フィギュアスケートの全日本ジュニア合宿が27日、大阪府泉佐野市の関空アイスアリーナで公開された。
今月6日のシニア合宿に引き続き、今回の合宿も有観客で開催。昨季世界ジュニアやユース五輪など出場したジュニアクラスの全大会で優勝した島田麻央(15、木下グループ)や、昨季世界ジュニア3位やシニアの全日本でも4位になるなど躍進目覚ましい上薗恋奈(14、LYSインカラミ)、今季「ジュニアの試合で全部勝つ」と宣言した中田璃士(15、TOKIOインカラミ)など、日本フィギュアの次世代を担う選手が参加した。なお、島田、上薗、中田は6日のシニア合宿にも参加。
選手たちは3つのグループに分かれ陸上トレーニングと氷上での曲かけ練習(60分間)をそれぞれ行なった。
陸上のトレーニングは、ストレッチや体幹トレーニングを行い、正しい身体の使い方や良い姿勢を意識することで表情のパフォーマンス向上に繋げるというもの。各種目が終わるごとにその場で回転ジャンプをして確かめ、各々意識した点や気づいた点などをシートに記入した。
今回の合宿には講師として2010年のバンクーバー五輪でフィギュアスケート日本勢男子初の銅メダルに輝いた高橋大輔氏(38)を招聘。
氷上の曲かけ練習では、選手一人一人にフリーレッグ(氷に乗っていない方の足)の使い方などを丁寧に伝授した。日本スケート界のレジェンドによる指導を受けた選手たちは、軒並み「今まで意識したことなかった身体の部分を使った」とステップアップに目を輝かせていた。
最後の全体練習では、高橋氏による「地味な練習」が60分間みっちりと行われた。「プッシュ」や「クロスロール」と言ったスケートにおける基礎の動きの中で、前傾姿勢にならない、フリーレッグを上げるなど身体の細部にまでこだわった指導に、選手たちの顔からは次第に笑顔が消えていった。さらに高橋氏は呼吸を使うことでスケーティングに「シャープさ」や「柔らかさ」を生むことができると、まさに世界を魅了したスケーターならではの技術を伝授した。
また島田麻央の囲みでは、パリ五輪の卓球女子日本代表・張本美和(16)の話題に。島田と張本は同じ木下グループ所属で、昨年末には対談イベントも行った。島田は「卓球は詳しくないけれど、自分のベストの演技をして笑顔で終えてほしい」と同学年のオリンピアンへ島田なりのエールを送った。
ジュニア合宿は7月25日から28日まで行われる。