“再び”日本新樹立の中島ひとみ「コツコツと色んなものを吸収して繋がっている」9年の時を経て縮めた“1秒”に涙【試合後会見全文】

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2026-08-17 17:02
“再び”日本新樹立の中島ひとみ「コツコツと色んなものを吸収して繋がっている」9年の時を経て縮めた“1秒”に涙【試合後会見全文】

女子100mHで、中5日で二度の日本新記録を打ち立てた中島ひとみ(31、長谷川体育施設)が日本GPシリーズ福井大会「Athlete Night Games」(8月14日~15日)のレース後に会見し、思い出の地での記録樹立と周りへの感謝を述べた。

【写真で見る】思い出の地で日本記録更新した中島ひとみ

この日に行われた決勝で12秒60(+0.7)をマークし優勝した中島。その6日前の今月9日に行われた富士北麓ワールドトライアル(山梨・富士北麓公園)同種目の予選で、福部真子(30、日本建設工業)が持つ12秒69を上回る12秒62をマークし、2年ぶりに日本記録を更新したばかりだった。

中島は、9年前の2017年、同競技場で行われた日本学生陸上競技対校選手権大会(日本インカレ)に出場。当時、園田学園女子大学(現・園田学園大学)4年で最後のインカレとして挑んだ大会で13秒60(準決勝)の自己ベストをマークした。そこから9年かけ同じ競技場で再び自己ベスト、そして日本記録を更新したことに「13秒60を出した場所って自分でも思ってたので、できたら1秒以上ここで上げたいなっていうのはずっと自分の中でこの大会に向けて思ってて、1秒ってやっぱり中学生じゃないので、なかなかできないことだなと思って、すごいそこの年数というか、そこからの年数をふと思った時にちょっとうるっときた」とレース後に感極まったことを明かした。

「自分自身の競技人生には本当に色んな方々の支えがあるからこそ成り立っている」と、ここまで支えてくれた周りへの感謝も忘れない中島。最後に報道陣に向け「皆さん、お盆にありがとうございます」と会場をあとにした。

今回の日本記録を記念して賞金100万円と福井県知事から福井県産の米「いちほまれ」60㎏が贈られた。

【中島ひとみ レース後会見全文】

Q改めて、今の喜びを今、お答えいただけますか?
中島:大学4年生の時、最後のインカレが13秒60の自己ベストだったんですがそこから1秒縮まった12秒60というタイムで今回同じ場所で優勝できたことは自分の中で凄く感慨深いなあっていうふうに思ったのと単純にすごく嬉しいなという気持ちです。

Q今の結果、100%でいうと何%?
中島:半分は本当に選手として凄く嬉しい気持ちなんですけど、やっぱりもう一人、自分を客観的に見て、やっぱりコーチングを自分自身でしているのでどこが良かったのか悪かったのかっていうのをすぐ確認したいなっていう冷静な自分とっていうのがいるので半分というふうに言わせていただきます。

Q同大会で今回中島さんが6個目の記録更新にとなります。今のお気持ちを聞かせてください。
中島:
全然数えたことがなかったので、本当に、ただこの競技場は私の所属である長谷川体育施設が作っている競技場なので、やっぱり自分がなかなか記録が出ない中ずっと見守ってくださっていた会社の皆様の前でまた会社の皆さんが作ってくれた競技場で、こうやって日本記録を出せたっていうのは、やっぱり自分自身結果で恩返ししたいっていうのが凄く大きくあるので少しは恩返しができたのかなというふうには思います。

Q会社の方々がたくさん来られている?
中島:はい!来てくださってます、後ろに(笑)

Q先週に引き続きの日本記録ですけれども、まずその喜びはどなたに一番伝えたいですか?
中島:やっぱり家族が身近に一番支えてくださっているので・・くださってる?(笑)支えてくれてるので、家族に一番伝えたいのと自分自身の競技人生には本当に色んな方々の支えがあるからこそ成り立っているので、先ほども会社の方々っていうお話もしたんですけど、やっぱりそういうふうに支えてくださってる方々に報告ができたらいいなと思います。

Q何か旦那さんからは言葉を?
中島:さっきちょうど電話して、『(タイマーは)12秒59で止まっていたのに!』って言ってました(笑)

Qレース前とか何か言葉を交わされたりとかありましたか?
中島:『いい風が吹けば(12秒)4台狙えるんじゃない?』ってぐらい、『本当にいい神風が吹いたら』っていう風に、多分私自身をすごく自信持たせてくれるためにそういう風な言葉をかけてくれたと思うんですけど、喜んでくれてました。

Q旦那さんの存在って改めていかがですか?
中島:すごく私自身には大きい存在です。

Q映像で12秒50の選手の映像を見たりすごい研究・分析されたりという話をよく聞きますが、そういうことを始めたきっかけや時期、あとどういうポイントをいつも意識して見ていますか?
中島:私自身は5年前くらいに少し大怪我をしてしまって、そこから何かを変えようっていうふうに思って自分でメニューを組み立てたりだとか自分で一連の動きを考えてみるっていうことを自分自身コーチングをし始めて、そこからやっぱり自分が持っている知識だけでは足りないので、そういうふうにSNSを活用しながらいろんな海外の方々の動きを見たり、レースの動きを見たりする中で自分に合っているもの、自分と似ているもの、何が違うのかっていうのを見るようになったのがすごい、きっかけかなって思います。

Q今回トラックの周りに観客の方がたくさんいらっしゃっいましたが、そういう状況で走られていかがでしたか?
中島:やっぱり陸上がより一層盛り上がっているなっていうのは昨年の世界陸上からすごく思うところがあって。やっぱり選手にとって皆さんの応援の力だったり盛り上がりっていうのが一番パフォーマンス向上にも繋がってくるので、こういう環境でまた少し海外のような雰囲気の中でレースができたことは、私自身もすごく楽しかったですし、こういう風に色んな活動をしてくださる陸協の方々だったりっていうのに物すごく感謝しています。

Q次12秒50台っていうのは(来年の北京世界陸上の)標準にも関わってくると思いますが、それは今年の具体的な目標なのか、それとも今年標準を達成させて来年っていうところなのか、今のところどうですか?
中島:先週12秒60台っていうのを出して、先週予選の1本だけ12秒60台だったら、自分自身そこが明確にまだならない中で(12秒)50台っていうのは簡単なものじゃないっていうのも自分自身競技の中でも分かっているので、ただ決勝で向かい風の中で12秒62を出せたことは、12秒62を出せたことが嬉しいっていうよりかは、そういう条件の中で出せたことがすごくプラスになるものが多かったので、そこの時点で12秒50台っていうところはすごく見えてきたかなっていう風に思います。その12秒62のレースを振り返っても、もちろんパーソナルベストなのでいい走りはしていたんですけど、やっぱりまだまだ自分の中でこうしたいなっていうのがこの1週間振り返ってみても多くあったので、そこを上手く1個1個クリアできて、1つ1つのピースを繋げていければ、(12秒)50台っていうのは今年中に出せるのが一番いいなとは思ってます。

Q『こうしたい』というのが1週間あったっていうのはどういったところですか?
中島:リードと抜き足の動き方なんですけど、少し自分自身上空で抜き足が大きく回ってしまう時があって、それで上空をしっかり前にいける動作ではあるんですけど、リードと抜きを一体化させたいっていうのがすごくあって、なので挟み込み動作っていうのをより素早くすることでコンパクトにもなるし、ランにすごく繋がっていくんじゃないかっていうのをこの1週間でちょっと色々考えて、それを今回福井ではやってみたいなと思って、ただイメージしか練習がこの期間ではできなかったので、イメージしかできなかったんですけど、それを少し表現できたのが、(12秒)60が出たっていうところよりも、自分がやりたい動きを出せたっていうのがレースの中ではよかったのかなと思います。

Q9年前の話もありましたが、ハードルを辞めようかと思ったとおっしゃってましたが、そこからこれだけコツコツと積み重ねてきたこの過程っていうのは改めて振り返ってどう感じていますか?
中島:こういう風にタイムだけをパッて見た時に何回も出しているので、すごい絶好調だなっていうお言葉をいただくことが多いんですけど、私は本当に下積み時代が長い選手なので、絶好調っていうよりかは本当にコツコツ自分自身周りからは見えないことを色んなことを吸収して拾っていって、繋がっているものだと思うので、私は今こういう日本記録っていうものよりもそれまでの過程っていうのがものすごく大切に思いますし、これからも競技がなくなってもそこが生きる、私の中で物凄い大事なものだと思うので、それがより積み重なっていけばいいのかなっていう風には、そこのスタンスは全く変わってはいないです。

Q予選からスタートがすごいよかったなという印象を受けたんですけど、スタートとかで何か今までと変えたりとか何か意識してることとかありますか?
中島:あんまり予選のスタートの感覚は良くなかったんですけど、スタートを早く出たいっていうよりかは、後半にいかに繋げられるスタートを切れるかっていうところはすごい大事にしているので、早く出なくてもそこのスピードに乗れるようなアプローチをできるように、決勝(前)はもうハードルは毎回飛ばないんですけど、本当にスタブロ(スターティングブロック)だけ合わせて、しっかりとスピードに乗れているかっていう確認だけをして決勝には向かいました。

Q昨年の世界選手権で決勝に上がれないというのがあり、やっぱり12秒50台っていうのはかなり世界を意識された数字だと思うんですけど、改めて日本のハードル界を引っ張りたいという思いはありますか?
中島:引っ張りたいというよりかは引っ張ってもらっていた人間なので、寺田(明日香)さんがそういう扉を開いてくれた中でそこに続いて、みんなが切磋琢磨していってる中になかなかまだ全然乗れていない頃もすごくあったので、私自身その姿を見て、年長組がすごい多かったのですごく勇気をもらえたというか、私自身年齢が関係ないんだなっていう風にも思う存在だったので、私も競技者として今若い子たちにもそういう選手でありたいというか、競技をやっている中でいいことばかりじゃないけど、こうして走っている、しかも同い年とかもすごい色んな強い選手がいる代なので、そういうのを見て何か希望だったり勇気を与えられるような選手になれたらいいなと思っています。

Q寺田さんから印象的な言葉ってもらったりしました?
中島:日本選手権の時に、すごくハードリング全体的にコンパクトになったねっていう風に言ってもらって、そこからよりコンパクトにしたいなと思いました(笑)

Qタイマーのところで写真撮影が終わった後に、一瞬涙が込み上げるようなシーンがあったと思うんですけど、あれはどういう感情だったのか伺えますか?
中島:さっきも言ったんですけど、13秒60を出した場所って自分でも思ってたので、できたら1秒以上ここで上げたいなっていうのはずっと自分の中でこの大会に向けて思ってて、ただそれ思ってるのは自分だけというか、全然知らないタイムだと思うのでそういうのを考えた時に、1秒ってやっぱりなかなか中学生じゃないので、なかなかできないことだなと思って、すごいそこの年数というか、そこからの年数をふと思った時にちょっとうるっときたっていう感じです。

Q大学時代、競技を続けるかどうかっていう葛藤もあったってお話もありましたけど、どういう思いで大学4年間競技をされていたのか、お話しいただけますでしょうか?
中島:大学生の時は本当に色んな種目をやらせてもらっていて、ヨンパー(400mH)をやったり400mをやったりっていうのをしてましたし、それがやっぱり今に生きているというか、大学の先生はこれっていうのに絞らなくても色んな道があるよっていう風には教えてくれたので、その固定概念というか自分の中でこれじゃないとダメっていうのがいい意味でその時期は外れた、それで色んな体の動かし方とか、みんなが混成選手になれるぐらいの色んなことができるようにしないといけないよねっていう大学だったので、それがいい意味でやっぱり今に生きているんじゃないかなとは思います。

Q今大会に臨む時に、大学4年生の時の13秒60はどこか頭にありましたか?
中島:この大会の前から元々思っていたので、それを思った時にうるっと来たっていうお話でした。

Q大学4年の時と今を比較して、例えば練習見たらこんな違いがあるよとか、練習じゃなくても、昔と比べて今はこうなっているなど日常の生活の行いや意識の高さとかでもいいんですけど、当時と今の違いっていうのは何かありますか?
中島:昔よりマイナスなことに対してのマイナスな感情が湧かないというか、すごくマイナスなことがあったとしても、それを自分自身の中でポジティブ、プラスに変える力がすごく備わってきているなとは感じますね。やっぱり大学時代は負けてしまったその負けに対して思うことというか、ことはたくさんあったんですけど、今別にその負けも必ずプラスになると思いますし、自分の競技人生に繋がっていく一つの出来事になると思うので、そういうふうにプラスに考えられるようになったことは年々多くはなりました。

Qそれは本当に毎年毎年の積み重ねでそうなった?何か変わったわけではなくて?
中島:本当にコツコツそういうメンタル的なものも自分の中で考えてやっています。

Qレース後に同じレース走った選手たちとグータッチしたりとか、すごい印象的だったんですけれども、周りの雰囲気とかは?
中島:やっぱりそういうのが100mHの雰囲気だと思いますし、切磋琢磨してるからこそ、自分自身もこういうふうに走れているので、やっぱり選手一人一人にすごくリスペクトがあります。ただやっぱり男子110mHみたいに世界で戦うっていう選手がそんな何人も何人もいるわけではないので、やっぱりそういうところをみんなで目指していければいいなという気持ちはすごくあります。

中島:皆さん、お盆にありがとうございます!

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