働く犬と聞くと、みなさんはどんな犬を思い浮かべますか。警察犬や盲導犬を思い浮かべる人は特に多いと思います。今回は、あまり知られていない「犬種ごとの仕事・役割」について解説します。
あまり知られていない「犬種ごとの仕事・役割」
人間の生活にすばらしく溶け込んでいる犬ですが、ただペットとして可愛がられるだけではなく、人間のサポート役としてしっかり仕事をしている犬もいますよね。
警察犬や盲導犬、最近では麻薬探知犬や災害救助犬など、さまざまな仕事や役割を持つ犬の存在を目にしているのではないでしょうか。
そこで今回は、あまり知られていない「犬種ごとの仕事・役割」について解説します。新しい発見があるかもしれませんよ。
1.ゴールデンレトリーバー:セラピー犬
ゴールデンレトリーバーは、人間と遊ぶのが好きで訓練もしやすく、見た目も優しいことからセラピー犬によく使われています。
「セラピー犬」とは、病院や福祉施設を訪問し、患者とふれあう犬です。高齢者や子どもが心理的に癒され、痛みが和らぐこともあります。
遊ぶだけならどの犬にもできると思われがちです。しかし吠えない、飛びつかない、大きな医療器具にも驚かないなどセラピー犬になるにはたくさんの条件をクリアしなければいけません。
2.ラブラドールレトリーバー:ガン探知犬
「ガン探知犬」とは人間の吐いた息や尿のニオイを嗅いで癌があるかどうかを調べる犬です。
日本のガン探知犬育成センターで最初に訓練されたのは、ラブラドールレトリーバーでした。天才的な嗅覚を持つ「マリーン」が引退後、血縁関係のあるラブラドールレトリーバーが活躍しています。
ガン探知には、嗅覚の他に集中力と人間との信頼関係が必要とされます。ラブラドールレトリーバーは人間が好きで警察犬や盲導犬、介助犬など様々な職業に向いた優秀な犬種です。
3.柴犬:災害救助犬
「災害救助犬」とは、地震や台風などの災害時にがれきの中から被災者を見つける犬です。シェパードやレトリーバーなどの大型犬が多いですが、実は柴犬も活躍しています。
柴犬は古くから番犬や猟犬として人間と暮らしてきました。体型は山道を走れる筋肉質で、体力もあります。また小柄なので狭い場所に入れるというメリットがあります。
勇敢で主人に忠実な性格から、災害救助には向いています。実は災害救助犬には犬種の規定がなく、日本犬の雑種も活躍しています。
日本犬の「夢之丞」は、殺処分寸前だったところを保護され、災害救助犬として活躍した犬で有名です。元保護犬や小型の災害救助犬は今後も増えていくでしょう。
4.ビーグル:ヒアリ探知犬、検疫探知犬
「ヒアリ」とは、南アメリカ原産の強い毒を持つアリで、近年海外の船や飛行機に紛れ込んで日本でも見られるようになりました。
アリは繁殖力が強く、根絶するには定着した巣を駆除しなければいけません。「ヒアリ探知犬」は、アリの巣を探し当てる犬です。
ビーグルはイギリスで野ウサギを探す猟犬として働いていました。嗅覚が鋭く、獲物を追いかけるのが得意なのでヒアリ探知犬によく使われています。
また「検疫探知犬」とは、空港や海港で荷物のニオイを嗅ぎ、特定の植物・果物・肉製品などを見つける犬です。これらは感染症を防ぐために日本へ持ち込む際に検疫が必要となっています。
検疫探知犬はスーツケース等の荷物が閉じられた状態で対象物を探すので、非常に優れた嗅覚が必要とされます。
空港で働く犬にはシェパードやレトリーバーが多く使われますが、最近ではビーグルがよく使われるようになっています。
嗅覚が優れている以外に乗客の目に触れることもあり、見た目がかわいくて怖がられないというのが理由です。
5.スタンダードプードル:警察犬
日本では「プードル」と聞くと、小さい「トイプードル」をイメージする人が多いですよね。しかし、本来は大型の「スタンダードプードル」を改良してあのトイプードルがうまれたのです。
プードルはレトリーバーと同じく、水中から獲物を回収する鳥猟犬であり、人間と働くのが好きな犬です。
警察犬にはシェパードやレトリーバーが多いですが、スタンダードプードルも同じくらい訓練しやすい犬種とされています。最近では警察犬に使われるようになりました。
まとめ
今回紹介した「犬種ごとの仕事・役割」の中に、ご存じの働く犬はいましたでしょうか。
これから更にたくさんの犬種がさまざまな仕事や役割のために訓練されていくことでしょう。
犬は大昔から人間と共に働いて生きてきましたので、これからも良きパートナーとしてお互い支え合いながら仲良くつきあっていきたいですね。
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