色々な気象の変化のことを「雨露霜雪(うろそうせつ)」と表現します。
転じて、これらは人生の様々な困難の例えとして使用されます。
しかし、この言葉はそもそもどこから来たのでしょうか?
今回はそれら「雨露霜雪」の意味と成り立ちを解説します。
併せて類義語と対義語についても説明するので、ぜひ最後までお読みいただけると幸いです。
「雨露霜雪」とは
まずは「雨露霜雪」がどのような言葉なのか見ていきましょう。
「雨露霜雪」の意味
「雨露霜雪」とは様々な気象の変化のことを意味します。
文字通り雨と露と霜と雪の表現となっているのが特徴です。
転じて「雨露霜雪」は人生の色々な困難の例えとされます。
事実、とかく人生には苦労がつきものと言えるでしょう。
人によっては辛いことばかりという人もいるかもしれません。
それらを表現した四字熟語が「雨露霜雪」と言えるのです。
「雨露霜雪」の成り立ち
「雨露霜雪」はそれぞれ気候の変化を言った表現となります。
雨と露と霜と雪、それら天気の変化の例えから生まれた言葉です。
そこから天候を人生の困難に例えたのが「雨露霜雪」となります。
実際に雨や露や霜や雪というのは天気の中でも比較的大変な部類に入るものです。
晴れや曇りとは違って実害が伴うこともあるかもしれません。
人生でも仕事がうまくいかなかったり勉強がうまくいかなかったり、数え切れないほど辛いことがあります。
人によって人生の悩みというのも十人十色です。
それら百人百様の悩みを例えたのが「雨露霜雪」となります。
「雨露霜雪」の類義語
ここからは「雨露霜雪」の類義語を見ていきましょう。
櫛風沐雨
「櫛風沐雨」とは雨風に当たり仕事に奔走することの例えです。
また、世の中に多々ある辛苦にさらされることの例えでもあります。
「櫛風」は風に髪が櫛けずられることを意味する言葉です。
「沐雨」は雨で髪が洗われることを意味する言葉です。
転じて、人生の困難の例えとされるようになったとか。
中でも、苦労を重ねて働いていることの例えとされます。
それらの点が「雨露霜雪」に通ずるのではないでしょうか。
艱難辛苦
「艱難辛苦」とは非常な困難にあって苦しみ悩むことの例えです。
「艱難」は困難に遭遇して悩むことを意味します。
「辛苦」は辛い目に遭って苦しむことを意味します。
多くは人生でぶつかる困難や苦労について言う言葉です。
それらの点が「雨露霜雪」と重なります。
四苦八苦
「四苦八苦」とは非常に苦しむことの例えです。
これらはもともと仏教用語の1つで、あらゆる苦しみを意味します。
実際に「四苦」は生・老・病・死の4つの苦しみのことを言います。
「八苦」はそこに愛別離苦、怨憎会苦、求不得苦、五蘊盛苦を加えたものとされているようです。
これらの四字熟語はとにもかくにも人生におけるありとあらゆる苦しみのことを言った言葉となるわけです。
それらの点が「雨露霜雪」と似ているかもしれない。
「雨露霜雪」の対義語
最後に「雨露霜雪」の対義語についても見ておきましょう。
順風満帆
「順風満帆とは物事がすべて順調に進行することの例えです。
追い風を受けて帆をいっぱいに船が進んでいく様子から来ています。
「順風」は追い風が吹くことを意味する言葉です。
「満帆」は帆をいっぱいに張ることを意味する言葉です。
それら船を人生に例えた表現となっています。
実際に人生が順調に進んでいることを言う言葉です。
それらの点が「雨露霜雪」とは逆と言えるかもしれません。
阿轆轆地
「阿轆轆地」とは物事が躓いたり止まったりせずに進むことの例えです。
これらは詰まることなく次から次へと言葉を発することも言います。
「轆轆」は車が回転する際に出るゴロゴロという音を意味します。
「阿」と「地」は漢文の組み立てを助ける助字と呼ばれる言葉です。
要は車がクルクルと回るように停滞することがない様子を言った表現となります。
それらの点が「雨露霜雪」とは相反すると言えるでしょう。
まとめ
「雨露霜雪」は人生のありとあらゆる困難を言った言葉です。
実際に天候の中でも雨や露や霜や雪は厳しいものがあります。
それを人生に例えたのが「雨露霜雪」となるわけです。
これら「雨露霜雪」には「人生には苦労がつきもの」というニュアンスもあるため、ぜひ心に留めておきたい四字熟語の1つとも言えます。