カナダ、アメリカ、フランス…ボートとキャンプで楽しむ世界遺産【世界遺産/アラスカ・カナダの氷河地帯】

TBS NEWS DIG Powered by JNN
2024-09-08 10:00
カナダ、アメリカ、フランス…ボートとキャンプで楽しむ世界遺産【世界遺産/アラスカ・カナダの氷河地帯】

世界遺産の「氷河地帯」 ボートで移動、“10日間”のキャンプ泊

世界遺産には、何日もボートや船で移動しながら撮影をするものがあります。テレビ屋の場合は仕事なのでそれなりに大変ですが、一般の人だったら水辺の旅やキャンプの楽しさも味わえる世界遺産を紹介します。

【写真を見る】カナダ、アメリカ、フランス…ボートとキャンプで楽しむ世界遺産【世界遺産/アラスカ・カナダの氷河地帯】

まずはアメリカ・アラスカ州とカナダにまたがる世界最大級の氷河地帯。世界遺産としての正式名称は「クルアーニー/ランゲル-セント・イライアス/グレーシャー・ベイ/タッチェンシニー-アルセク」という4つの自然公園の名前を並列したもので、長すぎる上にどんな世界遺産なのか分からないので、番組「世界遺産」では「アラスカ・カナダの氷河地帯」と呼んでいます。

今年、番組では、カナダ側のタッチェンシニー-アルセク公園からアラスカ側のグレーシャー・ベイ国立公園までボートで川を移動しながら撮影しました。これは世界的に人気のボート・ツアーのルートで、番組も一年前に予約してツアー用のガイドとボートを押さえることができました。

ルートは約200キロ。ラフティング用のボートで移動しながら美しい渓谷、そして氷河が流れ込む湖など、壮大な自然を楽しむことができます。10日間ほどの日程ですが、すべてキャンプ泊。毎日、川沿いのキャンプ地に上陸し、テントを張って食事をして寝る…というキャンプ好きにはたまらない日々です。

番組の撮影では2隻のボート、2名のガイドという体制だったのですが、ガイドはふたりとも20代の女性でした。このガイドさんが超優秀でボートの操り方は上手いし(激流で転覆でもしたら機材もろとも水没してしまうので、番組的には大変重要なポイント)、さらに作ってくれるキャンプ飯が絶品。手の込んだメキシコ料理を作ってくれたりして、撮影隊はかなりラッキーでした。

ちなみにキャンプで出たゴミや排泄物は、環境を守るために持って帰ります。体力的にもかなりハードなので、アウトドア上級者向きのボート旅かもしれません。

食・文化・歴史を楽しみながら…「ミディ運河」を手軽に船旅

一方、もっと楽にボート旅を楽しめるのがフランスの世界遺産「ミディ運河」。古都トゥールーズから地中海まで全長240キロ。17世紀に作られた運河で、かつてはワインなどの農作物を運ぶ大輸送路でした。

現在は、レンタルした船でのんびりとボート泊を楽しめる人気のクルーズ・コースとなっています。番組でも船をレンタルした家族を取材したのですが、6人乗りの船にはベッドルームがふたつ、冷蔵庫やレンジを備えており、船中で寝泊まりしながら移動できるようになっています。

このコースは世界遺産的に見所が多く、そのひとつが高低差約20メートルの丘を船で越えるために作られた「水の階段」。ロックと呼ばれる仕組みが7つ階段状に続いています。水門を開け閉めして水位を変え、そのたびに船はひとつ上のロックに移動…これを7回繰り返して20メートル上の運河へと進んでいくわけです。現代のテクノロジーだと船ごと巨大エレベーターで引き上げてしまったりするのですが、17世紀という時代を感じさせる技術です。

またミディ運河沿いにはカステルノーダリという田舎町があるのですが、ここはビストロ料理の定番「カスレ」発祥の地といわれます。白インゲン豆と豚肉、ソーセージ、鴨のコンフィなどを煮込んだ郷土料理。さらにワインの名産地・ラングドック地方でもあるので、赤ワインで本場のカスレを楽しむ…といったことも道中でできてしまいます。

さらにミディ運河沿いには別の世界遺産である「城塞都市カルカソンヌ」もあります。古代ローマ人が築いた城壁の外側に、中世さらに城壁が築かれた歴史あるたたずまいの街。こうしたポイント毎に船から上陸して、街を楽しんで船中泊、そしてまた船で移動していく…そんな旅ができる運河です。

大自然とキャンプを楽しむアウトドア上級者向けの「アラスカ・カナダの氷河地帯」。比較的手軽に船旅と南フランスの文化と歴史を楽しめる「ミディ運河」。かたや自然遺産、かたや文化遺産で、それぞれの世界遺産としての性格の違いが水の旅にも現れているわけです。

執筆者:TBSテレビ「世界遺産」プロデューサー 堤 慶太

  1. 警察署前の交差点で緊急走行中のパトカーと軽乗用車が衝突 軽乗用車に乗っていた男女4人が重傷 埼玉・上尾市
  2. JR内房線の踏切で列車と軽乗用車が衝突 76歳女性が死亡
  3. 『娘への愛が強すぎる大型犬』の末路…大好きが溢れ『片時も離れたくない』光景が可愛すぎると59万再生「彼氏感すごい」「守ってくれそう」
  4. 兄(49)が妹(42)刺して殺害しようとしたか 兄を殺人未遂の疑いで逮捕 妹はその後死亡 長野・茅野市
  5. 【壇蜜】 「ぶち切れる」は…「かなり苦手な言葉」 「できるだけ使いたくはない」「周囲の方々からも言ってほしくない」
  6. 人間が辛い暑さは黒いカラスも大変だった!意外と知らないカラスの生態がかわいい!!
  7. アイドル・高橋桃子さん 「私の黒歴史写真ついに解禁」 高3→現在の【激変】写真公開 「あの頃には戻らないぞ」 【あまいものつめあわせ】
  8. 住宅と土木会社の倉庫を焼く火事 住宅から1人の遺体見つかる 住宅に住む男性と連絡つかず捜査中 埼玉・川口市
  9. 「『ママアスリート』と呼ばない社会へ」 空手家・清水希容さん【Style2030】
  10. 猫の『首をつまむ』と静かになるのはなぜ?2つの理由 正しいつまみ方のコツも
  11. 犬に『心を許してもらえる人』の3つの共通点とは?嫌われてしまう人の特徴や仲良くなるための秘訣まで
  12. 【読めたらスゴイ!】「家主貞良」とは一体何のこと!?洋菓子のような長崎県名物の和菓子ですが・・・この漢字を読めますか?
×