「丸亀製麺」が“社長の考え方学んだAI”導入 商品開発の相談も気軽に? 組織・人間の役割は【Nスタ解説】
大手うどんチェーン「丸亀製麺」の運営会社が、社長のビジネス哲学を学ばせた「AI」を開発。
その舞台裏を取材しました。
【写真で見る】「社長AI」がいるとどうなる? 丸亀製麺の新商品開発会議の様子
企業で広まるAIの活用 狙いは「考える時間のショートカット」
出水麻衣キャスター:
実は丸亀製麺の運営会社トリドールだけではなく、他にもさまざまな企業でAIの活用が始まっています。
▼NECでは8月、AIだけが在籍している“無人部署”が新設。部門長から社員まで4階層すべてがAI。さらに、▼キリンホールディングスでは2025年7月から、経営戦略会議に「AI役員」が参加。12の人格を持っているAIだといいます。
TBS報道局 経済部 室谷陽太 記者:
丸亀製麺を運営するトリドールでは、今回「社長AI」が導入されました。
たとえば商品開発や、新店舗開発の際に社員が相談相手として活用することが想定されているということです。
社長の考え・ノウハウを事前にAIを通じて理解することで、考える時間のショートカットにつなげることが今回の狙いだといいます。
トリドールは創業社長の粟田さんだけで始めた会社ですが、今や7000人規模の会社になっています。そのため、社長と社員の直接のコミュニケーションが難しくなっているのが実情で、今回AIの導入を決めたということです。
「保存」と「進化」 日本と海外ではAIの使い方に“違い”
出水キャスター:
さまざまな企業とやり取りをする中で、企業のトップや社員からこういう望みや期待はありますか?
現パナソニック顧問 ハロルド・ジョージ・メイさん:
これは面白い取り組みだと思います。
パナソニック創業者の松下幸之助さんに会ったことがないので、AIを通じて会話ができるならしてみたいです。
日本と海外でAIの使い方が少し違うとも感じています。
日本は創業者や社長の理念・哲学・考え方をAIに学ばせて残そうとしています。特に創業者の場合、こういう使い方も大事ですが、ビジネスでは進化も求められます。
海外の場合は、社員に「なぜ新しいことを試みないのか」と問題や挑戦を投げかけ、進化させるためのツールとしてAIを活用しています。
日本と海外では異なる考え方があるように私は思います。
中間管理職は不要に? 「社長AI」導入に懸念も
出水キャスター:
一方、課題も浮かび上がっています。
AI社長がいるのであれば中間管理職はいらなくなるのではないか。
また、社員が社長AIの言いなりになって、自分で考えなくなってしまうのではないか。こうした懸念もあるということです。
TBS報道局 経済部 室谷陽太 記者:
今回の社長AIの開発に携わったDeNA「リーダーズAI」の犬塚佳樹部長は「AIに従うのではなく、相談相手として一緒に仕事をする存在になってほしい。最後の重要な意思決定は人間」だと話していました。
DeNAのAIサービスは、すでに10社以上での導入が決まっています。
「社長AI」以外にも“伝説の営業マン”などノウハウを持った社員に話を聞くため、AI化してほしいという要望が来ているそうです。
ハロルド・ジョージ・メイさん:
今はまだ一方通行ですが、AIが社員からの意見や疑問を吸い上げてアップデートすれば、よりよいツールになると思います。
========
<プロフィール>
室谷陽太
TBS報道局 経済部 総務省・IT通信担当
健康管理について日々AIに相談
ハロルド・ジョージ・メイさん
プロ経営者 1963年オランダ生まれ
現パナソニック顧問・アース製薬の社外取締役など