「パワハラ」や「おねだり体質」を告発された兵庫県の斎藤元彦知事。その疑惑などを調査する議会の百条委員会で、県職員への証人尋問が行われました。
【写真を見る】ペンのインク出ず叱責、エレベーター乗り損ね激怒など…兵庫県知事の“パワハラ・おねだり疑惑” 告発者への処分も不適切と指摘【Nスタ解説】
兵庫県知事「パワハラ疑惑」 百条委員会で県職員が証言
「パワハラ」や「おねだり」疑惑が浮上している兵庫県の斎藤元彦知事。
疑惑について調査している百条委員会は、23日午前10時前から、非公開で職員への証人尋問を行いました。渦中の斎藤知事は…
兵庫県 斎藤元彦知事
「職員のみなさんにはご負担をおかけすることになると思いますが、審議についてそれぞれの立場で、適切に対応していただければ」
そんな中、県職員へ行ったアンケートの一部が、中間報告として23日に公開されました。
アンケートでは、知事の「パワハラ」については約4割、「贈答品の受け取り」は約2割が「見た」「聞いた」と回答しています。
パワハラについて、目撃、経験などにより実際に知っていると回答した職員からは…
「アンケート」の中間報告から
「本庁職員の場合、ほぼ全員が知る話だと思う。机の配置が気に入らない、ペンのインクが出にくい、そんな些細なことで部長等幹部を睨み恫喝、叱責していた」
「机を叩く、暴言をはく」
「知事がイベント等に参加する時は、いかなる時も必ず髪型セットの場所を用意しないといけない。そもそも髪型セットの場所を用意すること事態、不要なのにも関わらず、用意できていないと怒る(原文ママ)」
疑惑の真相は明らかになるのでしょうか。証人尋問の概要については23日、百条委員会の委員長が会見して説明するということです。
兵庫県知事 “パワハラ疑惑” 県職員 きょう証人喚問
南波雅俊キャスター:
兵庫県の斎藤元彦知事のパワハラ・おねだり疑惑などを調査する議会の百条委員会で、23日午前から証人尋問が行われています。
斎藤知事からパワハラを受けた、また目撃した可能性のある県職員6人が、議員ら以外は立ち入り禁止で、秘密会形式で実施されています。
また百条委員会は職員約9700人にアンケート調査を行い、124枚に上る中間報告を公表しました。
アンケートは8月5日までに寄せられた4568人の回答の集計結果で、うち333人は実名だそうです。
このうちパワハラやおねだりについて「見た」「聞いた」と回答した人は、▼パワハラ38.3%、 ▼おねだり20.7%だということです。
「座席蹴る」「革ジャンおねだり」県職員のアンケート公表
まだ事実認定をされていない、伝聞になりますが、アンケート結果から、様々な問題が明らかになりました。
【パワハラ疑惑】
・エレベーターに乗り損ねたことに激怒
斎藤知事「お前はエレベーターのボタンも押せないのか」
・公用車に乗車中
斎藤知事「なんでこんなルート走ってるの!」→前方の座席を蹴る
【おねだり疑惑】
・カニ関連の視察
カニの土産を職員が固辞
→斎藤知事は職員の分まで持ち帰る
・革製品の視察
40万円相当の革ジャン試着
斎藤知事「これはいい。もらえないか」→断られる
このアンケート結果について斎藤知事は、「県政をより良くするために『こういう風にした方がいいよ』という注意などをさせて頂きました。受け止め側とのコミュニケーションのズレが生じていることについては真摯に反省することが大事だと思います」とし、30日の証人尋問には出頭予定だということです。
日比麻音子キャスター:
事実確認や調査は今後行われるということですが、内容が事実なのであれば、それは“コミュニケーションのズレ”なのでしょうか。今まで告発などがあっても十分な検証されず、積もりに積もった現状だということは間違いないと思います。
歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
よく出てくるなと思うほど、さまざまな疑惑が出てきましたね。
知事本人は“コミュニケーションのズレ”と言っているようですが、裏を返せば空気が読めない人なのかなと思います。
暗に「自分は空気が読めない」「おかしい」ということを認めているような発言にも取れますね。
多くの市長が「不適切」と指摘 告発者への処分
南波キャスター:
別の問題として上がっているのは『告発者への対応』の部分です。
▼2024年3月、兵庫県の元幹部(60)が報道機関などに告発
→斎藤知事「事実無根 嘘八百」
▼4月 元幹部は兵庫県の公益通報窓口に通報
▼5月 兵庫県「革新的な部分は事実でない」として元幹部に懲戒処分停職3か月
▼8月23日 兵庫県内の市長らが公益通報保護者の対象とせず懲戒処分をしたことは不適切だと多くの市長が指摘し、要望書を提出
【兵庫県職員公益通報制度】
県職員らがまず通報できる内容
・県または公社などの事業または行為について法令違反や職務上の義務違反にいたる恐れがあるもの
・県政を推進するにあたり、県民の信頼を損なう恐れのあるもの
上記に関して、「通報者が不利益を受けることがないよう十分留意する」とされています。
しかし、兵庫県は告発をした元幹部に対し、通報制度とは別の形で懲戒処分をしたということになります。
山内あゆキャスター:
告発をした元幹部はその後、亡くなっていますよね。
パワハラは、加害を止めることが難しいのであれば、被害を避けることが基本中の基本だと思います。(懲戒処分という対応は)腑に落ちません。
歴史・時代小説家 今村翔吾さん:
(斎藤知事は)特権意識があるのだろうなと感じます。私は行政で何年か仕事をしていましたが、お中元すら受け取りませんでした。なぜ知事が、このようなことをするのだろう?と思います。
日比キャスター:
勇気を出して声を上げた人だけではなく、県民もモヤモヤが続いています。一刻も早く徹底した調査を行ってほしいと思います。
==========
<プロフィール>
今村翔吾さん
「塞王の楯」で第166回直木賞受賞
歴史・時代小説家
30歳までダンス講師