相手を見るのではなく他の方向を見ることをあらわす「そっぽを向く」という表現。
これは、本来見るべき方を見ていない様子をあらわす際に用いられます。
では、なぜこの言葉は「そっぽ」というのか。
その理由や意味に用い方、類義語について解説します。
「そっぽを向く」とは
まずは「そっぽを向く」という言葉について、その意味や用い方について見ていきましょう。
「そっぽを向く」の意味
「そっぽを向く」とは、相手を見ず他に顔を向けていることを意味します。
見るべき方向を見ていないということになります。
また、故意に無視することや相手にしないという様子に対しても用いられます。
まともに取り合わないであしらうといった態度についても使用されます。
それがじて、相手に服従・協調しない態度という意味にもなります。
「そっぽを向く」時・「向かれる」時の感情
そっぽを向く時も向かれる時も、どちらも怒りの感情が起点となっていることが多いです。
逆に、まったく興味のない無関心さが軸となることもあります。
自分が「そっぽを向く」時も「向かれる」時も、どちらもネガティブな要素が含まれているということになります。
ポジティブなニュアンスで使用されることはまず無い表現です。
「そっぽを向く」の由来
そっぽを向くの「そっぽ」自体には、どのような意味があるのでしょうか。
それは漢字表記にすると一目瞭然でした。
そっぽの漢字表記は「外方」
そっぽを向くの「そっぽ」を漢字表記すると「外方」となります。
これは、正面から向き合わずに横を見る様子から来た言葉です。
本来見るべき方向とは別の方向を見ていることを指した言葉となります。
この表記は本来「そっぽう」と読むのですが、「そっぽを向く」の時は「そっぽ」に読みが変化したものとなっています。
ちなみに「外方」自体は、「其方(そほう)」が変化したものとも考えられています。
「そっぽを向く」の類義語
最後に「そっぽを向く」の類義語も見ていきましょう。
類義語としては、「背を向ける」や「顔を背ける」「明後日の方を向く」「目をそらす」などがあげられます。
背を向ける
「背を向ける」とは、人物や物事に対して後ろを向くことを意味します。
また、無関心な心情や同意しないこと、拒絶をあらわす感情にも使用されます。
「世の中に背を向ける」といった用い方をした際は、反道徳的な意味合いで使用されることもあります。
社会の道徳に背くことを指すこともあるのです。
顔を背ける
「顔を背ける」とは、顔を横に向けることで正面を見ないようにすることをあらわしています。
視線のみを背ける場合は「目を背ける」などと表現したりもしますね。
また、見てはいけないと判断したものからとっさに視線を外すという行為に対しても用いられます。
明後日の方を向く
「明後日の方向を向く」は、見当違いの方向を向くことです。
的外れな方向を見ている人物や見当違いな言動の揶揄としても使用されます。
また、目指している着地点や目標の到達点が完全に誤っていることを指す場合もあります。
まとめ
「そっぽを向く」は、相手の顔や目とは違う方向に視線を向けることを意味します。
相手を無視したり、あしらう際、拒絶し協調しない様子などネガティブな態度として使用されます。
「そっぽ」は、漢字表記にすると「外方」になり、正面から向き合わず顔や視線を背ける様子をあらわしています。