石川真佑 「しっかり勝ちに行く」世界の“高さ”に対して学んだ“攻撃の幅”で急成長の次世代エースがパリ五輪切符を目指す

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-05-07 21:26
石川真佑 「しっかり勝ちに行く」世界の“高さ”に対して学んだ“攻撃の幅”で急成長の次世代エースがパリ五輪切符を目指す

バレーボールの女子日本代表がネーションズリーグ(5月16日~トルコ、マカオ、日本)を前にアメリカで合宿(現地7日まで)を行っている。東京五輪金メダルのアメリカ代表と練習試合を行う等、チームスローガンである<ONE TEAM ONE DREAM>へチームを最終進化させる。

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キャプテン古賀 紗理那(27)も「対海外をすごく意識できるので (点の)決め方や勝ち方を見つける、とてもいい機会」とチームとしての成長を意識する。

「五輪本大会よりも五輪出場権を獲得する方がはるかにプレッシャー」

女子日本代表はパリ五輪の出場権を獲得しておらず、五輪出場にはネーションズリーグの結果が重要となる。現時点では、開催国のフランスのほか、ドミニカ共和国、セルビア、トルコ、ブラジル、アメリカ、ポーランドが出場を決めていて、残りの5枠はネーションズリーグ女子予選ラウンド終了時の世界ランキングによって決定する。世界ランキングが<アジアの最上位※アジア勢、アフリカ勢で必ず1チーム出場>か<出場権未獲得の国の上位3番手以内>でパリ五輪の出場権を与えられる。6月12日からの予選ラウンド最終週は福岡・北九州で開催される。

去年のパリオリンピック予選で出場枠獲得(上位2か国に入れず3位)を逃した女子日本代表は次なる舞台へ指揮官の眞鍋政義(60)は「五輪本大会よりも五輪出場権を獲得する方がはるかにプレッシャー。自分たちを信じてプレーするしかない。」と厳しい戦いを想定する。

セリエA経験で石川真佑が一目を置かれる存在に

高さと技術を兼ね備えた最強チーム・アメリカとの練習試合を通して、注目されている次世代エースが石川真佑である。東京五輪でMVPに輝いたアメリカ代表のジョーダン・ラーソン(37)も「彼女は素晴らしい選手で高いポテンシャルを持っている」と一目を置く。

石川を成長させたのは25年ぶりに予選敗退となった2021年の東京五輪だった。最後に勝ちきれなかった悔しい経験が海外挑戦を意識させるきっかけとなり、海外のトップ選手が集う最高峰のリーグ、イタリア・セリエAが一番成長できる場だと感じ、去年10月より新天地イル・ビゾンテ・フィレンツェに移籍した。

イタリアでは男子日本代表キャプテンで兄の石川祐希(28)もここまで9シーズンを戦っていて、近くに家族がいるのも心強かった。確かな成長を自身も感じていた。

石川真佑:
(攻撃の)選択肢を増やそうっていうのは意識して取り組んでいて、イタリアに来てから日本にいる時よりもその選択肢は増えてるところはあります。

世界の“高さ”に対して学んだ“攻撃の幅”

身長174cmとアタッカーとしては小柄な石川。この合宿では高さがある2枚ブロックに対して指先を狙ったブロックアウトや強打を警戒する相手に対してフェイント等、イタリアで培った攻撃の選択肢、世界の“高さ”に対して学んだ“攻撃の幅”が、この合宿でも身を結んでいる。

石川:
ブロックに対しての打ち方や点数の取り方はイタリアでも意識していたので、そこがすごい生かせているなと思っています。

世界を知り、一回り成長した日本の次世代エースがパリ五輪への切符をかけ、ネーションズリーグへ挑む。

石川:
負けられない試合なので、しっかり勝ちに行く、結果にこだわるという気持ちを持って初戦(16日vsトルコ戦)にいいスタートを切って、勝てるようにやっていきたいと思います。

石川真佑(いしかわ・まゆ)

2000年5月14日生まれ、愛知県岡崎市出身 身長174㎝ アウトサイドヒッター
​下北沢成徳高校では全国大会優勝に貢献し、高校卒業後に東レアローズに入団。入団初年度に最優秀新人賞を受賞した。2022-23シーズンでは、最多得点の日本記録を更新し、Vリーグ日本記録賞を受賞。2019年から日本代表に選出され、2021年東京五輪出場。2023年からは日本人女子最年少でのイタリアリーグ挑戦となるイタリア1部リーグ セリエAのイル・ビゾンテ・フィレンツェへ移籍。背番号は下北沢成徳高時代や日本代表と同じ「4」を自ら選んだ。兄は男子バレーボール日本代表キャプテンの石川祐希(28)。

【ネーションズリーグ 日程】

第1週 トルコ・アンタルヤ
■5月16日(木)午前2時00分
日本×トルコ
■5月16日(木)午後11時00分
日本×ブルガリア
■5月17日(金)午後8時00分
日本×ドイツ
■5月19日(日)午後11時00分
日本×ポーランド

第2週 マカオ
■5月28日(火)午後8時30分
日本×ブラジル
■5月30日(木)午後5時00分
日本×フランス
■5月31日(金)午後8時30分
日本×中国
■6月1日(土)午後5時00分
日本×ドミニカ共和国

第3週 西日本総合展示場(福岡・北九州市)
■6月12日(水)午後7時20分
日本×韓国
■6月13日(木)午後7時20分
日本×カナダ
■6月15日(土)午後7時20分
日本×セルビア
■6月16日(日)午後6時45分
日本×アメリカ

女子のファイナルラウンドは6月20日~23日 タイ・バンコクで開催される