アメリカのバイデン大統領はメキシコ国境からの不法移民の流入を抑えるため、事実上の国境封鎖を可能にする大統領令に署名しました。
【動画】メキシコ国境の事実上封鎖を可能に バイデン政権 不法移民対策で大統領令 トランプ氏の批判かわす狙いも
アメリカ バイデン大統領
「不法に南部国境を越える移民の亡命申請を制限する措置を発表します」
アメリカのバイデン大統領は4日、南部のメキシコ国境を事実上、封鎖することを可能にする大統領令に署名しました。
1週間の不法移民の数が1日平均で2500人を超えた場合、亡命申請を受理せず入国を許可しないという内容で、1日の平均が1500人を下回れば亡命申請の受理を再開します。
アメリカメディアによりますと、最近の不法移民の数は1日平均で3500人を超えているということで、事実上の国境封鎖が始まる見通しです。
バイデン政権の下で不法移民の数は過去最多を記録し世論の批判も高まっていて、11月の大統領選を控えトランプ前大統領にとって格好の攻撃材料になっています。バイデン氏としては国境管理の厳格化でトランプ氏の批判をかわしたい考えです。
ただ、この大統領令は連邦法に違反するとも指摘されていて、すでに人権団体が訴訟を起こすと表明しています。
また、バイデン氏は「子どもを家族と引き離すようなことはしない」としてトランプ政権当時の国境政策との違いを強調しましたが、寛容な国境管理を主張する民主党内の左派から批判の声もあがっています。