込み入った様をあらわす「紆余曲折」。
この言葉には、「紆余」という珍しい語句が含まれています。
ここでは、「紆余曲折」がなぜ込み入ったさまをあらわすのかその意味や、成り立ち、類義語について見ていきましょう。
「紆余曲折」とは
ここでは、「紆余曲折」の意味や用い方について見ていきましょう。
「紆余曲折」の意味
紆余曲折は、事情が込み入っていることや解決に手間取っている状況を意味します。
ことの成り行きが様々な事情から込み入って変化していく様子をあらわすこともあります。
紆余曲折の用い方・例文
紆余曲折は、結果が出た後に用いる事が多いです。
ことの経過の間に様々な問題があったという事を仄めかす形となることもあります。
・彼は紆余曲折の末、彼女とついに結ばれた
・ここに至るまでは、紆余曲折があった
この例文では、どちらも現在に足るまでに『いろいろあった』ということを「紆余曲折」を用いて表現しています。
紆余曲折の「紆余」とはなんのこと?
「紆余曲折」には、込み入った事情という熟語としての用い方だけでなく、曲がりくねっている様という状態をあらわす言葉としての意味もあります。
どちらも、「紆余」と「曲折」のそれぞれの意味に準じた言葉となっていますよ。
「紆余」のあらわすもの
紆余は、基本的に「紆余曲折」の形でしか見ない言葉でしょう。
その意味は、うねり曲がっていることです。
「紆」単独でも、曲がることや曲げる事を意味します。
「曲折」の指すもの
曲折とは、曲がりくねっていること意味します。
「紆余」も「曲折」も曲がっていることを意味する語句ということになります。
「紆余曲折」類義語
込み入った事情のことを意味する「紆余曲折」の類義語としては、「盤根錯節」「複雑多岐」などがあげられます。
それぞれどのような言葉となるのかを見ていきましょう。
盤根錯節
「盤根錯節」とは、物事が複雑に絡み合っており、解決が用意ではないことを意味します。
「盤根」は木の根が曲がりくねっている様子を、「錯節」が木の節が入り組んでいる様子をそれぞれあらわしています。
「盤根錯節に遇いて利器を知る」という本来の言葉から冒頭の一部だけを抜粋したものです。
この言葉は、切るのが大変な木を前にして初めて道具の真価を問うことができるという意味です。
複雑多岐
「複雑多岐」は、事情が入り組んでいる上に、多方面に分かれているため状況が分かりにくくなっていることを意味します。
多岐とは道筋がいくつも分かれている事をあらわしています。
まとめ
「紆余曲折」は、事情が込み入っていることや解決に手間取っている状況をあらわす言葉です。
「紆余」も「曲折」も、曲がっている様子をあらわす語句です。
似たような意味の言葉を重ねた強調表現と言えます。
ここに至るまで、色々大変なことがあったというニュアンスを含ませる事ができます。
類義語としては、「盤根錯節」「複雑多岐」などがあげられます。
関連記事はこちら
「暗中模索」とはどんな意味の言葉?その由来や類義語は?
「朝令暮改」とはどんなことば?悪い意味?それとも実はいい意味の言葉?
「舌先三寸」とはどんな意味?「三寸」とはどのくらいの長さ?