ハコベは、春の七草のひとつです。
七草としては、「はこべら」という名前で通っており、白くて小さい可愛らしい花を咲かせます。
このハコベ、食用としてはもちろん薬用としても用いられてきた他、歯磨き粉としても使われてきたのだとか。
ここでは、そんなハコベがどのような花なのか、花言葉などについて解説します。
「ハコベ」とは
ハコベは、ナデシコ科ハコベ属に分類される植物です。
まずはハコベがどのような花なのかご紹介します。
「ハコベ」と呼ばれる植物
ハコベは、特定の植物の事とは限りません。
コハコベやミドリハコベの総称とも言われる他、ミドリハコベは除外しコハコベだけを指すこともあります。
その開花時期は2~10月と長く、春から秋にかけての花となります。
ハコベと呼ばれる種は日本だけでも約18種類、世界では約120種類あるとされています。
国内では北海道から沖縄までの全国に自生しています。
決して珍しい花ではなく、道端や田畑に公園など多くの場所で育つ生命力の強い花です。
このハコベ、草丈は10cm~20cmほどですが、その花は3mm~5mmと小振りです。
植物としての寿命は種類によって異なり、一年草のものもあれば多年草のものもあり、越年草とされる種類もあります。
春の七草のひとつ
ハコベには「はこべら」という別名があります。
このはこべらは、「春の七草」に数えられる植物のひとつです。
「はこべら」という呼び名は、「本草和名」という平安時代にまとめられた薬物書にある「波久部良(はくべら)」にあるとされます。
この「はくべら」が変化して「はこべら」になったと考えられていますが、肝心の「はくべら」の由来自体ははっきりしていません。
「蔓延芽叢(はびこりめむら)」や「葉采群(はこめら)」という言葉から生まれたなど、諸説あげられています。
歯磨き粉にされてきたハコベ
ハコベは昔から、食用や薬用とされてきた歴史があります。
しかし、それ以外にも使い道があったとされています。
それが歯磨き粉としての利用法です。
粉末状にしたハコベを同量の塩と炒ることで、「ハコベ塩」と呼ばれるものができます。
歯茎からの出血帽子や歯槽膿漏防止するために、この「ハコベ塩」を使用されていたとされます。
そのことから、「ハコベ塩」は、歯磨き粉の元祖ともいわれています。
春の七草とは
春の七草は、正月7日に七草粥に入れられます。
ここからはハコベが用いられた春の七草についてもご紹介します。
春の七草に数えられる植物
春の七草とされる7種類の植物とは「セリ・ナズナ・ゴギョウ・ハコベラ・ホトケノザ・スズナ・スズシロ」です。
なお、ゴギョウはハハコグサ、ホトケノザはタビラコ、スズナはカブ、スズシロはダイコンのことです。
七草粥にされる春の七草
正月7日に7種種類の植物を入れた粥を食べる習慣が古くからあります。
この風習がいつごろから始まったかは明確になっていません。
しかし、平安時代にはすでにあったとされています。
「ハコベ」の花言葉はある?
ハコベの花言葉は「ランデブー」「密会」「愛らしい」などです。
ランデブーは待ち合わせや逢い引き、約束、集合などの意味があり、これはフランスでのハコベの周りで起きる光景から来ているとされています。
ハコベは、ヒヨコなど小さな鳥が好んで食べる植物です。
そのため、ハコベの周りに群がるように集まってきます。
この様子から、集合の意味もある「ランデブー」が、そしてランデブーの意味のひとつから「密会」という花言葉が付けられました。
まとめ
ハコベは、小さな白い花を咲かせます。
春の七草に数えられ、正月7日には七草粥の具材にも用いられます。
また、歯磨き粉が無かった昔の日本では、塩と一緒に炒ることで、一種の歯磨き粉としていたともされています。
そんなハコベには、「ランデブー」や「密会」「愛らしい」などの花言葉があります。