「人に会える体験は必要」車いすから伝えた思い 世界最高峰デザイン賞で最優秀賞!難病の日本人女性の「バリアフリーマップアプリ」開発に密着
きのう、韓国ソウルで開かれた世界最高峰のデザインアワードで、日本の車いすユーザーの女性らによる取り組みが最優秀賞に選ばれました。難病を抱えながらも挑戦を続ける彼女が世界に伝えたい思いとは。
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今週日曜日、韓国の空港に降り立ったのは、織田友理子さん(46)です。
織田友理子さん
「(韓国が)どんな街になっているかなと楽しみ」
車いすユーザーである織田さんは、筋肉の病気で首も手足も自由に動かすことができません。
その織田さんが挑んだのは、きのうの大舞台でした。
織田友理子さん
「一人の体験が、誰かの選択肢になります」
社会課題を解決するアイディアを競う世界最高峰の『ソウルデザインアワード』。最高賞のグランプリに挑戦したのです。
織田さんは22歳の時、全身の筋肉が徐々に動かなくなる国の指定難病「遠位型ミオパチー」と診断され、26歳から車いす生活となりました。
そうしたなか、織田さんらが立ち上げたのが、バリアフリーマップアプリ「WheeLog!」。車いすで通れた道や、段差のないお店の情報などをユーザー同士でシェアするものです。
「誰もが情報提供で貢献できる仕組み」が評価され、アワードの最終候補に選ばれました。
ソウルに到着した日、織田さんは早速、夫・洋一さん(46)とともに街に出ました。
織田友理子さん
「ここも段差ですね」
夫・洋一さん
「めっちゃ美味しそうなんだけど」
織田友理子さん
「美味しそうな店いっぱいあるね。(段差のない店)探そう」
韓国でも、車いすの目線で見ると、まだまだ多くの段差がありました。
一方で、観光案内所の前では…
「車いすのマークがある」
日本では見慣れないマークを発見。何を意味するのか聞いてみると…
「この車いすマークはどういう意味?充電ですか?」
案内所のスタッフ
「そうです、充電器をレンタルできます。車いすの充電ができるというサインです」
電動車いすバッテリーの充電器の貸出を行っていたのです。
織田さんの車いすの重さは180キロ。充電が切れれば身動きがとれなくなるため、「命綱」とも言える心強いサービスです。
織田友理子さん
「こういうのを見るのが超楽しい。海外で先進的というか。ちょっとずつでもこうやっていろいろ配慮してくださったら、障がい者の人たちが動きやすくなる社会が作れる」
織田さんたちは、すぐさまこの情報を「WheeLog!」に登録。写真を添付し、簡単なコメントなどを入力します。
織田友理子さん
「動いた軌跡を(『WheeLog!』に)投稿することで誰かが見て、その誰かの行きたいとか、行けたということを繋げていけたら、人のためになれると」
きょうはソウルの地下鉄を利用した織田さん。駅には障がい者への配慮があちこちにありました。ただ、ちょっとした移動も、車いすユーザーにとってはかなりの時間と労力がかかります。
さらに、手足が動かない織田さんにとっては、食事するにも、姿勢を変えるにも、介助が片時も欠かせません。
「誰かの手を借りなければ、外に出ることもできない」。常にそんな葛藤や申し訳なさを抱えてきたという織田さん。それでも「外へ出ること」にこだわる理由は。
織田友理子さん
「もうダメかもしれないと思うことは、たぶん普通の人よりいっぱいある。だけどその度に頭に思い浮かぶのは幸せだった瞬間。あそこに行けたとか、あの人に会えたとか。その体験や経験はすごく人間にとって必要なこと」
「移動は特別な福祉ではなく、当たり前の『人権』である」。そんな認識が社会に広がることを願っています。
ソウルデザインアワード当日、「誰もが貢献できる社会」へ。その願いは世界に届くのか。
織田友理子さん
「『行きたい』という思いを誰一人としてあきらめる必要はないのです。『WheeLog!』は誰もがどこへでも行ける世界をデザインし続けます」
結果は見事、最優秀賞を受賞。最高賞のグランプリには届きませんでしたが、織田さんの信念は変わりません。
織田友理子さん
「人々のアクションによって社会が変わっていく。どういう障がい状況であっても、夢を描ける社会を作っていけると嬉しい」
織田さんは、あすソウルを出発し、この取り組みを伝えるため世界各地をめぐります。