犬のマイクロチップ登録と狂犬病予防法の「特例制度」について

2024-08-09 17:20

現在義務化されている「マイクロチップ」やその登録に関して。また、狂犬病予防法の「特例制度」とは何か。

マイクロチップとは

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マイクロチップとは、ごく小さな電子標識器具(直径1.2㎜、長さ8mm程度)を体の中に埋め込むことによって、個体の識別などをおこなうことができるものです。自治体や動物病院などに置いてある専用のリーダーで読み取ることで番号が表示され、その番号を用いて登録してある情報を確認することが出来ます。

マイクロチップの外側は生体適合ガラスやポリマーで作られており、犬や猫にとって安全性の高いものとなっています。また装着も簡易であり、針が太めの注射器のような注入器で装着することが出来ますので、麻酔などの必要も基本的にはありません。犬では生後2週齢頃、猫では生後4週齢頃から装着が可能とされており、ワクチン接種のような副反応なども確認されていません。

マイクロチップは一度装着すれば首輪などのように外れて落ちてしまう心配がなく、基本的には一生涯使用することが可能とされていますが、例えばMRIなどの検査をする際には外す必要があります。その際にはいったん摘出してしまいますので、装着には新たなマイクロチップが必要となります。

マイクロチップに関する法律

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現在「動物愛護法」において、ショップやブリーダーから販売されている犬や猫には、必ずマイクロチップを装着し情報を登録することが義務付けられています。

この法律は、迷子になってしまった犬や猫を、飼い主さんの元に返せる確率を上げることや適切な飼育を啓発することを目的に作られました。捨てられてしまう子を減らすため、また事故や災害など万が一の際に離れ離れになってしまった子を、飼い主さんの元へ返せるようにするための法律です。

この法律が施行される以前に販売・譲渡された犬や猫は、マイクロチップの装着は「努力義務」です。出来るだけ全ての犬や猫に、マイクロチップを装着することが望ましいとされています。

ショップやブリーダーからお迎えした時点では、マイクロチップの情報はショップやブリーダーのままになっていますので、ワンちゃんをお迎えしたら早めにマイクロチップ情報の「変更」をおこなってください。

マイクロチップの情報は、以前は色んな団体で管理しており情報が確認しづらい状況でしたが、動物愛護法が改正され、国の「環境省」が統一して管理する体制に変わりました。

マイクロチップの情報登録やその確認は、環境省のWEBページでおこなえます。

狂犬病予防法と犬の登録について

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さて、話は少し変わりますが「狂犬病予防法」によって、全ての犬は自治体に登録すること、そして年一回の狂犬病ワクチンの接種が義務付けられています。

狂犬病とはどんな病気?

「狂犬病」とは名前に「犬」と付いていますが、全ての哺乳類が感染する可能性があり、発症すれば致死率はほぼ100%ともいわれる病気です。

この病気は現在日本には存在しませんが、世界で見ればまだ年間数万人の人が亡くなっている恐ろしい病気です。感染から発症までに数ヶ月かかるので、感染源を特定することや、その感染源を迅速に隔離することが困難です。

犬の登録はなぜ必要なのか?

全ての哺乳類に感染する病気ですが、「人に感染させる」確率が一番高いのは「犬」とされています。そのため、全ての犬は生後91日を過ぎると各自治体に登録する義務があります。

自治体に登録する際には「鑑札」を配布され、これを必ず犬に着けておかなくてはなりません。

鑑札は犬の識別に必要とされていますが、実際に首輪などに装着していても、迷子になった際に首輪が外れた状態であった場合、識別不可能となってしまいます。

また、以前はマイクロチップの装着と役割が被ってしまっていました。

特例制度について

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そこで「特例制度」という制度が狂犬病予防法の中に作られました。

現在、販売・譲渡されている全ての犬にマイクロチップの装着が義務付けられていますので、個体の識別はマイクロチップに統一しよう!という制度です。

この特例制度は参加している自治体のみに適用されます。どの自治体が参加しているかは、環境省の「犬と猫のマイクロチップ情報登録」サイトの「マイクロチップ情報登録制度」ページから確認が出来ます。

この制度に参加している自治体では、初年度であっても犬の登録に「鑑札」をもらう必要はありません。

環境省に登録したマイクロチップのデータが、自動的に特例制度に参加している自治体に送られ、飼い主様が手続きする必要なく、犬の登録がおこなわれる仕組みです。

鑑札をもらうための費用が発生せず、環境省に登録する手数料のみで登録が済みます。

混同しやすいですが、狂犬病ワクチンを打った後の「済票」は毎年更新されますので、こちらは今まで通りにワンちゃんへ装着しておかなくてはなりません。

近年においても、ワンちゃんに関わる法律などは変化してきています。

正しい知識を身につけ、必要な手続きを忘れないようにしていきましょう!

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