きょうも各地で猛暑日!厳しい暑さで異変も 熱中症の搬送人数、約4万人→約8万人に…10年前と比較【Nスタ解説】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-09-06 21:26

6日も全国各地で猛暑日を記録。厳しい暑さの影響で、夏の光景も変化しているようです。今では当たり前の「日傘男子」ですが、30年前はどんな対策をしていたのでしょうか?

【写真を見る】きょうも各地で猛暑日!厳しい暑さで異変も 熱中症の搬送人数、約4万人→約8万人に…10年前と比較【Nスタ解説】

涼しさどこへ? 予報士「あと1か月ほど暑さ続く」

加藤シルビアキャスター:
9月6日も全国的に厳しい暑さとなりました。猛暑日となったのは全国で39地点で、真夏日となったのは564地点でした。

いつまで暑いのか、森田正光気象予報士によると「9月に猛暑日になることは珍しくありません。あと1か月ほど暑さは続きそう」ということでした。

時代で変わる“夏の光景” 厳しい暑さで異変続々と…

日本の暑さはどのように変化してきたのでしょうか。

1955年8月の「暑さのニュース」、エアコンがない時代だったので、公園の木陰で涼むのがこの頃の暑さをしのぐ定番のスタイルだったようです。

さらに、汗が滴る暑さの中で、男性たちがベストやジャケットを重ね着する映像もありました。これは酷暑を乗り切るための修行だったそうです。8月の猛暑の中、冬服姿で焚き火にあたるというイベント。今では考えられない昭和の暑さ我慢大会だということです。

1950年代の「暑さニュース」について森田気象予報士は、「昔もまれに35℃以上になることはあった。ただ、今みたいに猛暑日が“普通”ということはない」としています。

「暑さのニュース」にはだんだんと深刻な話題も増えていきます。

1987年7月、この日の関東は記録的な暑さになり、一斉にクーラーなどを使ったため首都圏の送電設備がダウンしました。国会でも答弁中に委員会室が暗くなるなど、1都4県280万世帯が停電する事態となりました。

1994年は雨が少なかった上に記録的な猛暑が重なって、全国各地で水不足となりました。生活に使う水にも制限がかかるような水不足の実態があったということです。

2010年は6月~8月の平均気温が、当時としては最も高い1年となりました。熱中症による死亡者数は1718人と急増。その前の年が8人だったので、いかに増えたかというのがよくわかります。

だんだんと暑さの深刻度合いが増してきています。

暑さで何が変わった?10年前と比較してみると…

暑さで何が変わったのか、2024年と10年前で比較してみます。

▼年間の猛暑日数(東京)
10年前 5日→2024年 19日

▼熱中症の搬送人数(全国)
10年前 約4万人→2024年 約8万3000人(9月1日時点)

▼公立小学校の空調設置率(全国・普通教室)
10年前 35.8%→2024年 95%(2022年9月時点)

またテレビの現場でも、帽子や日傘などを使って中継をすることが当たり前となりました。

日比麻音子キャスター:
もう今や“地球沸騰化”ともいわれていますが、暑さは日本だけの問題ではなくグローバルな問題でもあって、何年もかけて、もっと真剣に向き合わなければいけない気候変動の問題だなと思います。

東京大学准教授 斎藤幸平さん:
間違いなく気候変動の影響が出てきていると思います。

例えば、日本だと台風などで河川が氾濫したり死者が出たりして、目に見えてわかりやすい影響が出ると思いますが、暑さは気候変動としても実感しにくく問題になりにくい課題です。

しかし、熱中症で多くの人が亡くなっていますし、それ以外にも、暑くて働けないなど、生産性が下がるという影響もあります。また、鬱になるという研究もあったりします。

例えばアメリカ・フロリダ州マイアミやギリシャ・アテネなどでは、熱波に対抗するための「最高熱波責任者」という行政の責任者を設置して、地域の暑さ対策をどうするかを考えたりしています。そういうものを日本も考えても良いところに来ているのではないかと思います。

日比キャスター:
「暑さが怖い」と思うようになったことも大きな変化なのかなと思いますね。

========
<プロフィール>
斎藤幸平さん
東京大学 准教授 専門は経済思想・社会思想
著書『人新世の「資本論」』50万部突破

  1. 「氷肌玉骨」とはどんな意味?どのような人を指す言葉?
  2. 弱視の廣瀬順子、柔道57kg級で初の金メダル!全て一本勝ちで悲願のパラ女王の座掴む【パリパラリンピック】
  3. 車いすテニス・上地結衣、シングルスで金メダル!逆転で世界1位破り、日本女子史上初・単複2冠の快挙【パリパラリンピック】
  4. パリ五輪出場のウガンダ女子選手が死亡 元交際相手に火をつけられ重度のやけど 東アフリカではパートナーの暴行による女性アスリート死亡相次ぐ
  5. トヨタ 2026年のEV世界生産100万台程度に EV市場の成長が世界的に“鈍化”
  6. 斎藤知事「(告発文)しっかり調査するよう指示」 “パワハラ・おねだり疑惑”2回目の証人尋問で語ったことは?【Nスタ解説】
  7. コメ不足で…ご飯大盛り・おかわり無料中止も 味噌や“酒”、米菓にも影響【Nスタ解説】
  8. 【訃報】俳優・二神光さん(33)死去 所属事務所が発表 「西郷どん」「相棒」などに出演 5日にバイク事故
  9. アメリカ 8月雇用統計 就業者数+14万2000人も市場予想下回る、失業率は改善
  10. “子どもも気を遣う”コメ不足 食卓やイベントにも影響 「すでに落ち着いている」店舗も…不足解消いつ?【Nスタ解説】
  11. 兵庫県知事に2度目の証人尋問 “告発者捜し”かつての“最側近”が証言 知事から「徹底的に調べて」知事と職員証言に“食い違い”も【news23】
  12. 東京都 “公立小中学校の給食費支援”拡大へ 都内全ての小中学校で「給食費完全無償化」を目指す
×