無関係なところに影響が出るという意味で「風が吹けば桶屋が儲かる」というけれど・・・どんな理屈?

2023-08-01 21:30

「風が吹けば桶屋が儲かる」とは、まったく関係がなさそうなところに影響が出ることを表現した日本のことわざです。
しかしなぜ、風が吹くことと桶屋が儲かることが繋がるのでしょうか。

そこでここでは、「風が吹けば桶屋が儲かる」の意味や理屈について解説します。
また、似たような言葉として挙げられる「バタフライエフェクト」との違いについても解説します。

「風が吹けば桶屋が儲かる」とは

まずは「風が吹けば桶屋が儲かる」という言葉ついて見ていきましょう。

「風が吹けば桶屋が儲かる」の意味

「風が吹けば桶屋が儲かる」ということわざは、一見するとまったく関係ないように思われるところに影響が及ぶことを意味します。
日常生活ではあまり口にしませんし耳にもしない言葉ですが、小説やマンガのような書き物の世界では度々使われてきた言い回しとなります。

また、風がいくら吹いても桶屋が儲かることは実際にはそうそうありません。
そのため、現代では当てにならないことに期待する例えとしても使用されます。

「桶屋」ってなに?

そもそも桶屋というのは、何を指しているのでしょうか?

桶屋とは、桶や樽を作る職人のことを指しています。
かつては、桶結士や桶大工とも呼ばれていた職業です。

10世紀にはすでに存在したともされますが、職人として認められるようになったのは15世紀頃に入ってからだとされています。
その後、桶や樽が容器として庶民の生活必需品となってきたことを受け、17世紀頃からは製造と販売を兼ねる居職の桶屋が増えていきました。

当時、江戸をはじめとした全国の城下町などに「桶屋町」というエリアが存在していました。
現在でも地名や住所として桶屋町が残っている場所もあります。

「風が吹けば桶屋が儲かる」の理屈

では、なぜ風が吹くと桶屋が儲かるのでしょうか?
その理屈について見ていきましょう。

桶屋が儲かるようになるまでの理屈

風が吹くことと桶屋が儲かることは、一見しただけでは無関係に思えます。
しかし、この話は江戸時代の「世間学者気質」という娯楽本にその理屈がまとめられています。


1.風が吹くと、埃が立つ
2.その埃が目に入ると、失明する人が増える
3.失明した人は、三味線で生計を立てることが多い
4.三味線の胴を張るためには、猫の皮が必要になる
5.猫が狩られるので、ネズミが増えて桶が齧られる
6.その結果、桶の需要が増える
7.需要が増えた分だけ桶屋が儲かる

このような理屈から、「風が吹けば桶屋が儲かる」と言われるようになりました。

他にもある由来とされる説

「世間学者気質」にまとめられた理屈以外にも、「風が吹けば桶屋が儲かる」の由来とされる説があります。
例えば「桶」は棺桶のことで、風が吹くことで火事が起き、それによって死者が増え、棺桶の需要が増えることで棺桶を作る人が儲かるというものです。
他にも、北海道のオホーツク海沿岸では北風により流氷が漂着することや気温が氷点下となることなどから、桶が壊れてしまうから桶屋が儲かるという説もあります。

「バタフライエフェクト」とはまた違う

「風が吹けば桶屋が儲かる」と似たような言葉に「バタフライエフェクト」があるのですが、これはまた別物とされます。
ここからは「バタフライエフェクト」について見ていきましょう。

「バタフライエフェクト」とは

「バタフライエフェクト」とは、ほんの些細なことが、様々な要因を引き起こし最終的には大事になることの例えです。
気象学者のエドワード・ローレンツが、「ブラジルにいる蝶の羽ばたきは、テキサスでトルネードを引き起こしえるか」という議題で講演を開いたのが起源となっています。

このエドワード・ローレンツが気象シミュレーションをした際、1回目と2回目で若干数字を変更してしまいました。
初期値が多少違っても、結果に大きな変化をもたらすことは無いだろうと手間を惜しんだからなのですが、算出された両者の結果は大きく異なるものとなりました。
この結果を見たエドワード・ローレンツが着想を得たともいわれています。

「風が吹けば桶屋が儲かる」と「バタフライエフェクト」との違い

「バタフライエフェクト」は、ほんの些細なことが大きな変化の原因となりえることの例えです。
対して「風が吹けば桶屋が儲かる」は、物事が回り回って全く関係のなさそうなところに影響を及ぼすという例えです。

両者は、因果の対象に違いがあるのです。

まとめ

「風が吹けば桶屋が儲かる」とは、一見するとまったく関係ないように思われるところに影響が及ぶことの例えです。
実際に風が吹くことで桶屋が儲かるわけではないですが、理屈としてはうまく通っていますし、意外と物事というのはこういった偶然の連続が重なって影響を受けているものです。

「バタフライエフェクト」が類義語としてあげられることもありますが、こちらは小さな変化が、様々な要因が絡むことで大きな事象になるという例えです。
一見似ていますが、実は意味合いが異なるので注意が必要ですね。

  1. 国の運輸安全委員会が聞き取り開始 イワシ漁船が転覆2人死亡、3人行方不明 茨城・鹿島港の沖合
  2. 「諦める理由も必要もない」日本製鉄・橋本会長 「USスチール」買収計画にバイデン大統領が禁止命令で 一方、「根拠のない申し立てに強く反論」USW=全米鉄鋼労働組合
  3. 死者少なくとも53人に 中国・チベット自治区でマグニチュード6.8の地震 負傷者は62人 倒壊家屋は1000棟以上に 習国家主席 全力で捜索・救助を行うよう指示
  4. 【片岡凜】 「どんな日も『大丈夫、私は最強。』っておまじないをかけ走ります」 新年への意気込みつづる
  5. 史上初の3連覇へ 藤枝順心 5戦34得点、圧倒的な攻撃力で決勝進出!神村学園は3年ぶり4度目の頂点狙う【高校女子サッカー】
  6. 猫に『ニボシ』をあげるのって実はダメなの?気をつけるべき4つの理由
  7. 愛犬がおもちゃを離さないときの5つの心理 飼い主がしてはいけない行動から対処法まで解説
  8. 9歳で余命宣告された犬に『10歳の誕生日を祝わせて』と約束したら…『まさかの展開』に涙が止まらないと7万再生「本当に頑張った」「泣いた」
  9. 岩屋外務大臣が米ブリンケン国務長官と会談 USスチール買収計画などめぐり意見交換
  10. 触ろうとすると『攻撃的になっていた小型犬』が、1ヶ月後…信じられないほど豹変した『ビフォーアフター』が250万再生「凄すぎる」「プロ」
  1. 少なくとも36人死亡 中国・チベット自治区でマグニチュード6.8の地震 負傷者68人 倒壊家屋は1000棟以上に シガツェ市
  2. インフルエンザのピーク前倒しで「B型」早くも増加傾向に おう吐など消化器系に症状【ひるおび】
  3. 『繁殖引退犬』をお迎えした結果…当時では考えられない『4年後の光景』が泣けると22万表示「素敵すぎる」「幸せなのが伝わる」と感動の声
  4. 【マギー】 去年の誕生日に船を購入したことを明かす 「気軽に『海の上でランチしない?』と言いたい」
  5. 約4000トンのタンカー「さんわ丸」座礁 灯油など3800キロリットルを積んで 北海道函館市 恵山岬の沿岸
  6. 「大雪」に大喜び ジャイアントパンダのバオリーとチンバオ 雪の中に飛び込んだり転がったり アメリカ・ワシントンの国立動物園
  7. 「根拠のない申し立てに強く反論」日本製鉄とUSスチールから提訴されたUSW=全米鉄鋼労働組合のマッコール委員長
  8. 【舌肥旅行記】星野リゾートシリーズ『界 奥飛騨』
  9. 【つるの剛士】長女・うたさんの19歳を報告「来年成人式だ」「子どもは社会からの預かりもの」エールを送る
  10. 死者少なくとも53人に 中国・チベット自治区でマグニチュード6.8の地震 負傷者は62人 倒壊家屋は1000棟以上に 習国家主席 全力で捜索・救助を行うよう指示
  11. 史上初の3連覇へ 藤枝順心 5戦34得点、圧倒的な攻撃力で決勝進出!神村学園は3年ぶり4度目の頂点狙う【高校女子サッカー】
  12. 「親族から父を殺したという連絡があった」高齢男性が死亡 息子(55)を殺人の疑いで逮捕 大分・豊後大野市
×