動物園の人気者キリン。
首が長くておっとりした顔をしていて、手足が細くて長いこのキリン、実はあまり研究が進んでこなかった歴史があります。
しかし、近年の研究によってその種類に違いがあることが判明したようですよ!!
キリンは1種だと考えられていた
もともとキリンは、1種だと考えられてきました。
それも仕方がないことなのです。
なぜなら、どのキリンの見た目は似たようなものが多く、そもそも研究自体が進んでいなかったため、1種だと勝手に決めつけられていたのです。
1種9亜種だと思われていた
研究がまったくされていなかったというわけではありません。、
時折出る論文によって考えられていたのは、キリンが1種で9亜種あるということ。
亜種というのは種とは違うので、原則としては1種のみということになります。
種と亜種の違い
キリンは生息域で種と亜種が分かれていると考えられており、1種の中に9亜種がいると考えられてきました。
種は分類する際の基本単位で、いわばオリジナルに近いもの。
亜種はそのオリジナルをさらに細分化したものに近いです。
大カテゴリがあって、そこに小カテゴリがあるイメージともいえます。
ではなぜ種と亜種を区別するのかというと、これは野生動物の地域個体群の保護という観点では重要だからです。
近年4種だと判明
研究によって、キリンは実は4種ほどいるとが近年判明しました。
素人が見れば同じものに見えるのですが・・・。
DNA鑑定で4種と判明
DNA鑑定の結果、キリンは「キタキリン」「ミナミキリン」「アミメキリン」「マサイキリン」の4種類に大別でき、DNA的に明確な違いがあると判明しています。
人間でも居住する地域によって性質が変わることがありますが、人間という種自体は変わることはありません。
しかし、キリンはその種自体がDNA的に違っているとわかってきたのです。
種の違いはホッキョクグマとヒグマくらい違う
DNA的には大きく違っていおり、研究者曰くホッキョクグマとヒグマくらいに違うとのこと。
姿形をイメージしてもらえるとわかるのですが、かなり大きな違いであることは間違いないですよね。
異種間の交配はない!
これまで異種間同士で交配された証拠が見つからなかったのも、キリンの種類を区別する上で大きな発見となりました。
キリンは同じ種類で群れを形成するため、基本的に異種間の交配はありません。
メジャーすぎて見落とされていた?
キリンと言えば動物園の人気者。
世界共通でキリンの姿形は知られていたものの、逆にメジャーすぎて研究の対象となることが少なかったと言われています。
誰もが知る動物であまり研究されていなかった
科学的に興味を持たれない生き物だったこともあって、論文が世界でも400本ほどしかありません。
研究の進んでいる動物は何千何万という論文が出ていることもあるのですが、キリンは世界でもたったの数百本だけということから研究が進んでいなかったことが分かりますね。
実は絶滅危機だった!
キリンはアフリカにいることがわかっているものの、実はその数は年々かなり減少しています。
これをある研究者は静かな絶滅と表現しており、誰にも気づかれない間にその数が極端に減ってしまったことがわかっています。
生息地の破壊はもちろん、干ばつや密漁によってここ数十年で全体の60%~80%も減ったと考えられているのです。
そのため、近年ではキリン保護の観点からも研究が進められています。
種間の生息数を改めたら・・・
種間の生息数を改めたところ、アミメキリンは9,000頭以下でキタキリンは5,000頭以下とかなり数が少ないことがわかっています。
そのため野生動物のレッドリスト入りも検討されています。
4種であることが判明し保護活動に拍車
キリンの種類が4種いるとの研究がわかったことで、それぞれの種ごとの数もおおよそ予測できるようになってきました。
それによって、保護活動も本格化されています。
まとめ
日本であれば動物園の人気者として知られているキリン。
以前は1種のみと考えられていましたが、現在はキタキリン・ミナミキリン・アミメキリン・マサイキリンの4種類いることが判明しています。
首が長いという特徴的な姿がよく知られており、いずれの種も外見に大きな違いがないことから研究が近年まで進められていなかったので、判明したのが近年になったそうです。