![「タンスの下から布団ごと引っ張り出す」身近な人を助けるために…疑似体験で防災を学ぶ【ひるおび】](/assets/out/images/jnn/1050471.jpg)
東日本大震災の発生から13年。災害への備えについて考えます。
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疑似体験で学ぶ「地震」
災害の疑似体験ができる東京・墨田区の「本所防災館」。3月25日、一部体験コーナーがリニューアルオープンします。
どんなことが体験できるのか、オープン前に取材しました。
まず案内されたのは、大きな地震後を再現した部屋。
キッチンでは大きな家具が倒れ、食器や炊飯器などが散らばり床がほとんど見えない状況です。
東京消防庁防災部防災安全課 篠原和樹消防士長
「この中を歩くことを想像していただくと、足をガラスなどで切る危険があるのが想像できると思います。」
【寝室】では、布団で寝ている人の上にタンスが倒れている状況を人形で再現。
東京消防庁防災部防災安全課 篠原和樹消防士長
「ご自身の家族が寝室で挟まって動けないような状態では、助けに行くということも考えられますが、余震など新しい地震が発生する可能性もあります。そういうときにはすぐに建物の中から避難することも頭の中に入れておいていただく必要があると思います。」
この展示で、危険な箇所や、2次災害の防止に繋がるポイントを確認できます。
またこの状態のまま余震が起きるとどうなるのか、実際に部屋が揺れる様子も見ることができます。
小林由未子アナウンサー
「怖い。あんなに揺れていたら転んでケガをしそうですね。」
重い物からの救出を体験
身近な人が重い物の下敷きになってしまった場合、助けるためにはどうすればいいのでしょうか?
約80キロのタンスの下から人形を救出するという体験を2人組で行ないます。
まずひるおびの男性スタッフがタンスをもち上げてみますが、短時間上げるのがやっと。下敷きになった人形を救出する間、キープし続けることはできません。
しかし、テコの原理を利用すれば、ポールなどで楽に持ち上げられるといいます。空いた隙間を確保するために、もう一人が角材や分厚い本をはさみます。
その後、重さ約40キロの人形を引っ張り出そうとしますがなかなか引き出せません。
東京消防庁防災部防災安全課 篠原和樹消防士長
「意識のない方は、想像しているよりも、ものすごく重さを感じると思います。このように下に布団などがある場合は、布団ごと救出してしまうのも方法の一つです。」
2人がかりで布団を引っ張り、何とか救出することができました。
小林アナウンサー
「これ、1人じゃちょっと無理ですね」
東京消防庁防災部防災安全課 篠原和樹消防士長
「1人で大人の方を運ぶのはなかなか難しいと思いますので、大人数で救助・救出にあたっていただければと思います。」
小林アナウンサー
「やはり近所のつながりや関係性が大事ですね。」
また、救出後の搬送手段として、物干し竿と毛布をつかった担架の作り方なども教わることができます。
都市ガスのニオイを体験
ガス漏れ時に備え、「都市ガスのニオイ体験」もできます。
IHが進み、特に若い世代ではガスのニオイを知らない人も多くなっています。どういうニオイがすると危険なのか、再現したガスのニオイを嗅ぐことができます。
他にも
▼助けを求める声の聞こえ方
▼避難する際にガスの元栓を締める・ブレーカーを落とすことの重要性
なども学べます。
コメンテーター 大迫あゆみ:
アメリカに住んでいたときに、アメリカのサイエンスミュージアムに行ったら日本の3.11の揺れを経験するというブースがあって、アメリカ人の方が興味を持ってやっていました。
私達も映像で見ると冷静に見られますけど、やっぱりいざ地震が起こるとパニックでどう助けていいか分からなくなると思うので、何度も繰り返し見て勉強しておかないといけないと思いました。
弁護士 八代英輝:
関西に住んでいるときに、(施設などで)地震体験をする機会は何度かありましたけれど、本当の地震じゃないとわかっていてもかなり動揺しますし、揺れていること自体、非常に恐怖を感じました。
いざというときに動けるかどうか、特に人を助けられるかどうかは、その場に至って「初めて」だとなかなか難しいなと感じましたね。
被害を最小限に抑えるために
他にも様々なコーナーがあります。【家具転倒体験】
・ベッドの真横にタンスを配置すると危険
・ドアの近くに大きい家具があって倒れると出入口を塞いでしまうため危険
などをミニチュアを使って確認することができます。
【対策器具体験】
天井と家具の間に設置する「耐震用ポール」は、天井の柱に沿って取り付ける事で強度が上がります。
天井内部の柱の位置を確認できる器具や、天井とポールの間に木の板などを挟むなどの方法を紹介しています。
「本所防災館」は入館料無料。新しいエリアは3月25日にオープンします。
体験によって予約が必要なものもありますのでご確認ください。
篠原和樹消防士長は、
「消防隊は火災や救助に全力で向かいますが、手の数に限界がある。
まずは自分の命を守る、自分の体を守る。万が一救助者が出てしまった場合にその方を助けていただく知識や技術を学んでもらう。それがこの施設の大きな目的」
と話しています。
恵俊彰:
どこにタンスを置くとか、そういうことも勉強になりそうですね。
コメンテーター 井上咲楽:
本当にいつ来るかわからないことに対して備えないといけないなと思いました。
私は栃木にいたときに3.11を体験したんですけれど、揺れたことに対してびっくりしちゃって何にもできなかったんですよ。1回体で覚えたりとか、頭が冷静なときに情報を入れておくというのはすごく重要なことだと思いました。
(ひるおび 2024年3月11日放送より)