カニの甲羅にある風味豊かな部位、それが「カニミソ」です。
しかし、これら「カニミソ」は勘違いしている方も多いです。
事実、人間で言うところの脳みそだと思っている方がいます。
今回はそれら「カニミソ」の正体について解説します。
特に「カニミソ」がどのような部位なのか説明するので、よくカニを食べる人はぜひ最後までお読みください。
「カニミソ」の正体
まずは「カニミソ」の正体について見ていきましょう。
「カニミソ」はカニの肝臓的なもの
「カニミソ」はカニの「中腸線」という部分のことです。
この「中腸線」は肝臓と膵臓の機能を併せ持つ内臓とされています。
このように甲殻類の臓器はいくつかの機能を備えています。
その内臓の一種が「カニミソ」であるということです。
これら「カニミソ」は人間でいうところの消化器官の一種となります。
事実、カニは「中腸線」で食べ物の分解や吸収を行います。
さらには栄養を蓄えるような機能も持っているのだとか。
なお、エビにも「中腸線」を持つ種類がいるとされます。
それらは「カニミソ」ならぬ「エビミソ」と呼ばれます。
「カニミソ」は食べたもので色が変わる
「カニミソ」はカニの種類によって色も変わります。
特にズワイガニは緑色、毛ガニは黄色という具合で違います。
これらは食べるものによって変化するのだとか。
ちなみに、なぜ「カニミソ」と呼ばれるのでしょうか。
これに関しては単に味噌に似ているからだとされています。
なお、タラバガニなど種類によっては「カニミソ」がほとんどない個体もいるそうです。
タラバガニのカニミソが食べられない理由
「カニミソ」はすべてのカニのものが食べられるわけではありません。
実際にタラバガニの「カニミソ」は食べられません。
そもそもタラバガニはカニという名前であるものの実はヤドカリの仲間とされています。
そのため、他のカニに比べて「カニミソ」が美味しいわけではないのです。
タラバガニ自体は4月~5月や9月~10月に旬を迎える一方で「カニミソ」はほとんど食べられません。
単純に美味しくないからこそ食べられることもないわけです。
また、そもそも調理の段階で加熱しても固まらないことから、茹でる際に流れてしまうことも多いです。
その影響によってカニの身がダメになってしまうため、茹でる前に取り除かれることもあるのだとか。
これらのことからタラバガニの「カニミソ」は食べられないことが多いわけです。
美味しい「カニミソ」を味わいたいならズワイガニや毛ガニがおすすめです。
カニの「脳みそ」はどこにある?
ではカニの脳みそはどこにあるのでしょうか?
カニに脳みそはない!!
「カニミソ」はその名前から脳みそと思っている方もいます。
しかし、そもそもカニに脳みそはないとされています。
実際にカニを含む節足動物に脳みそなどの器官はありません。
有識者によっては脳みそがあるとする話もありますが、人間の脳みそのような器官が独立しているわけではないのです。
その点は注意が必要となってくるでしょう。
脳に近い役割を果たす器官はある
カニは人間のような脳みそを持たない生き物です。
しかし、それに似た役割を果たす器官は存在しています。
それが頭部神経節という器官です。
カニは両目と口の近くにこの頭部神経節があります。
これが人間で言うところの脳みその役割を持っているのです。
ただ、限りなく小さい器官なので「カニに脳みそはない」というのが大まかな認識とされています。
タラバガニのカニミソを見かけない理由
例外としてタラバガニは「カニミソ」を見かけません。
そこにはどのような理由があるのでしょうか?
タラバガニのカニミソは食べるのに適さない?
タラバガニはそもそもほとんど「カニミソ」を持たない生き物とされています。
他のカニとは違ってヤドカリの仲間なので「カニミソ」自体がほとんどないのではないかと考えられています。
事実、茹でる際に溶けてしまうの防ぐため、取り除くもしくは流れてしまうことがほとんどです。
それでいて美味しくもないため、あまり食べるのには適していません。
それらの理由からタラバガニの「カニミソ」は市場で見かけることもほとんどありません。
まとめ
「カニミソ」はカニの内臓の一種となっています。
しかし、これらは人間の脳みそのようなものではありません。
むしろ消化器官としての役割を持つ「中腸線」と呼ばれる部位となっています。