■パリオリンピック™ スポーツクライミング男子複合決勝(日本時間9日、ル・ブルジェ・スポーツクライミング場 )
スポーツクライミング男子複合で日本代表の安楽宙斗(17)が銀メダルを獲得。同種目、男子では日本勢史上初の表彰台に輝いた。
前半の「ボルダー」と後半の「リード」の合計点で競われ、決勝は8人で争われた。準決勝を全体トップで通過した安楽は、ボルダーで4課題のうち2課題を完登し、69.3で暫定首位に立って得意のリードへ挑んだ。
リードでは最終競技者で挑んだ安楽。85.9点以上で金メダルが確定するというプレッシャーの中、序盤のホールドをしっかり掴み、ゆっくりと確実に登っていく。危なげなく30点まで到達すると、難しいホールドも両手両足を駆使して頂上へ。その勢いのまま銅メダルラインを超えたが、銀メダルラインを掴んだ所で落下。金メダルのホールドまであとわずかだった。安楽の初めてのオリンピックは銀メダルに。
安楽は23年シーズンのW杯の「ボルダー」と「リード」で年間総合優勝を果たすなど頭角を現し、今大会は世界ランク1位で挑んだ。
銀メダルを獲得した安楽は「いや2位で、ん~って、まずもう表彰台上がれたことは最低の目標だったんすけど、やっぱりボルダーでほぼ同点でリードで勝った方が勝つっていう状況で、「76」と「96」でもう圧倒的に負けたなという感じですね」と喜びよりも悔しさの方が勝ったようだ。
「去年の世界選手権より今回はだいぶリラックスして臨めたんですけど、疲労の切り替えとか、だいぶ途中のパートですごくグラグラして、いつ落ちてもおかしくなくて結構駄目な登りだったので、そうですね、リードは完敗ということですね」と悔やんだ。
それでも日本勢男子初のメダルに「そうですね、表彰台に乗れたことはとても嬉しいですけど、やっぱり本当に金を狙ってボルダーから集中してこなしてきたので、一生懸命やってきたんですけど、普通に悔しいです」と語った。