福島第一原発で予定されていた核燃料デブリ試験的な取り出しのミスをめぐり、齋藤経済産業大臣が東京電力のトップに「猛省を促したい」と話しました。
福島第一原発の1号機から3号機には事故で溶け落ちて固まった核燃料「燃料デブリ」がおよそ880トンあるとみられ、その取り出しが廃炉の最大の課題となっています。
東電は22日に試験的な取り出しに着手する予定でしたが、準備作業にミスがあったことから急遽、中断しました。
齋藤経済産業大臣
「東京電力の廃炉作業の安全性ですとか、執行能力について、地元、国内外に不安を抱かせるものであり、猛省を促したい。極めて深刻な問題であると強く危惧している」
齋藤経済産業大臣は23日、東京電力ホールディングスの小早川社長を呼び、「協力会社任せにせず、東京電力自身が全作業に責任を持って取り組んでほしい」と話しました。そのうえで、必要な対応を早急にとり、改めて来週にも報告するよう求めました。
これに対し、東電の小早川社長は「大変重く受け止めたい」と陳謝し、対策をまとめていく考えを示しました。
東電はミスの原因について調査を進めていて、作業の再開は週明け以降となる見通しです。