2日、日経平均株価が2200円以上下がる歴史的な暴落となりました。更に夜になって、円相場が1ドル=146円台をつけるなど市場が大きく動きました。NISAで投資をしている人からは不安の声も。また、アメリカでは景気を占う雇用統計が発表され、市場では今回の結果は景気後退局面に入ったことを示すシグナルだと受け止められています。
【写真を見る】「日本の歴史に残る急落」日経平均2200円超の暴落にNISAで投資する人は? 今後の株価はどうなる?背景にアメリカ経済への不安感【news23】
日経平均2216円安 史上2番目の下げ幅 NISA初心者に不安
売り注文の電話が朝から証券会社に殺到しました。
証券会社社員
「株も大雨ですよ、今日は。2000円安の瞬間もありましたからね」
1日のアメリカの株価の大幅下落を受け、東京市場は全面安の展開になりました。
証券会社社員
「こんな時に売ったら本当にもったいないですよ」
前日からの下げ幅は2216円。専門家も驚きを隠せません。
岩井コスモ証券投資調査部 林卓郎副部長
「日本の歴史に残るような急落。かなり行き過ぎと言ってもいい急落」
歴史的な株の暴落といえば、1987年にコンピューターの自動売買システムが引き起こした世紀の大暴落“ブラックマンデー”。
今回の暴落はブラックマンデーの翌日に次ぐ歴代2位の下げ幅です。なぜ暴落が起きたのでしょうか?
23ジャーナリスト 片山薫 記者
「アメリカが景気後退するのではという懸念が高まったことと、日本の利上げによる円高。この二つがショックになりパニック売りが起きました」
貯蓄から投資へ―
今年1月から新NISAが始まり、先月、日経平均株価は史上最高値の4万2224円を記録していました。
しかし、今回の暴落。NISAで投資をしている人は…
NISAで投資 会社役員(52)
「投資は新NISA。これだけ急に下がったりすると、うーんと考えます。続けていいのかなとか、いろいろ思います」
NISAで投資 会社員(24)
「NISAをやっています。下がっても上がったりすることも多いので。長い目で見ているので、あまり何も感じなかったです」
投資していない 会社員(36)
「始めてなくてよかったなと。今下がり切っているので、今始めたらもしかしたら…と思います」
今後、日本の株価はどうなるのでしょうか?
23ジャーナリスト 片山薫 記者
「専門家からも、日経平均が3万5000円を割れる可能性があるという声が聞こえてきました。ポイントはアメリカの景気後退が本当に起きるかどうか。それにかかっていると思います」
米失業率 市場予想上回る 米株下落 1ドル146円台に
ワシントン支局 涌井文晶 記者:
アメリカ経済を見る上で重要な指標、7月の雇用統計が日本時間の2日午後9時半に発表されました。週明けの日本の市場にも大きく影響する指標となります。
雇用統計では1か月間に新たに雇われた人の人数の他、失業率などが発表されています。今回は特に失業率が注目されていたのですが、市場の事前の予想で7月は4.1%と見られていたところ、それより悪い4.3%という結果になりました。
市場では、この失業率の悪化が“アメリカが景気後退局面に入ったことを示すシグナルだ”と受け止められています。
上村彩子キャスター:
雇用統計が想像以上に悪化していたということですが、アメリカの経済は今どうなっているのでしょうか。
涌井文晶 記者:
これまでアメリカでは景気後退に入らないで緩やかに減速するだけで再び回復局面に入っていく、“景気の軟着陸”が実現するという楽観的な見通しが広がっていました。
ただ、この“軟着陸”は、なかなか歴史的にも実現した例がなく、足元で弱い経済指標がいくつか出てきたという中で、やはり“軟着陸”が実現するのは難しいのではないかという見方が強まっているというのが現状です。
ですので2008年のリーマン・ショックの後のような深刻な景気後退が予想されているというような状況ではありません。ただ、今後も雇用や消費などで、経済の弱さを示すような指標が出てくるのか注視していく必要がある局面に入ったとは言えます。
また、日本の株価への影響という点で見ると、アメリカが今、株安になっていることに加えて、日本株にマイナスになる円高が進んでいるため、週明けは値下がりで始まりそうです。
その先の値動きについては、今後発表されるアメリカの経済指標や、それに伴うアメリカ市場の動きに左右されることになりそうです。