『老化は44歳と60歳で急に進む』米大学が研究発表 体に何が起きている?医師に聞く“老化予防”【ひるおび】

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2024-08-23 20:58
『老化は44歳と60歳で急に進む』米大学が研究発表 体に何が起きている?医師に聞く“老化予防”【ひるおび】

「しっかり寝ても疲れが取れない」「細かい字が見えにくい」「脂ものが食べられない」
日々の生活でふと気づく、年齢を感じる瞬間…
そんな老化に関する、驚きの研究結果が発表されました。

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44歳と60歳で急激な老化 米大学が発表

スタンフォード大学がオンライン科学誌に研究成果を発表しました。
対象者はアメリカ在住の男女108人(25歳〜75歳)です。

≪研究内容≫
・3~6か月ごとに血液・皮膚・排せつ物のサンプルを採取し、約1~7年間研究
・タンパク質・腸内や皮膚の細菌などを調査

≪研究成果≫
・ある年齢で調整障害につながる生体分子の変化が集中
・老化が急激に進むのは44歳・60歳前後で、男女差はない

44歳・60歳頃には何が起きている?

【44歳頃の変化】
▼心血管疾患
▼脂質の代謝が下がる
▼アルコールの分解がしにくくなる

リスクとしては、
心血管疾患・・・心筋梗塞、高血圧など
脂質の代謝が落ちる・・・動脈硬化、高脂血症など
アルコールの分解がしにくくなる・・・肝炎、肝硬変など
が挙げられます。

【60歳頃の変化】
▼免疫機能の低下
▼酸化ストレス
▼糖・炭水化物の代謝

リスクとしては、
免疫機能の低下・・・がん、リウマチなど
酸化ストレス・・・動脈硬化、脳梗塞など
糖・炭水化物の代謝・・・血糖値の上昇、糖尿病など
が挙げられます。

44歳と60歳、両方の時期で肌の老化も加速するということです。

お茶の水健康長寿クリニック 白澤卓二院長:
今までの研究というのは、しわとか白髪とかそういうところを見ていたんですが、今回のスタンフォード大学の研究のポイントは、体の遺伝子を調べているということです。
特に遺伝子発現、腸内細菌叢(腸内フローラ)を調べているので、どういうものを食べているかが反映されているんです。
生活習慣が老化をどのぐらい加速させているかを調べたときに、44歳頃と60歳頃の2回、「アクセルがかかっている」という感じなんですよね。そのときだけ老化の速度がぐっと進んでいる。
要因は、44歳のときはアルコールの飲みすぎと、それから脂っこいものを食べ過ぎていること。
60歳のピークは、どちらかというと炭水化物の食べ過ぎが細胞にストレスを与えている。酸化ストレスを与えていて免疫が下がって「がん」や「リウマチ」の原因になっている。
こういうことが新しい結果として出てきたということなんですね。

恵俊彰:
ということは生活習慣を見直すという意味では、60歳前後の僕とか八代さんとかは、炭水化物や糖をしっかりコントロールしていかなきゃいけないということなんですか?

お茶の水健康長寿クリニック 白澤卓二院長:
そうですね。おそらく炭水化物の量が多すぎるので、例えばお昼のランチはパスタを止めてサラダにするなどの工夫をする。
それから酸化ストレスと戦うためには、抗酸化力が高い野菜や果物を中心に食べていくことが重要なポイントになると思います。

“老化の実感” 出演者は

今年60歳の八代弁護士・MC恵俊彰は体の変化について・・・

弁護士 八代英樹(60):
眠りが浅くなり、朝早く起きてしまうことがある。持久力がなくなって、運動してても長くもたない。
空手の組手とかキックボクシングのスパーリングとか、2分3分って追い込まれるじゃないですか。もう途中でへばっちゃうんですよ。ここでガクッと落ちて、一度疲れたのが戻るのに時間がかかるようになりましたね。

恵俊彰(59):
同感です。体全体に不調を感じる。
去年帯状疱疹になったりとか、今年も喉が枯れるのが3回ぐらい続いたりとか、回復力がないです。

お茶の水健康長寿クリニック 白澤卓二院長:
免疫細胞も酸化ストレスがあると十分に働けなくなるので免疫機能が落ちてきます。
特に筋肉細胞に酸化ストレスがたまると筋肉が老化するのでリカバリーに時間がかかります。
ということは、筋肉細胞に溜まっている酸化ストレスがどんどん蓄積して、酸化ストレスが解消しないうちにまた筋肉を動かしているので、だんだんダメージが蓄積してきているということだと思うんですね。

弁護士 八代英樹:
それは筋トレした方がいいってことですか?

お茶の水健康長寿クリニック 白澤卓二院長:
そうではなくて、筋トレをやりすぎると酸化ストレスが逆に出てくるということなんです。例えばエスカレーターではなく階段を使うとか、軽いウォーキングをすることによって、余計な酸化ストレスを出さずに休養して処理していく。
脳と筋肉が一番エネルギーを使って酸化ストレスが出やすい臓器なんですね。
やはり炭水化物の量に気を付け、過激な運動をやりすぎないことが重要なポイントになってきます。

恵俊彰:
炭水化物は3食のうち1食にした方がいいですか?

お茶の水健康長寿クリニック 白澤卓二院長:
お昼は皆さん結構パスタとかラーメンとか食べているので、炭水化物の塊なんですよね。
お昼に「レインボーサラダ」と呼んでいる抗酸化力のある色とりどりの野菜と玉子ぐらいで抑えておくと代謝が変わってくるんですね。
朝と夕方に炭水化物を食べていても、日中の代謝が変わることによって、免疫機能が良くなったりします。
それから人間の体の中にはゴミを掃除してくれる作用があるんですね。
脳にたまったゴミとか筋肉にたまったゴミがその間に掃除されてくれると、70、80歳になって出てくるアルツハイマー病などの病気も予防できてくるということなんですね。

来月48歳になるという土屋礼央さんは、今年に入って目の衰えを感じるようになってきたといいます。

コメンテーター 土屋礼央(47):
小さい文字が見えづらくなってきました。

お茶の水健康長寿クリニック 白澤卓二院長:
44歳のときは、アルコールの飲みすぎや脂っこいものの食べ過ぎによる動脈硬化や心筋梗塞などの問題が出てきますので、当然目に行く動脈もあるわけですね。ですから、視力の問題にも繋がってくると考えられます。

コメンテーター 土屋礼央:
44歳の時と60歳の時に気をつけるポイントは一緒なんですか?

お茶の水健康長寿クリニック 白澤卓二院長:
いずれも軽い運動をし続けることはいいことで、例えば脂っこいものを食べ過ぎても脂質を燃やせる体になっていれば、処理できずに体にたまってくることを避けられますし、60歳になっても運動によって酸化ストレスを防御するような遺伝子発現が起きるということが、今回のスタンフォード大学の研究からもわかっています。

医師に聞く“老化予防”

44歳と60歳前後でどういった対策をしていけばいいのか、白澤院長に聞きました。

【44歳頃】
スタンフォード大学の研究によると脂質の代謝が下がるので、アルコールやコレステロールの摂取量を抑えることが重要です。
アルコール類と揚げ物を控え、野菜中心の食生活に。
脂質を抑える効果的な食材として、「サバ」がおすすめです。

【60歳頃】
スタンフォード大学の研究によると酸化ストレスが上がるので、酸化を抑えるポリフェノールなどを多く含む食材を摂るのが良いそうです。
抗酸化力のある食べ物は、サーモン、ブロッコリー、夏野菜など。
過剰な運動は逆効果なので、ストレッチ、ウォーキング、階段を使用するなど無理のない範囲で適度な運動をしてください。

恵俊彰(59):
60歳前後のお酒の量はどのように理解すればいいですか?

お茶の水健康長寿クリニック 白澤卓二院長:
今回の調査の中では、60歳のときはアルコールのリスクはほとんど出てこなかったんです。でもアクセルとして出てこなかったということなので、たくさん飲んでも大丈夫だということではありません。
ただし、調査対象がカリフォルニアの人だったので、40歳前後に例えば管理職になるとか食生活が変わるポイントがあるんじゃないかと思われるんですね。
このデータをそのまま日本人に当てはめていいかどうかというのもあります。
今回の研究はあくまでもカリフォルニアに住んでいる108名ということで、白人が大体60%、中にアジアの人も20%入っています。
BMIの平均が28ぐらいなので、ぽっちゃりめの人が対象として多かったということで、結構お酒を飲んだり脂っこいものを食べたりしている人たちが対象になっているのかなという印象を受けます。

恵俊彰:
日本人のデータと若干違いがあるのかもしれませんね。ただ、男女差はないってことですから江藤さんもハシヤスメさんもいつかやってくるんですよ。

コメンテーター ハシヤスメ・アツコ:
今まだ年齢的に44歳よりも前なので、今対策しておかないといけないことがもしあれば聞いておきたいです。

お茶の水健康長寿クリニック 白澤卓二院長:
108名のほぼ半分は女性だったんです。でも男女差が出なかったということは、女性も脂っぽいものとかアルコールを摂取しているのかなという印象を受けてちょっと面白かったんですけども、やはり女性も40代前半、それから60代になったときに生活習慣に気をつけていかないと、男性と同じようなリスクがあるということがこの研究からわかったと思います。

江藤愛アナウンサー:
ちょっとずつ準備をしながら、でも今のうちに揚げ物を食べておきます。

(ひるおび 2024年8月21日放送より)
==========
<プロフィール>
白澤卓二氏
お茶の水健康長寿クリニック院長
専門は認知症の治療・予防とアンチエイジング

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