ハンドボールのプレーオフ決勝で“ほっこり珍事” 試合後両チームが入り混じり引退選手ら胴上げ「リスペクトしているからこそ自然と始まった」

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-05-27 17:00
ハンドボールのプレーオフ決勝で“ほっこり珍事” 試合後両チームが入り混じり引退選手ら胴上げ「リスペクトしているからこそ自然と始まった」

ハンドボールリーグのプレーオフ決勝が26日、東京・調布市の武蔵の森総合スポーツプラザで行われ、女子は北國銀行(石川)が10季連続11回目の優勝、男子は豊田合成(愛知)が4季連続4回目の優勝を果たした。その男子決勝後には両チームが入り混じり引退選手らを胴上げ。このほっこりした出来事に会場は感動に包まれた。

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日本ハンドボールリーグのレギュラーシーズン上位4チームで争い、日本一を決めるプレーオフ。女子決勝は日本リーグ9連覇中の絶対女王・北國銀行(レギュラーシーズン1位)と過去17回の優勝を誇る古豪・オムロン(熊本、同3位)の対戦となった。北國銀行は韓国出身で180cmの大型左腕、ジョン・ジイン(23、オムロン)の強烈なミドルシュートに苦しめられる場面はあったものの、来季からドイツへ移籍する日本代表の中山佳穂(25、北國銀行)と相澤菜月(25)コンビの得点などで終始相手を圧倒し、28‐18で10季連続11回目の優勝を果たした。

男子決勝は4年連続で豊田合成(愛知、同1位)とトヨタ車体(愛知、同2位)の対戦。試合は一進一退の攻防となった。豊田合成は身長195cmの趙 顯章(チャオ シンチャン、32)とキューバ出身・身長197cmのヨアン バラスケス(28)の圧倒的な高さを活かしたロングシュートで得点を積み重ねていく。対するトヨタ車体は日本代表でエースポジションを務める吉野樹(トヨタ車体、29)が両チーム最多の8得点を挙げるなどして応戦した。しかし試合終盤、日本代表のエースキーパー中村匠(27、豊田合成)のスーパーセーブ連発で、豊田合成が大接戦のゲームを29‐28で制し、4季連続4回目の優勝を果たした。

その男子決勝後、進行上はそのまま表彰式セレモニーに入る流れだったが、両チームの選手がおもむろにコートの中央に集合。赤と青のユニフォームが入り混じった大きな輪を作り、今季限りで引退する選手や海外リーグに挑戦する選手を一人ずつ胴上げし始めた。試合中は闘志がぶつかり合うとても激しいゲームだっただけに、選手たちの粋な計らいは両チームのファンの笑顔と涙を誘った。
両者は過去4年ともプレーオフ決勝で顔を合わせ、豊田合成が4試合いずれも勝ちを収めているが、その全てが4点差以内という僅差の試合。まさに互いに認め合う正真正銘のライバルだ。豊田合成のキャプテン古屋悠生(27)はこの胴上げを「お互いをライバル視しながらリスペクトしているからこそ自然に起きた」と説明し、「これがスポーツの醍醐味。ラグビーではないが終わったらノーサイドという気持ちだった」と締めくくった。

最高殊勲選手賞には、女子は北國銀行の中山佳穂。男子は豊田合成ゴールキーパーの中村匠が選ばれた。

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