日本銀行の植田総裁は更なる利上げについて判断する「時間的な余裕がある」と話し、慎重に検討していく考えを強調しました。この発言を受けて、円相場は一時、144円台後半まで円安が進みました。
日銀の植田総裁はきょうの講演で、「丁寧に確認していく時間的な余裕はある」と述べ、急いで利上げをするのではなく、アメリカなど海外経済や国内の経済・物価の動向を慎重に見極めていく姿勢を示しました。
日銀は2%の物価安定目標が実現する見通しであれば、段階的に利上げを進める考えですが、植田総裁は「予期せぬ事態もしばしば生じる」と説明。更なる利上げの時期については、「あらかじめスケジュールを定めるものではない」と強調しました。
植田総裁の一連の発言を受けて、市場では日銀の利上げの時期が遅くなるとの見方が広がり、円相場は1ドル=144円台後半まで円安が進む場面もありました。