AIによる「日本語の壁」崩壊がサイバー攻撃急増の一因か…身代金交渉まで容易に? “世界がハッキングで日本を狙う”時代が到来する可能性【news23】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2026-10-13 14:02

相次ぐ情報漏えい。ここ2週間あまりで、6800万件以上の個人情報が流出したおそれがあります。理由のひとつと指摘されるのが“日本語の壁”の崩壊です。イギリスの専門家がAIによって日本が「より魅力的な標的」になっていると警戒を呼びかけました。

【写真で見る】脅威が増している「ランサムウェア攻撃」とは?

便利さの裏に潜むリスク  “日本語の壁”崩壊でサイバー攻撃急増

東京・浅草のお好み焼き店「浅草 つる次郎」。外国人観光客にお好み焼きを持って行き、店員はスマホの翻訳アプリを使って説明をしています。

外国人にとっても日本人にとっても今や欠かせない「翻訳機」。

――日本語は難しいですか?簡単ですか?

オーストラリアからの観光客
「とっても難しいです。聞き慣れないので認識できないんです。ヨーロッパの国ならラテン語ベースで英語に似ているので単語を拾えますが、日本語は初めてなので、勉強しないと…」

オランダからの観光客
「(翻訳機は)命の恩人です。翻訳機がなかったら(旅行は)不可能だったと思います。今も使っていますしね」

時代とともになくなりつつある“日本語の壁”。日本人にとって良い面もありますが、一方で、今、急増している日本企業などへのサイバー攻撃は、その“壁”が崩壊したことが背景にあるといいます。

続々標的「日本をより魅力的なターゲットにしている」

12日もヤマハ発動機が不正アクセスによって会員約1600人分の個人情報が流出したおそれがあると発表しました。

ユーザーのコミュニティサイトを運営する委託会社に不正アクセスがあったということです。

イギリスの防衛安全保障研究所で、サイバーテクノロジーを研究するマッコール上級研究員は、こう指摘します。

RUSI・英王立防衛安全保障研究所 ジェイミー・マッコール 上級研究員
「日本のような国では、歴史的にみても(企業との)交渉が難しい。しかし、AIの登場で多くの言語で即座に交渉することができるようになった。それが日本という国をより魅力的なターゲットにしてしまっている」

先週もブックオフやJR東日本などが被害を受け、ここ2週間あまりだけでも最大6800万件以上の個人情報が流出しています。

日本にも影響及ぶ AI発達で脅威増す「ランサムウェア攻撃」

“日本語の壁”がくずれたことによって脅威が増しているのが、「ランサムウェア」=身代金要求型のウイルスでの攻撃です。

ランサムウェア攻撃とは、ハッカーが攻撃対象のパソコンに侵入し、ファイルを暗号化して乗っ取り、使えなくします。その暗号を解除する見返りとして、身代金(ランサム)を要求する手口です。

2025年9月には、国際ハッカー集団「Qilin」によってアサヒビールが攻撃を受け、一時工場などが停止する事態にまで発展しました。

RUSI・英王立防衛安全保障研究所 ジェイミー・マッコール 上級研究員
「身代金を要求するには、攻撃を加えた企業と交渉して支払いに合意させたり、データを盗んだ証拠を提示したりする必要がある。そのためにはコミュニケーションをとれなければならない」

こうした交渉のためのメールなども、AIが日本語で生成し、返信まで自動でおこなってくれるため、これまで標的になりにくかった日本にも影響が及んでいると話します。

喜入友浩キャスター
「Qilinと名乗るハッカー集団をご存じですか?先週、彼らに取材することができた…」

RUSI・英王立防衛安全保障研究所 ジェイミー・マッコール 上級研究員
「本当ですか?」

先週「Qilin」は、私たちの取材に「日本は世界最悪のコンピューターセキュリティ体制を持つ国のひとつだ」と指摘していましたが…

RUSI・英王立防衛安全保障研究所 ジェイミー・マッコール 上級研究員
「興味深い。(日本の)多くの企業がインターネット上でサービスを提供するようになるにつれ、攻撃にさらされるリスクは増し、攻撃も増えることになる」

「日本語の不自然さ」がなくなり…巧妙化する“詐欺メール”

藤森祥平キャスター:
今までは日本語の独自性や難しさが世界の壁になっていたんですね。

教育経済学者 中室牧子さん:
受け取ったメールの日本語が不自然なことによって、「詐欺・偽物じゃないか」と気づけていましたが、AIで翻訳や文章作成の能力が飛躍的に上がったことで、偽物・詐欺だとしても気づきにくくなっています。

これからは2段階認証したり、SMS・メールに届くリンクにアクセス・ログインしない。お金や個人情報を要求されたら、一旦やりとりを止めて別経路で確認するといった対策も必要だと思います。

記事全文を読む
  1. 公明・西田幹事長、衆参予算委見て判断 民主・階幹事長「自ら身を引いてもいい」 簗農水大臣への問責案めぐり
  2. パリ最古の屋内食品市場で火災 建物全焼 約1000平方メートル焼失 1615年建設 フランスの歴史的建造物にも指定
  3. 【笑福亭鶴瓶】結婚54年目突入 夫婦円満の秘訣は〝妻の言いなり〟 年1回の手紙のやりとりエピソードも〝こっち3行、妻はいっぱい〟
  4. AIによる「日本語の壁」崩壊がサイバー攻撃急増の一因か…身代金交渉まで容易に? “世界がハッキングで日本を狙う”時代が到来する可能性【news23】
  5. 小学校講師が運転する車が小学生男児(9)はねる 男の子は頭を強く打ち重傷 集団登校の集合場所に向かっている途中の事故 静岡・御前崎市
  6. 国民民主・玉木代表「他の重要課題の議論深まらない」 簗農水大臣に自らの辞任判断求める
  7. 選べる16色、カラビナ付きでカバンの外に付けて持ち運び可能! iFaceの新製品「SafePaq 半固体モバイルバッテリー」発表会開催
  8. 自動販売機の詰め替え作業中にはねられたか 60代男性が意識不明の重体 無免許で軽乗用車運転していた60代女を現行犯逮捕 岐阜・美濃加茂市
  9. 立憲・水岡代表、簗農水大臣への“問責”念頭に「現状のままなら厳しい対応」 簗大臣の“予算カット”発言めぐり
  10. “投票で2位”の教授が東大総長に 選考は“ルール通り”も…学内で渦巻く不満「十分な説明ない」「プロセスの公平性開示を」 大学経営のあるべき姿とは【news23】
  1. 冷蔵庫の温度50℃に上昇 フランス各地でスーパーマーケット数百店舗に大規模サイバー攻撃 食品腐敗・火災などの被害
  2. 母親(35) 保護責任者遺棄致死罪について無罪主張 小学1年女児暴行死事件 初公判 愛知・犬山市
  3. “投票で2位”の教授が東大総長に 選考は“ルール通り”も…学内で渦巻く不満「十分な説明ない」「プロセスの公平性開示を」 大学経営のあるべき姿とは【news23】
  4. 観客に大型神輿「布団太鼓」突っ込む 13歳女子中学生含む4人けが 左折しようとした際に曲がり切れず街路樹にぶつかり転倒 神戸・垂水区の秋祭り
  5. 選べる16色、カラビナ付きでカバンの外に付けて持ち運び可能! iFaceの新製品「SafePaq 半固体モバイルバッテリー」発表会開催
  6. 小学校講師が運転する車が小学生男児(9)はねる 男の子は頭を強く打ち重傷 集団登校の集合場所に向かっている途中の事故 静岡・御前崎市
  7. パリ最古の屋内食品市場で火災 建物全焼 約1000平方メートル焼失 1615年建設 フランスの歴史的建造物にも指定
  8. AIによる「日本語の壁」崩壊がサイバー攻撃急増の一因か…身代金交渉まで容易に? “世界がハッキングで日本を狙う”時代が到来する可能性【news23】
  9. 九州新幹線 全線見合わせ続く 架線損傷で再開は夕方以降に 博多~熊本は午後4時ごろ・熊本~鹿児島中央は午後6時ごろ見込み
  10. 「ストレス発散や優越感、スリルがあった」90代入所者女性に顔を殴るなど暴行しけがさせたか 高齢者施設元職員の男(36)を逮捕 東京・新宿区
  11. JR東日本社員が法廷内で無断録音 当初調査範囲としなかった2016年以前にも 「会社の指示ではない」 過去分の調査急ぐ
  12. 【笑福亭鶴瓶】結婚54年目突入  夫婦円満の秘訣は〝妻の言いなり〟 年1回の手紙のやりとりエピソードも〝こっち3行、妻はいっぱい〟