
125体の“鶏”で歴史を学ぶ
子どもたちが夢中になっていたのは、125体の「ニワトリの剥製」です。
▼小5男子:「観賞用・食べる用・戦わせる用とかいっぱいあってすごく印象に残った」
▼小3男子:「動物園とかとはちょっと違う良さがある」
動物科学科が集めたコレクションで、人との関わりで多様な品種が生まれた“鶏の歴史”を学ぶことができます。
前橋館長:
「鶏は食と関係がある。元をたどるとその歴史・祖先、元々野生の鶏がどうだったのかから知る機会にもなるし、鶏といってもすごく奥が深いんだと」
食用(肉用・卵用)の鶏はお腹が丸く大きく育っているのに対し、観賞用は尾っぽが大きく広がったり美しくみせるため長くなった品種もあるのです。
他にも、8月30日まで限定でネコ科の企画展「猫のすゝめ」も開催。世界最小といわれている体長約1.7mの「インドライオン」や、ジャングルに生息する「クロヒョウ」などの剥製も間近で観察することができます。
「珍しい植物&希少動物」も無料で観察
普通の博物館では考えられない空間が広がっているのは、隣接する「バイオリウム」。農大と連携し調査などを行った『一般財団法人・進化生物学研究所』が運営している“展示温室”です。
前橋館長:
「全ての生き物が一体化している生き物空間となっている」
温室内にはマダガスカルを中心とした熱帯や乾燥地帯の植物約100種類が展示されていて、室内は熱帯の環境に合わせ20〜25℃前後に管理されています。
例えば、サボテンといえば丸くとげとげした形ですが、一見サボテンには見えない「ツル植物」のようなものも。
前橋館長によると、「サボテンは元々は木に近い姿だったのが、環境に適応して進化していった」とのことで、こうした植物の進化の不思議を目で見て学ぶことができます。
さらに、同じ場所には…
小5男子:
「ワオキツネザルとかスナネズミとか色んな生き物がいて楽しかった」
絶滅危惧種のサル「レムール」や、体重が約50kgもある「ケヅメリクガメ」などの希少動物も間近でじっくり観察できます。
▼中1男子:「剥製だけかなと思ったらサルとかカメもいたんですごいなって」
▼中2女子:「植物から木になるんじゃなくて、木から植物になる進化の過程ですごく興味深いものがあった」
唯一無二「日本酒」の酒瓶コレクション
子どもだけではなく大人も楽しめるのが、壁一面に飾られた「日本酒の酒瓶コレクション」。その数なんと280本が並んでいます。
それにしても、一体なぜ日本酒のコレクションが?
前橋館長:
「元をたどればお米から作られているので農業にも深く関わりがある。きれいな映えスポットとして活用してもらえれば」
東京農大には「醸造科学科」という日本全国でも数少ない発酵やお酒の製造技術を研究する学科があり、日本全国の酒蔵の約6割で卒業生が働いているとのこと。
前橋館長:
「原料を作るところから加工するところ、そして最後にいただくこと全部含めて食と農。農業というのはこういうことをやっているんだ、こうやって我々の口に届くんだ、またこんな問題があるんだ、全てを食と農の博物館で体験しながら学んでもらいたい」
(THE TIME,2026年8月10日放送より)