![「ゴジラ-1.0」「君たちはどう生きるか」米アカデミー賞日本作品がW受賞 “ゴジラ”作ったのは少数精鋭35人の職人【news23】](/assets/out/images/jnn/1047979.jpg)
アメリカのアカデミー賞で山崎貴監督の「ゴジラ-1.0」がアジア作品で初となる視覚効果賞を受賞し、宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」が長編アニメ映画賞に選ばれました。「ゴジラ」を作ったのは、わずか35人の”少数精鋭”の職人たちでした。
米アカデミー賞W受賞!「ゴジラ-1.0」「君たちはどう生きるか」
11日夜、新宿の「特撮カフェバーぷらんたん」カフェバーには、ゴジラ好きが集まっていました。
常連客
「ついにゴジラがやってくれた!という感じで。ゴジラは日本の誇りですね」
常連客
父「(ゴジラ作品は)全部見ています。見させています(笑)」
娘「鳴き声が好き」
「ゴジラ」が誕生したのは1954年のこと。水爆実験によって眠りから覚めました。
それから70年…。
山崎貴監督の「ゴジラ-1.0」がアカデミー視覚効果賞を受賞しました。
「ゴジラ-1.0」は、戦後の日本に突如、ゴジラが現れるストーリーで、VFX=視覚効果を駆使しました。
山崎貴監督
「この場所から遠く離れたところでVFX(視覚効果)を志している皆さん、ハリウッドは見ています。誰でも挑戦する権利があることを証明できたと思います」
「ゴジラ」をつくったのは“35人”少数精鋭の職人
ハリウッドでは、数百から1000人規模のクリエイターで作業するというVFX。
山崎監督が所属する映像制作会社・白組では…
Q.ゴジラを作った方々は何人くらいいるんですか?
山崎監督「35人なんですよ」
小さな船をゴジラに見立てて撮影された映像に…
白組・コンポジター 野島達司さん(25)
「ゴジラがどんな泳ぎ方するのかという波のシミュレーションがこれ。ひとつひとつの粒があるんですけど、全ての点をどっちに進むのか計算するのをコンピューターにやらせている」
「これはCGだけの状態。これをさらに合成して…上に重ねる」
世界が認めた日本のVFX。
山崎監督がゴジラに込めたメッセージとは。
山崎監督
「初代ゴジラにあった”核の脅威”や”戦争のメタファー”であることをちょっと忘れかけていたところがあると思った。そこには今のご時世の問題もあるから戻したいなと思った。『核兵器がゴジラという姿になって上陸してきた』という感じを出したかったので、やっぱり(ゴジラが)熱線を吐くところは『核のイメージをどれだけ盛り込めるか』が自分の中で大きなテーマだった」
山崎監督「オッペンハイマー」に「アンサー映画を」
また、アカデミー賞を席巻したのがクリストファー・ノーラン監督の「オッペンハイマー」。原爆を開発した物理学者の半生を描いた映画です。
同じく戦争や核兵器を題材とした作品に、山崎監督は…
山崎監督
「作っているときは全くそういうことは意図されていなかったと思うが(2つの作品が)出来上がったときに世の中が緊張状態になっているというのはすごく運命的なものを感じます。僕の個人的な思いとしては、本当にアンサーの映画を日本人として作らなきゃいけないんじゃないかと感じる」
「君たちはどう生きるか」も快挙 長編アニメ映画賞
日本作品の受賞は、もう1つ。
鈴木敏夫プロデューサー
「鈴木です。 (アカデミー賞を)受賞しましたので」
宮崎駿監督(電話口)
「はい、みんな騒いでいます」
「長編アニメ映画賞」を受賞した宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」。
戦争で母親を亡くした少年が、疎開先で不思議な世界に迷い込む物語です。
鈴木敏夫プロデューサー
「なぜこの題材でこういう作品を作るのか。要するに“時代性”ということですよね。僕は映画の基本は『何で今のこの時代にこの作品が必要なのか』ちゃんと考えるところが大きいような気がしている。今回もそれをやってのけたんだと思う」
※宮崎駿監督(「崎」=旧字体の「たつさき」)