最大9連休となる今年のお盆ですが、皆さんどう過ごす予定なのでしょうか。外出する方は、常温保存に注意が必要です。
【写真を見る】「3℃違う」100年以上猛暑知らずの町が人気 “異常温”お盆で外出中の室温に要注意【Nスタ解説】
外出中の室温は、外気温とどれくらい違う? 実験結果は…
山内あゆキャスター:
この夏休みはお出かけしますか?
「1泊2日以上の外出の予定はありますか」というアンケートをとったところ、「あり」という方が45%で、半分より少し少ないぐらいでした。(パナソニック「エオリア」調べ)
外出予定の期間を聞いてみると「1泊2日」が18%、「2泊3日」が13%、「3泊4日以上」が14%で、分散しているかなというところでしょうか。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
物価高や円安もあるので、海外旅行などに行く人は、割合として少ないのかもしれないですね。
山内キャスター:
10日(土)~12日(月)の3連休と、13日(火)~16日(金)の3連休を合わせて、9連休になる人も多いということです。
東京の最高気温の予想を見ると10日(土)が35℃、11日(日)が37℃、12日(月)が34℃と、やはり猛暑日になる日も多くあります。
家に家族がいる人は留守にしていても誰かがクーラーをつけていますが、一人暮らしだと、家に帰ってどうですか?
南波雅俊キャスター:
むわっとしていて、すぐにクーラーをつけないと厳しいなという感じが続いています。
山内キャスター:
1日でもそういうふうになりますよね。これが何日も続くと、やはり家の中は暑くなってしまうのでは…ということで、外出中の室温はどうなっているのか、和室と洋室で比べた実験があります。
実験したのは2021年8月5日、東京・八王子の木造2階建て家屋(2階で観測)で、この日の最高気温は36.5℃でした。サーモカメラで見てみると、和室は障子が真っ白になっています。白が最も熱くて38℃ぐらいです。
洋室のほうがマシなのかと思いきや、室温はどちらも34.5度で、外気温とさほど変わっていませんでした。(出典:日本気象協会「熱中症ゼロへ」)
南波キャスター:
2度しか変わらないんですね。
変わる暑さ対策の常識…野菜や調味料は常温保存に要注意!
山内キャスター:
そうなるとやはり、今までの暑さ対策などの常識は変わっていくということになりますよね。
野菜の保存方法も変えていかなければなりません。家事アドバイザーの矢野きくのさんに聞きました。
玉ねぎ、じゃがいも、かぼちゃ(未カット)といった、これまでは常温で保存していた野菜は、10℃~20℃が適温です。しかし、家の中が30℃以上になってしまうと暑さで傷みやすいため、今後は野菜室を推奨するということです。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
うちでは少し暗いところに野菜を置いていましたが、要するに常温が常温ではないから、新しい対策を取らなければいけないということですね。
山内キャスター:
“異常温”になっている、というところでしょうか。
では、液体の調味料はどこに置いていますか?矢野さんは醤油、酢、みりんについて「30℃くらいまでなら問題無いが、“35℃超え”が続くような時期は暑さで傷む可能性もあるので、1週間程度の不在時は野菜室での保存を」と話しています。
南波キャスター:
今は35度が当たり前のような日が続いていますが…。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
調味料も外に出していましたが、この間1泊2日で外出して帰ってきたら、確かにめちゃめちゃ熱くなっていました。観葉植物も干からびてカラカラになっていたので、本当に大変ですよね。
目薬、猛暑のときは冷蔵庫で冷やして保存してもOK? NG?
山内キャスター:
目薬はどうでしょうか?一般的な保存方法は室温保存ということで、目安は1℃~30℃です。SNS上では「この気温でも大丈夫なのかな…」という声や、逆に「目薬は冷蔵庫で冷やしていいの?」という声もありました。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
成分が変わってしまうかなと思って、普通に冷やしていましたが…。
山内キャスター:
実は、目薬は冷蔵庫保存NGだそうです。安全性には問題はないものの、効果が薄まってしまうということです。
ひなた在宅クリニックの田代和馬院長は「“保存試験”の結果から、35度程度までは耐えられる。冷蔵庫ではなく、直射日光が当たらない場所での保存で問題ありません」と話していました。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
変化させないために冷蔵庫に入れていたら、むしろ変化させていたのか…。
山内キャスター:
それから、靴箱の中も要注意です。靴の修繕などをしているRESH.の山田和弘さんは「暑さの影響で靴底が外れるリスクがあります」と話していました。靴底の固定が接着剤のみの場合、外れてしまうかもしれないということです。
ですから、長期間不在にするときには、熱がこもらないように対策してください。靴箱の扉は開けておきましょう。また、靴を脱ぎ履きする、いわゆる玄関の“たたき”に靴を保管しておいたほうが、靴底は外れにくいということです。
南波キャスター:
本当にもう気候が変わっていますから、野菜、調味料、靴まで、色々対策が変わってくるんですね。
東京大学准教授 斎藤幸平さん:
全部、見直して考えないといけないですね。
南波キャスター:
まさに“異常温”が続いています。
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<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学 准教授 専門は経済思想・社会思想
著書『人新世の「資本論」』50万部突破