愛猫に顔を近づけたときに「くさい!」と感じたことはありませんか。猫の口臭は、口腔トラブルをはじめ、内臓疾患が関わっている場合もあります。愛猫の体の異常を早期に発見するためにも、口臭がきつくなる原因を知っておきましょう。
1.歯のケアが不十分
猫の口臭がきつくなるもっとも多い理由は、歯のケアが不十分であることです。猫も人間と同じく口腔内のケアが必要であり、定期的なメンテナンスを怠ると歯垢や歯石が蓄積し、口臭の原因となってしまいます。
また歯のケアが不十分だと、歯肉の炎症や口内の他の病気へつながる可能性もあります。
猫は口の中を触られるのを嫌がるため、歯磨きするのが難しいかもしれません。ですが歯磨きさせてくれないからといって諦めてしまうと、より大きな健康被害を引き起こす可能性も考えられます。
毎日または2〜3日に1度程度の歯磨きが理想ですが、難しい場合は歯磨きガムやデンタルケア用のおもちゃを与えるなどして、愛猫の歯のケアができるように工夫しましょう。
2.歯周病
歯周病も口臭がきつくなる原因のひとつです。歯周病は、歯肉の炎症を指す「歯肉炎」と、歯を支える骨や組織にまで炎症が広がった「歯周炎」の総称で、3歳以上の猫の80%以上が患っている病気と言われています。
歯肉炎の段階で適切な治療を行っていれば改善する可能性は高いですが、そのまま放置すると歯やあごの骨を失うことにもなりかねません。
また歯周病菌が血流を通じて、心臓や腎臓、肝臓などにも悪影響を与える危険性もあります。もし愛猫の口から生ゴミが腐ったような強いにおいがした場合は、早めに獣医師に相談するようにしましょう。
3.口の中の腫瘍
口の中の腫瘍が原因で口臭がすることがあります。腫瘍とはいわゆる「がん」であり、扁平上皮癌や線維肉腫、メラノーマなど、悪性のものが多いです。
これらの悪性の腫瘍は、口臭の他にも、唾液の過剰分泌や口からの出血などを引き起こします。また激しい痛みをともなうこともあるため、口の中の腫瘍が疑われる場合は、すぐに獣医師の診察を受けてください。
また、もし良性の腫瘍であっても、猫に不快感を与えたり、ごはんが食べにくくなるといった影響は避けられないため、愛猫の口の中に異変を感じたら速やかに動物病院を受診することが大切です。
4.糖尿病
猫の口から甘酸っぱいにおいがする場合は糖尿病の可能性があります。糖尿病は、体が十分なインスリンを生成しない、もしくは生成したインスリンが正常に働かない状態であり、血糖値が異常に高くなるのが特徴です。
また糖尿病の猫は、甘酸っぱい口臭だけでなく、尿も同様のにおいがします。多飲多尿や体重減少、活動量の低下、毛並みの悪化なども見られるため、愛猫の口臭や尿臭、日々の行動に変化が見られたらすぐに動物病院を受診するようにしましょう。
5.腎臓病
猫の口からアンモニア臭がする場合は腎臓病の可能性があります。腎臓病は、腎機能が低下したことで老廃物を尿として排出できなくなる病気です。
この病気にかかると、老廃物が血液中に溜まったままになり、尿毒症を起こし口からアンモニア臭がするようになります。
腎臓病(特に慢性腎臓病)は、一度かかってしまうと完治することはなく、食事療法や薬物療法などによって病気の進行を遅らせる治療が行われるのが一般的です。
口臭や多飲多尿、尿の色が薄くにおいがしないといった症状が見られた時には、すでに病気がかなり進行している場合もあります。愛猫に異変を感じたらすぐに獣医師の診察を受けるようにしてください。
まとめ
通常、健康な猫には口臭がほとんどないのが一般的です。もし愛猫から強い口臭がするようなら、歯のお手入れ不足や歯周病といった口腔内のトラブルを抱えているかもしれません。また糖尿病や腎臓病などの病気にかかっている可能性もあります。
症状が出る頃には病気がかなり進行している場合もあるので、愛猫の口臭が気になったり、いつもと違う行動をとったりする場合は、迷わず動物病院を受診してください。
定期的な健康チェックと適切な口腔ケアで、愛猫の健康を守ってあげましょう。
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